Ninjin Normals 2.0|顔の影をベイクしてSDFマップまで作れる、Mayaの法線編集ツール

Maya

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Ninjin(Leo Ogawa Lillrank氏・@Leo_Ninjin)のMaya用法線編集ツールNinjin Normalsが、2026年10月17日にバージョン2.0になりました。頂点法線を編集してトゥーン調の陰影を整えるためのスクリプトです。2.0では、ビューポートで確認できるトゥーンシェーダーと、顔の影をライトの角度ごとにベイクしてSDFマップにする機能が加わりました。作者は、SDFマップをMayaだけで作れるようになった点を大きな変更に挙げています。

Viewport 2.0で動くトゥーンシェーダー「ToonCel」

メッシュを選んでボタンを押すと、Viewport 2.0用のトゥーンシェーダー「ToonCel」が割り当てられます。シーンにライトが無ければ、ディレクショナルライトも作られます。光と影の境目の位置とぼかし具合、影の色はアトリビュートエディタで調整します。影の部分には別のテクスチャを割り当てることもできます。スペキュラ、法線をもとにしたリムライト、ノーマルマップにも対応しています。

アウトラインはシェーダーに組み込まれていて、外形線は背面法線法で描かれます。内側の線は、Mayaのクリースツールでクリースの値を付けたエッジから描かれます。

顔の影を角度ごとにベイクして、SDFマップを作る

2.0の目玉が、顔の影のベイクです。Light Previewを押すとディレクショナルライトが作られ、角度が変わっていくアニメーションが付きます。タイムラインを動かして影の出方を確かめ、気になる角度は法線を直して整えます。影が決まったら、ライトの角度ごとに白黒の影画像を書き出します。角度の数はプリセットで選びます。BASICは左右の向き9段階(-90度から90度まで22.5度刻み)で9枚、HIGHは上下の角度も加えて65枚、ADVANCEDは80枚です。

書き出した影画像は、付属のペイントツールで1枚ずつ描き直せます。ペイントツールはブラウザで動き、タイムラインで角度を切り替えながら塗れます。視点の操作はMayaと同じAltキーとマウスの組み合わせです。直し終えたらMayaに戻ってCREATE SDF MASKを押すと、影画像がSDFマップにまとまり、通常はToonCelにもそのまま接続されます。頭のジョイントを指定すれば、体が回っても顔の影は頭の向きに合わせて動きます。

SDFマップの形式は2通りです。ATLASは角度ごとの画像をタイル状に並べたもので、どのプリセットでも使えます。COMPACTは1枚の小さなRGBAテクスチャにまとめる形式で、左右の向きだけでベイクしたとき(BASIC)に使います。

法線をブラシで塗る、中心を基準にそろえる

法線を直す機能も、同じウィンドウに並んでいます。Normals to Centerは、ロケーターやオブジェクトの中心を基準に、選んだ頂点の法線の向きをそろえる機能です。顔の中心にロケーターを置けば、顔全体を球のような陰影にできます。法線のペイントと塗りつぶしは、指定した向きへ寄せる(ADD)、反対へ寄せる(SUB)、周りとなじませる(SMOOTH)、指定した向きにそろえる(REPLACE)の4モードです。

Mayaの画面。左にNinjin Normal v1.01のウィンドウ、右にロケーターを基準に法線の向きをそろえた立方体
Normals to Centerで、立方体の頂点法線をロケーターを基準にそろえた例。画面はv1.01のもの(画像:Gumroadの商品ページより)

その他の機能

  • 法線の転写:別のメッシュ、または選んだ頂点から、近い位置の法線を写す
  • Maya標準の法線編集へのショートカット:法線の編集、ロック解除、ソフトエッジ/ハードエッジ
  • ビューポートの法線表示の切り替えと、表示する長さの調整
  • 法線と頂点カラーの相互変換:直した法線を頂点カラーに保存し、あとで法線に戻す

価格・入手先

価格12ドル〜(個人向け)/ 16ドル〜(企業向け)
対応バージョンMaya 2023以降
対応OSWindows / macOS / Linux
作者Ninjin(@Leo_Ninjin)
入手先Gumroad

個人・趣味・フリーランスは個人向け、スタジオや企業は企業向けのライセンスを選びます。どちらも表示の金額以上で好きな額を払える形式です。買い切りで、今後のバージョンも追加料金なしで受け取れます。作者は8月の大型アップデートの告知で、機能が増えるぶん値段を少し上げる一方、既存のユーザーは無料でアップデートできると書いています。影のベイクとSDFの作成にはNumPyが必要で、付属のインストーラーが入れます。macOSでViewport 2.0の描画エンジンがMetalになっているとToonCelが動かないため、OpenGL Core Profileに切り替えます。各機能の手順と設定項目は公式ドキュメントにまとまっています。

管理人のひとこと

セルルックの顔の影は法線を直して整えるのが基本ですが、光が真横に回ったときの頬の影の形までは、法線だけでは決めきれないことがあります。2.0では法線を直す作業と、角度ごとの影をベイクして描き直す作業が同じウィンドウに並んでいるので、法線で寄せきれなかった角度だけ影を描き足す、という行き来がしやすそうです。

Blenderでは先日CL SDF Toolsを紹介しました。あちらは角度ごとの影をレイヤーに描いていく作りで、こちらは法線で作った影をベイクしたものを下絵にして直していく作りです。SDFを読めるビューポート用のシェーダーが付いているので、作ったマップをそのままMayaの画面でライトを回して確かめられるのも違うところです。

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