Adaptive Auto Skinning|体と服をまとめて約1秒でウェイト付けする、Blenderのボクセル式自動スキニングアドオン

ボーンごとに色分けされたウェイトが表示されたキャラクターと「Weights in one second.」の文字 Blender

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Jessy Leite氏が開発するBlenderアドオンAdaptive Auto Skinningは、キャラクターの体と服のメッシュにまとめてウェイトを付ける自動スキニングのアドオンです。2026年7月14日に初版が公開され、9月23日の1.4.2ではAuto-Rig Proのリグに限って顔のスキンにも対応しました。10月1日には、1.4.4の機能をまとめた紹介動画が作者のYouTubeチャンネルで公開されています。

動画に出てくるスパルタ兵は28個のメッシュでできていて、ワンクリックで2秒ほどでバインドが終わります。

体と服をワンクリックでまとめてバインド

アーマチュアを選んで実行すると、そのリグで変形するメッシュをすべて見つけ、まとめて計算し、ウェイトを通常の頂点グループとして書き込みます。体と服をあらかじめ1つのメッシュに結合しておく必要はありません。結果はアーマチュアモディファイアと頂点グループだけなので、glTFやFBXでそのまま書き出せます。

鎧と服を着たキャラクターをBlenderで選択し、右側にAdaptive Auto Skinningの設定パネルが出ている画面
体と服のメッシュをまとめてバインドする(画像:Superhiveの商品ページより)

計算はGPUで行い、macOS・Windows・Linuxのどれでも動きます。商品ページによると、202体のキャラクターで試したベンチマークで、全身のバインドにかかった時間は平均0.57秒(MacBook Air M4で計測)でした。同じベンチマークでは、アーティストが手で塗ったウェイトと比べて、頂点の80.9%で最も影響の強いボーンが一致し、比較したほかの自動の手法を上回ったとしています。ベンチマークの全データは作者のブログで公開されています。

ボーンは名前ではなく形で見分けるので、命名規則を気にする必要もありません。Mixamoのリグ、Auto-Rig Proのリグ、手で組んだアーマチュアのどれでも同じようにバインドできます。人型以外のキャラクターにも使えます。

8本脚のクモのモデルにボーンが入ったBlenderの画面
人型以外のキャラクターにも使える(画像:Superhiveの商品ページより)

指のあいだなど、面が近い所だけボクセルを細かくする

Blender標準の自動ウェイト(Automatic Weights)は、メッシュの表面からウェイトを計算します。そのため重なったパーツや細い指、別オブジェクトの服で失敗しやすく、ウェイトの付かない頂点が残ることがあります。Adaptive Auto Skinningは、キャラクターの体積をボクセルで埋め、ボクセルごとにどのボーンに属するかを決めてから、表面の頂点にウェイトを割り当てます。内側と外側は形そのものから判定するので、閉じていないメッシュや二重になったメッシュでも中まで埋まり、ウェイトが付かないまま残る部分は出ません。

人体をボクセルで埋めた図を2つ並べ、右側だけ手の部分の格子が細かくなっている比較
左が格子の細分化なし、右があり。手の部分だけ細かくなる(画像:Superhiveの商品ページより)

ボクセルの格子は、全身では粗いまま(既定の解像度は92)にしておき、指のあいだや脇の下のように2つの面が近づく所だけを細かく分割します。全身を細かい格子にする方式と比べると、指を同じだけ分けるのに必要なセル数が約13分の1で済むとしています。ベルトと太もも、隣り合う指のように重なったパーツも、混ざらずにパーツごとのウェイトに分かれます。

機械の手の指にボーンが入り、指を曲げているBlenderの画面
体と指を1回でバインドする(画像:Superhiveの商品ページより)

Auto-Rig Proのリグなら顔にもウェイトを付けられる(実験的)

9月23日の1.4.2で、顔のスキニングに実験的に対応しました。対象はAuto-Rig Proのリグだけで、体と同じ1回のバインドで、あご、まぶた、唇、舌にウェイトが付きます。9月24日の更新で唇まわりが、25日の更新でひげのあるキャラクターの唇が改善されています。ほかのリグへの対応も予定されています。

Auto-Rig Proからは、無料のブリッジアドオンを入れると、スキニングの計算方式としてAdaptive Auto Skinningを選べます。

Auto-Rig ProのSkinタブのBind Engineで、Heat Maps・Voxelized・Voxel Heat Diffuse Skinning・Adaptive Auto Skinningから選ぶメニュー
Auto-Rig ProのBind EngineでAdaptive Auto Skinningを選ぶ(画像:Jessy Leite氏のサイトより)

ボーンごとの影響範囲を色分けして確認する

自動のバインドなので、キャラクターによっては顔などの一部に手直しが要ります。ウェイトペイントモードで変形ボーンごとの影響範囲を色分けして表示できるので、ボーンを1本ずつ切り替えなくても、境界のおかしい所をすぐ見つけられます。表示はアニメーションやほかのデフォーマーにも追従します。バインドで書き込まれるのは頂点グループだけなので、1回のアンドゥで元に戻せます。

ウェイトペイントモードでキャラクターの全身がボーンごとに色分けされている画面
ボーンごとの影響範囲を色分けしたウェイトペイントの表示(画像:Superhiveの商品ページより)

価格・入手先

価格35ドル
対応バージョンBlender 4.2〜5.2以降
対応OSWindows / macOS(Apple Silicon・Intel)/ Linux
作者Jessy Leite
入手先Superhive

GPUはMetal・Vulkan・DirectXのどれかに対応していれば使え、計算部分はアドオンに同梱されているので追加のインストールはありません。購入したバージョン内のアップデートは無料で、手持ちのキャラクターでうまく動かなければ30日以内なら返金を受けられます。使い方はドキュメント、よくある質問はFAQにまとまっています。

管理人のひとこと

Blenderの自動ウェイトは、服や髪を別メッシュにしているとうまく拾えず、「Bone Heat Weighting: failed」と出たところから手で塗り直すことがよくあります。体と服で別々に何度も計算を回さずに済み、出てくるのはただの頂点グループなので、FBXでほかのソフトに持っていく前提でも扱いやすそうです。

Auto-Rig Pro側から呼べるようになった話はAuto-Rig Pro 3.78の記事で書きました。顔はまだAuto-Rig Proのリグだけで実験的な扱いなので、アニメ調の顔で、まぶたや口まわりのウェイトがどこまで素直に付くのか見てみたいです。

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