cvELD ShellFit|服の貫通をライブで直してベイクするBlenderアドオン

Blender

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Land-Y氏(cvELD)のBlenderアドオン「cvELD ShellFit」がSuperhiveで販売されています。体と服が食い込んだ状態をビューポート上でライブに直し、結果をシェイプキーかメッシュに焼き付けるツールです。価格は$9.99で、記事執筆時点のバージョンは1.3.0です。

食い込みのある状態(左)から、貫通を解消した状態(右)へ
食い込みのある状態(左)から、貫通を解消した状態(右)へ

体を動かすか、服を動かすか

補正の方向は2通りあります。Body Movesは体を服の内側へ押し込み、Cloth Movesは服を体に沿わせます。どちらを動かすかを選べるので、服のシルエットを崩したくないときは体側を、体型を保ちたいときは服側を動かす、という使い分けができます。

あわせて対象の性質も選びます。薄い布にはShell、指輪やベルトのような厚みのある形にはSolid、自動判別に任せるAutoの3つです。Solidには硬いほうを優先するRigid Firstがあります。ポーズを付けたメッシュ、Solidifyモディファイア、Refine / Cover Passesにも対応します。

スカートを腰と尻に沿わせた例(左が適用前)
スカートを腰と尻に沿わせた例(左が適用前)

ライブで見ながら調整し、あとから焼く

ワークフローは、BodyとClothにそれぞれメッシュを割り当て、動かす側と種別を選び、出力先をNew Shape KeyかMesh (Destructive)から選んでSetup Liveを押す、という流れです。ライブ状態のままClearance(すき間)、Strength、Search Radius、Smooth Iterationsを触って結果を確かめ、Bake Shape KeyまたはBake to Meshで確定します。Clearを押せばライブの補正を破棄できます。

補正の範囲は頂点グループとウェイトペイントで制限できます。公式ドキュメントには、ライブ中にBodyやClothを変更する前には必ずBakeかClearを押すこと、Mesh (Destructive)を使う前には保存しておくこと、といった注意も書かれています。

作者は続けて、実際の作業を追った長めの動画も公開しています。

ゴム跡のような食い込みを作る Squeeze Bulge

貫通を消すだけでなく、逆に食い込ませることもできます。Squeeze Bulgeは、ニーソックスの履き口が肌を圧迫してできる膨らみや、リング・バンドが体を締め付けてできる段差を作る機能です。

ニーソックスの履き口とリングで肌を圧迫した例
ニーソックスの履き口とリングで肌を圧迫した例

パラメータはSqueeze Depth(食い込む深さ)とBulge Amount(膨らみの量)が主で、DetailsにAsymmetryとReachがあります。検出したヘムの本数・幅・ピッチがパネルに表示されます。

Squeeze Bulgeのパラメータ。検出したヘムの幅とピッチが表示される
Squeeze Bulgeのパラメータ。検出したヘムの幅とピッチが表示される

1.1.0で入った隙間・スカート・装飾の扱い

Cloth MovesでShellまたはAutoを使うときにClose Gapsを有効にすると、服と体の間の隙間を詰められます。Gap Blendが引き寄せの強さを0〜100%で決め、0%でも引き寄せが止まるだけで、貫通の補正自体はそのまま働きます。

ミニスカートにはPreserve Skirt Openingがあり、Skirt Preservationで裾の保護をどれだけ効かせるかを決めます。0%なら通常の引き寄せ、100%なら検出した裾の保護を完全に適用し、腰から滑らかに遷移します。ただし検出は直立した完全な衣装を前提にしているため、部分的なメッシュや変わったポーズでは確認が必要だと書かれています。

Preserve Ornamentsは、布の近くにある小さな独立した閉じたパーツを見つけて、立体的な形を保ったまま布に追従させます。公式の例ではニーソックスのリボンが挙げられています。布に溶接された装飾は検出されないことがある、という制約も明記されています。

QuickShellFitで部分的に合わせる

全体のフィットとは別に、選んだ頂点だけをその場で合わせるQuickShellFitがあります。編集モードで点を選び、既定のショートカットCtrl+Shift+1(最上段の1)を押すと、Surface・Edge・Vertexのいずれかを対象に即座にフィットできます。メッシュが相手なら、フィットと同時にウェイトとシェイプキーをコピーすることもできます。

QuickShellFitのパイメニュー
QuickShellFitのパイメニュー

1.3.0ではQuickShellFit Boundary Loop Fitが追加されました。衣装の境界どうしを揃えて隙間を閉じるもので、対応する境界の頂点数が等しく、かつ両方が閉ループか両方が開いた鎖である必要があります。同じ1.3.0で、UIがBlenderの言語設定に連動する10言語に拡張され、日本語と英語のマニュアルも改訂されています。

Boundary Loop Fitで境界を揃えた例
Boundary Loop Fitで境界を揃えた例

対応バージョンの表記に食い違いがある

Superhiveの商品情報欄はBlender 4.5〜5.2となっています。一方、商品ページの説明にあるRequirementsの項目にはBlender 5.0.0〜5.3.0(5.2.1推奨)・4.5は非対応と書かれており、そのすぐ下の1.3.0のチェンジログには「Blender 4.5.0以降のサポートを追加した」とあります。

チェンジログのほうが新しい記述なので、4.5でも動く前提と読めますが、同じチェンジログには4.5ではMAXまたはRough Alignを使うこと、SDF GridはBlender 5.2以降で必要なノードが揃っている場合に使えることが併記されています。導入前に作者へ確認するのが確実です。

価格・入手先

価格$9.99
対応バージョンBlender 4.5 – 5.2(商品情報欄の表記。本文参照)
対応OS開発・検証はWindows
ライセンスGNU General Public License v3 or later
作者Land-Y氏(cvELD)
入手先Superhive / BOOTH

Blender Extension対応で、同じシーンにBodyとClothの2つのメッシュオブジェクトが必要です。アドオンの環境設定には更新確認の機能があり、有効にするとGitHubの最新安定版リリースを起動後と1日1回チェックします。モデルやシーンのデータは送信されず、ダウンロードとインストールは手動です。完全なリファレンスは公式ドキュメントにまとまっています。作者のアカウントは@cvELD_infoです。

管理人のひとこと

体と服の貫通を潰す作業は、シュリンクラップとウェイトの手直しでどうにかすることが多いので、動かす側を選べてライブで確かめられるのは手数が減りそうです。焼き先をシェイプキーにできるのも、元の形を残しておきたい場面では助かります。

むしろ気になったのはSqueeze Bulgeのほうで、ニーソックスの履き口で肌が盛り上がるところを機能として持っているのは珍しいと思います。接触で肉が変形する話はSoftie Collision Systemのときにも出てきましたが、あちらが汎用の接触変形なのに対し、こちらは衣装の縁という一点に絞り込んでいます。

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