Media Plane 2.0|Mayaの中で参考動画をノンリニア編集できるプラグイン

Maya

Gizmify Studiosが、Autodesk Maya用の動画再生・編集プラグイン「Media Plane」のバージョン2.0を公開しています。2.0は2026年6月26日、最新の2.01は7月18日リリース。最大の変更は、Mayaの中でノンリニア編集ができる「Media Plane Editor」が加わったことです。ライセンスは買い切りで、個人向けは14ドルです。

Media Planeとは

Media Planeは、Mayaに「MediaPlane」という新しいノードタイプを追加するプラグインです。イメージプレーンのように振る舞いますが、静止画の連番ではなく動画ファイルをそのまま扱えます。対応形式はMP4・MOV・3GP・MKV・WEBM・AVI・MPEG・FLV。

公式が挙げている解決したい課題は、アニメーターが実写リファレンスや絵コンテを使うとき、事前に動画を編集して数百〜数千枚の連番画像に書き出す工程が挟まることです。Media Planeはその工程を省き、動画ファイルのままMayaのタイムラインで再生・スクラブできるようにします。公式のベンチマークでは単一ファイル再生で120fps以上とされています。

Mayaのビューポートに置いたMedia Planeノードとアトリビュートエディタ
Mayaのビューポートに置いたMedia Planeノードとアトリビュートエディタ(画像: Gizmify Studios公式プレスキットより)

開発元の説明では、スタンドアロンアプリではなくあくまでMayaプラグインで、専用の動画編集ソフトを完全に置き換えるものではないとしています。アニメーション制作で必要になる範囲の編集機能に絞って作られています。

2.0の目玉は、Mayaを出ずに動画を組めるMedia Plane Editor

2.0で追加されたMedia Plane Editorは、複数の動画ファイルを1本のシーケンスとして組めるビデオエディタです。クリップに対してMove・Trim・Cut・Re-timeといった操作ができ、組んだ結果はMayaのタイムライン上でそのままリアルタイム再生されます。合成はGPUで処理されます。

組んだ編集内容はMayaシーンに保存されるほか、`.mpedit` ファイルとして書き出し・読み込みもできます。チームで編集データだけを渡す使い方が想定されています。

複数の動画クリップをタイムラインに並べたMedia Plane Editor
複数の動画クリップをタイムラインに並べたMedia Plane Editor(画像: Gizmify Studios公式プレスキットより)

クリップのプロパティにキーを打てるAnimation Graph

Editorに付属するAnimation Graphでは、クリップ側のプロパティにキーフレームを打てます。対象はTranslate・Rotate・Scaleの各トランスフォームに加え、Opacity、Crop(上下左右)、Flip(水平・垂直)。リファレンス動画を時間に沿って動かしたり、途中でフェードさせたりといった処理をMayaの中で完結できます。

クリップのOpacityにキーを打っているAnimation Graph
クリップのOpacityにキーを打っているAnimation Graph(画像: Gizmify Studios公式プレスキットより)

ビューポートメニューから作成・カメラ着脱ができる

2.0ではビューポートメニューが強化され、New Media Planeのオプションボックス、選択したプレーンのカメラへのアタッチ/デタッチ、メディアファイルの指定、現在のタイムライン開始位置に動画の頭を合わせる「Set to current Start」が追加されました。新バージョンの通知とライセンス認証もこのメニューから行えます。

ビューポートメニューからMedia Planeを作成・操作する
ビューポートメニューからMedia Planeを作成・操作する(画像: Gizmify Studios公式プレスキットより)

単一ファイル再生まわりの作り込み

1本の動画を貼るだけの使い方でも、再生モードはForward・Reverse・Ping-Pongから選べ、Loop、再生速度、範囲外のフレームをどう扱うか(空にするか、フレームをホールドするか)を指定できます。シーンが24fpsで素材が30fpsといった場合に、Mayaのシーンフレームレートに合わせて読み込む「Match Frame Rate to Scene」もあります。

再生モードやループ、範囲外の扱いを指定するPlaybackのアトリビュート
再生モードやループ、範囲外の扱いを指定するPlaybackのアトリビュート(画像: Gizmify Studios公式プレスキットより)

ポストプロセス側ではCropとFlipに加え、2.0でOpacityが追加されました。プレーン自体も位置・スケール・カメラフィット・深度をビューポートで調整できます。フレームキャッシュには、キャッシュするフレーム数を自動で決める「Auto」オプションが2.0から入り、これが既定になっています。

プレーンの位置・スケール・深度・Opacityを調整する
プレーンの位置・スケール・深度・Opacityを調整する(画像: Gizmify Studios公式プレスキットより)

スタジオ向けに6つのMayaコマンドが追加

2.0では、編集シーケンスをスクリプトから操作するためのMayaコマンドが追加されました。内訳は編集シーケンス全体を扱う `mediaPlaneEdit`、クリップを扱う `mediaPlaneClip`、ファイルを扱う `mediaPlaneFile`、クリップアニメーションを扱う `mediaPlaneAnim`、動画ファイルの情報を取得する `mediaPlaneInfo`、そして編集結果を新しい動画ファイルとして書き出す `mediaPlaneRender` の6つです。パイプラインに独自の動画ワークフローを組み込む用途が想定されています。

2.01での修正

7月18日の2.01では、ポストプロセス処理のマルチスレッド化による高速化が入りました。あわせて、特定の動画ファイルで編集時に落ちるフレーム数の精度問題、カラースペース設定時にOpacityが効かない問題、Video EditorのDPI表示の崩れが修正されています。Mayaキャッシュが変更のないキャッシュを再評価しないようになり、部分的なキャッシュ再生にも対応しました。

価格・動作環境

  • 価格: 無料(Evaluation・非商用のみ/再生24フレーム・編集48フレーム・ノード1つまで)/Individuals 14ドル/Professionals 99ドル/Studios 499ドル。いずれも買い切りでサブスクリプションなし
  • Media Plane Editorが使えるのはMaya 2022以降かつProfessionals以上のティア。Individualsは編集48フレームまでの制限付き
  • Professionalsは20名以下のチーム向け、Studiosは20名超のスタジオ向けというライセンス区分
  • 対応Maya: 2018〜2027(ノード機能)
  • 対応OS: Windows・macOS・Linux。macOSはIntelがMaya 2018〜2027、Apple SiliconはMaya 2024〜2027
  • 教育向け価格は問い合わせ対応。返金は不可(ライセンスは永続保持のため)

詳しくはMedia Plane(Gizmify Studios)をご覧ください。

管理人のひとこと

初見のプラグインなので使用感は分かりませんが、「リファレンス動画を連番に書き出す」という前工程が要らなくなる、という一点は素直に分かりやすい利点だと思いました。普段はモデリング側にいるので自分で毎日使う道具ではないものの、隣でアニメーターが参考動画を切ったり並べたりしているのは見ているので、それがMayaのタイムラインの上で完結して、しかも編集データだけ `.mpedit` で渡せるというのは強みだと思います。個人的に気になったのはOpacityにキーが打てる点で、原画やレイアウトを薄く重ねて確認したいときの使い方が想像できました。もっとも、編集機能がフルに使えるのは99ドルのProfessionals以上という線引きなので、14ドルのIndividualsで試すなら「動画をそのまま貼って再生する」用途が主になりそうです。

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