CL SDF Tools|光の向きごとに影を描いて、顔用のSDFテクスチャを作るBlenderアドオン

Blender

Calappa Lab氏のBlenderアドオンCL SDF Toolsが、2026年10月14日にv1.3.0になりました。アニメ調キャラクターの顔の影を光の向きごとに描き、1枚のSDFテクスチャに変換するアドオンです。8月29日にBOOTHで公開され、v1.3.0では書き出した画像に残った小さな黒点・白点を探して印を付ける機能が加わりました。外部ツールに書き出して変換する手間がなく、Blenderの中だけで作業が終わります。

SDFテクスチャとは

アニメ調のキャラクターで顔の影をライトの計算に任せると、鼻や頬の凹凸がそのまま影になり、絵として不自然になりがちです。そこで「どの向きから光が当たったとき、どこが影になるか」を角度ごとに描いておき、1枚の画像にまとめる手法が使われます。この画像がSDFテクスチャです。対応したシェーダーで使うと、光の向きに合わせて顔の影がなめらかに動きます。最近のアニメ調のゲームでも使われている表現です。

3ステップでSDFテクスチャを作る

作業は3段階です。まず顔のモデルに専用のマテリアルを割り当てます。次に光の向きを少しずつ変えながら、角度ごとの影を描きます。最後に、描いた影をまとめて1枚のSDFテクスチャに変換します。角度の刻みは15度、22.5度、30度から選べます。角度のボタンを押すと、表示される影の絵と光の向きが同時に切り替わります。

3ステップの説明図。専用マテリアルを割り当てた白黒の顔、角度ボタンとレイヤーのパネル、変換後のグレーのSDFテクスチャ
専用マテリアルの割り当て、角度ごとの影の描き込み、SDFテクスチャへの変換の3ステップ(画像:BOOTHの商品ページより)

影をレイヤーに分けて描く

影は3種類のレイヤーに分けて管理します。どの角度でも必ず影にしたい場所は「絶対影レイヤー」に描きます。耳や鼻のように使い回したい影は「カスタムレイヤー」に描き、角度ごとに配置します。角度ごとのメインの描き込みは「ペイントレイヤー」に入れます。レイヤーの重ね方は、アルファ上書き、乗算、Lighten、減算から選べます。

レイヤーパネルの構成図。Absolute Shadow、Custom、Paint(per angle)、Lightingの4項目と、それぞれの描き込み例
専用レイヤーの構成。絶対影・カスタム・角度ごとのペイント・下地のライティング表示(画像:BOOTHの商品ページより)

ショートカットを足した専用のペイントモード

Blender標準のブラシはそのまま使えます。そのうえで、影を描く作業に合わせたショートカットが追加されています。Xで描く色と控えの色を入れ替え、Cで描くと消すを切り替え、Hでブラシの硬さを変えます。Wでワイヤーフレームの表示を切り替え、Lでカーソルの下の面をまとめて塗りつぶせます。Ctrlを押しながらドラッグすると控えの色で描き、Ctrl+Shiftを押しながらドラッグすると消しゴムになります。

専用ペイントモードで顔の右側の影を描いている画面。下にショートカットの一覧が表示されている
専用ペイントモード。画面の下に追加ショートカットの一覧が出る(画像:BOOTHの商品ページより)

その他の機能

  • 左右対称化:片側だけ描いて反対側へコピー(UVを左右対称に展開しておく必要あり)
  • SDFプレビュー:作ったテクスチャをモデルに当て、光の角度を回して影の動きを確認。左右反転版を使った360度の確認、肌色での表示にも対応
  • プロジェクト管理:同じキャラクターで内容をまるごと複製し、別パターンを試せる。角度の設定やレイヤー構成も一緒に戻る
  • RGBAマージ:RGBAの各チャンネルに別々のテクスチャを割り当て、1枚にまとめる(v1.1.0で追加)
  • SDF変換の進捗表示とEscでの中止、変換の「高速」モード(v1.2.0で追加)
  • Blenderの言語設定に合わせて日本語と英語を自動で切り替え

v1.3.0で、書き出した影画像の消し残しを探せるように

v1.3.0で加わったのは、書き出した角度ごとの影画像(アングルテクスチャ)から、小さな黒点や白点を探す機能です。作者はこの機能を「ゴミチェック」と呼んでいます。こうした点が残っていると、SDFに変換したときに影が乱れることがあります。見つかった場所はモデルの上に黄色い輪で表示され、角度ごとの件数の一覧から該当する角度へ移動できます。感度は3段階から選べ、絶対影レイヤーも一緒に調べます。見つかった状態で変換しようとすると警告が出ますが、変換はそのまま実行できます。この機能は場所を知らせるだけで、画像は書き換えません。意図して描いた細かい模様が拾われることもあるので、直すかどうかは印を見て判断します。

価格・入手先

価格500円
対応バージョンBlender 4.2.2 LTS / 4.5.2 LTS / 5.2.0 LTSで動作確認(推奨は5.2 LTS以降)
対応OSWindows 11(動作確認環境)
ライセンスGPL v3
作者Calappa Lab(@CalappaL69172)
入手先BOOTH

商用・非商用を問わず使え、クレジットの表記は任意です。顔のモデルはUV展開が済んでいることが前提です。書き出しはPNG(8bit/16bit)で、階調は最大4096段階まで指定でき、左右反転版も同時に書き出せます。Blenderの中でSDFテクスチャを確認するプレビュー機能はありますが、完成したテクスチャをそのまま使えるBlender用のSDFシェーダーは同梱されていません。Blender 5.1以前ではテクスチャペイントの不具合に由来する制約があり、詳しくはBOOTHの商品ページにまとまっています。操作と全機能の解説は作者のマニュアルページにあります。

管理人のひとこと

セルルックの顔の影は、頂点法線を編集して鼻や頬の影を消すやり方で整えることが多いと思います。ただ法線だと、光が横に回ったときに影がどんな形で頬に乗るかまでは決めきれません。SDFなら角度ごとの影の形を絵で決めておけるので、作画の影の付け方に寄せられます。角度ごとの画像を連番で管理して外部ツールで変換する手順がネックだった人には、Blenderの中で描いて変換まで終わるのは助かるはずです。

気になるのは、出来たテクスチャを使う側です。Blender用のSDFシェーダーは同梱されていないので、使う先のシェーダーは別に用意することになります。3ds Maxでレンダリングする案件なら、まずSDFを読めるシェーダーを組めるかどうかが先になりそうです。

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