mGear 5.4|目・唇・眉のリガーを作り直し、ビルドも約2倍速くなったMaya用の無料リグツール

Mayaのビューポートでリグのコントローラーの上に、色分けされたボタンが並ぶAnim Pickerを重ねて表示したところ Maya

Maya用の無料・オープンソースのリギングフレームワーク「mGear」の5.4.0が、2026年10月14日に公開されました。開発チームが「これまでで最大級のリリースの1つ」と呼ぶ更新で、目・唇・眉のリガーを作り直したFacial Rigger 3.0、新しいエディターを持つAnim Picker 2.0、アニメーター向けの新ツール、作り直したSpring Managerが入り、Shifterでのリグのビルドは約2倍速くなりました。対応はMaya 2022〜2027です。

目・唇・眉をまとめて作り直したFacial Rigger 3.0

目・唇・眉のリガーが、共通の仕組みの上で書き直されました。3つとも同じウィンドウで扱い、ジオメトリの選び方と設定ファイルの形式もそろっています。

  • Eye Rigger 3.0 頂点ループで指定。目の向きを問わず、右側のコントローラーは左右反転して作る
  • Lips Rigger 3.0 上唇と下唇を自動で見分ける。顎への追従、ジッパー、唇の巻き込み
  • Brow Rigger 3.0 中央の眉を左右の眉につなぐ。寄せ、二次コントローラー、頭の形に沿って滑らせる面

どのリガーもShifterのコンポーネントとして用意されていて、顔のリグをキャラクターのほかの部分と一緒にビルドできます。以前のEye Rigger 2.1も残っているので、既存のリグはこれまでどおりビルドできます。

エディターを作り直したAnim Picker 2.0

アニメーター用のピッカーを作るAnim Picker 2.0は、5.3.5でプレビュー版として出ていたもので、5.4.0で正式版になりました。キャンバス上で移動・拡大・回転のハンドルを使って編集でき、整列や等間隔の配置、アンドゥにも対応します。SVGを読み込んだり、内蔵のSVGエディターで曲線の形を描いたりできます。Mayaのアトリビュートやスクリプトにつないだチェックボックスやスライダーも置けます。

体の各部位を色分けしたボタンが並ぶAnim Picker 2.0のエディター画面(画像: mGear)
Anim Picker 2.0のエディター(画像: mGear)

選んだコントローラーからシルエットのボタンを自動で作る機能、左右の項目を対にして編集を反映させる機能、手や足の形をドラッグで置けるシェイプライブラリもあります。ピッカーをビューポートに重ねて、クリックを下のビューポートへ通すモードも追加されました。

アニメーター向けのBlocking GhostsとAnimbits Hub

Blocking Ghostsは、指定したコントローラーのキーフレームごとに、キャラクターの半透明のゴーストを表示します。キーを変えるとゴーストも追従するので、ブロッキングの段階で間隔を読み取りやすくなります。

キャラクターのキーフレームごとに青と赤の半透明のゴーストが並び、キーを動かすと追従するアニメーション(画像: mGear)
Blocking Ghostsでキーフレームごとのポーズを並べて見る(画像: mGear)

Animbits Hubは、ホットキーでカーソルの下に呼び出すツール群です。中割りやデフォルトポーズへのブレンド、ミラーなどのスライダーと、キーのナッジ、ワールド空間でのポーズのコピー&ペースト、一時的なピボットがまとまっています。

揺れものを扱うSpring Manager 2.0

Spring Managerは、ソルバーを差し替えられる作りに書き直されました。複数のスプリングを同時に編集でき、プリセットにはサムネイルとライブラリが付きます。Akasaki氏のboneDynamicsNodeプラグインを使うBone Dynamicsソルバーと、重力・球のコライダー・地面を持つClassic Gravityソルバーが加わり、コライダーは球・カプセル・平面・メッシュから選べます。ベイクのオプションも増えました。

デフォーマーの書き出しとリギング用ツール

ラティス、シュリンクラップ、プロキシミティラップの3つのデフォーマーを、設定・対象・ウェイトごと書き出して読み込めるツールが入りました。ほかに、リグのコントローラーのミラー設定をまとめて作るMirror Config、スキンの読み込みでのネームスペース対応と、ジョイントが見つからないときの対応付けの画面、Maya標準のHumanIKのウィンドウを使わずに動くHumanIK Mapperが追加・改良されています。

Shifterのビルドが約2倍速く

Shifterでのリグのビルドは約2倍速くなりました。開発チームは、bluePencilプラグインが読み込まれているとビルドを繰り返したときに大きく遅くなることも突き止め、そうしたプラグインが読み込まれていると警告を出すようにしています。10月18日の5.4.2では、ガイドの読み込みと書き出しが約6倍速くなりました。

ブックマークの機能がUtilbitsからAnimbitsへ移ったため、古いモジュールを読み込んでいるスクリプトやシェルフのボタンは書き換えが必要です。変更点の全体は公式サイトのリリース記事にまとまっています。

価格・入手先

価格無料
対応バージョンMaya 2022〜2027
ライセンスMIT
作者mGear開発チーム
入手先GitHub

管理人のひとこと

Maya用のツールなので、3ds MaxとBlenderが中心のうちの仕事で直接使うことはなさそうです。それでも、目・唇・眉のリガーを1つのウィンドウにまとめて、キャラクターのほかの部分と一緒にビルドできるようにした今回の作りは、顔のリグを毎回手で組む手間を知っていると、うらやましく見えます。

Blocking Ghostsは、キーを打った位置が半透明で並ぶので、ブロッキングで間隔を詰めるときに見比べやすそうです。

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