Light It Up|17種の照明を当てた後も調整できる無料Blenderアドオン

Blender

Rasheed-Shaikh氏によるBlenderアドオン「Light It Up」がBlender Extensionsで公開されています。ポートレートやシネマティックなど17種類のライティングをワンクリックで組み、当てたあとも強さ・色温度・キーとフィルの差・向きの4つを数値で調整できます。無料で、GNU General Public License v3.0以降のもとに配布されています。

プリセットを当てた例。環境系のGolden HourやMoonlightなども含まれる
プリセットを当てた例。環境系のGolden HourやMoonlightなども含まれる

プリセットではなくリグを作る

作者は、多くのプリセット系アドオンがシーンにライトを置いて終わりなのに対し、Light It Upはリグを作ると説明しています。作られるのは動かして回して狙い直せるエンプティで、プリセットが持っている元の値から設定全体を計算し直すコントロールが付いてきます。

パネルはNパネルでも専用ワークスペースでもなく、プロパティエディタのレンダータブに置かれています。レビュー欄で場所が分からないという指摘があり、作者が説明文の先頭に書き足した経緯があります。

レンダータブに追加されるパネル。プリセットはサムネイル付きで並ぶ
レンダータブに追加されるパネル。プリセットはサムネイル付きで並ぶ

17種類のライティング

内訳は4カテゴリです。

  • ポートレート(9種類): Three-Point、Rembrandt、Loop、Split、Short、Broad、Butterfly、Clamshell、Rim Light
  • シネマティック(3種類): Dramatic、High Key、Low Key
  • 環境(4種類): Golden Hour、Sunset、Moonlight、Overcast Soft
  • プロダクト(1種類): Softbox Diffused

パネルにはそれぞれレンダリングされたサムネイルが表示されるので、名前を読むのではなく見た目で選べます。

リグごとに4つのコントロール

  • Intensity: 全ライトをまとめてスケール
  • Temperature: 暖色から寒色まで。6500Kが中立なのでプリセット自身の色はそのまま
  • Key / Fill: コントラスト。キーを露出の限界まで上げるのではなくフィルを下げる方向
  • Orbit: リグ全体を被写体の周りで回す

この4つは相対値ではなく絶対値です。Intensityを3.0まで上げてから1.0に戻すと元とまったく同じ状態になり、20回触ってもスライダーの意味がずれないと説明されています。

同じ被写体に別のプリセットを当てた比較
同じ被写体に別のプリセットを当てた比較

狙う先はオブジェクト原点ではなくジオメトリ

リグは被写体のオブジェクト原点ではなくジオメトリを中心に置きます。リグ付きのキャラクターに対してはAim At Headでヘッドボーンの位置にターゲットを落とします。立っている人物の中心は胸なので、そこを狙うポートレート用のパターンは胴体を照らして顎をかすめるだけになってしまう、というのが理由です。

被写体の大きさに合わせる

プリセットの距離は人間くらいの大きさの被写体を想定してメートル単位で作られています。Fit To Subjectは距離・ライトのサイズ・強さを一緒にスケールするため、10cmのプロダクトでも人物と同じライティングの質が得られます。作者は3つを同時に動かす必要があると書いていて、距離だけを詰めると被写体が飛び、距離を詰めてライトのサイズをそのままにするとソフトボックスが相対的に大きくなって平坦さが増す、と理由を挙げています。

自分のライティングを保存できる

好きに組んだライティングは、サムネイルの枠ごとプリセットとして保存できます。非表示のライトは除外され、除外したことは知らせてくれます。保存先は既定ではBlenderがこの拡張機能用に用意する書き込み可能なフォルダで、これはBlenderのバージョンごとに別になります。バージョンやマシンをまたいで持ち歩きたい場合は、環境設定のPresets Folderに自分のフォルダを指定すると、そちらに書き出されます。設定画面には解決されたパスが常に表示されます。

作ったものは素のBlenderデータ

プリセットは重ねがけです。2つめを適用すると1つめを消さずにリグが増えます(置き換えたい場合はReplaceトグルがあります)。1つのシーンに2つのリグを置いても、それぞれが独立したコントロールを持ちます。Add Cameraにチェックを入れない限りカメラには触れません。作られるのはライト・エンプティ・コレクションといったBlenderのネイティブデータだけなので、これで作った.blendはアドオンが入っていないマシンでもそのままレンダリングできます。CyclesとEEVEEの両方で動きます。

コントラストの強いプリセットを当てた例
コントラストの強いプリセットを当てた例

既知の制限

プリセットの距離は人間くらいの大きさの被写体を前提にしているため、Fit To Subjectをオフにしたまま極端に小さい/大きいオブジェクトに当てると、どちらにも合わないリグになります。またリグは被写体の向きを引き継ぐので、被写体を回すとポートレートのパターンも一緒に回ります。ワールドや環境光は管理せず、自分が作ったリグの外側には手を出しません。アカウント登録・キー・ライセンス確認・ネットワークアクセスはいずれも無く、機能制限や期限もありません。

価格・入手先

価格無料
対応バージョンBlender 4.2 LTS 以降(Cycles / EEVEE)
ライセンスGNU General Public License v3.0 or later
作者Rasheed-Shaikh氏
入手先Blender Extensions

Blender Extensionsでの公開は2026年8月28日、直近の更新は9月5日です。記事執筆時点のバージョンは3.0.2、ファイルサイズは116.2KBです。不具合報告と機能要望はGitHubのIssuesで受け付けています。

管理人のひとこと

モデルを作っている途中で形を確認したいだけなのに、ライトを置くところから始まって結局そのまま時間を使う、というのはよくあります。17種類から選んで当てるだけなら、その手間はかなり減りそうです。

面白いと思ったのはAim At Headのくだりで、立っている人の中心は胸だからそこを狙うと顎をかすめるだけになる、と理由まで書いてあります。プリセットを配るだけの作りではないんだなと伝わってきます。キャラクターの顔まわりを見たいときに、毎回ライトを寄せ直している身としては助かりそうなところです。

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