3ds Max 2027.2|ガウススプラットを編集・Arnoldでレンダリング可能に

CG全般

Autodeskは2026年7月22日、3ds Maxの最新アップデート「3ds Max 2027.2」をリリースしました。最大の目玉は、実写から生成した3Dガウススプラット(3DGS)を読み込み・編集・レンダリングまでネイティブで扱えるようになったことです。これを支える新しい「Point(点群)」オブジェクトとモディファイア群に加えて、スマートベベルの高速化、USD・カラーマネジメントの改善、クラウドAIツール「Flow Studio」との連携なども入っています。3ds Max 2027のサブスクリプション向けの無償アップデートです。

ガウススプラット(3DGS)をネイティブ対応

3D Gaussian Splatting(3DGS)は、複数の写真や動画から実世界のオブジェクトや空間を再構成する、軽量なデータフォーマットです。従来のポリゴンジオメトリよりデータが軽く、高速なレンダリングと高精度な出力を両立できるため、VFX・建築ビジュアライゼーション・広告・マーケティングなど幅広い分野で採用が広がっています。DCCツール側の対応も進んでおり、Houdini 22でもGSplatsが標準搭載されました

3ds Max 2027.2:ガウススプラットの編集

3ds Max 2027.2では、この3DGSデータを標準のPLY形式のほか、Niantic SpatialのSPZ形式、XgridsのLCC形式で読み込めます。読み込んだスプラットはActiveShadeウィンドウでプレビューでき、標準の変形モディファイアが点群データに対して機能するため、曲げる・ねじる・つぶすといった加工を3ds Maxらしい非破壊のワークフローで行えます。さらに「Editable Point(編集可能な点群)」オブジェクトに変換すれば、各点の位置・向き・スケール・色・不透明度・球面調和(Spherical Harmonics)データといった属性まで直接編集できます。

点群を扱う「Point」オブジェクトと3つのモディファイア

今回の構造的な中核が、点群データを表す新しい「Point」オブジェクト型と、それを扱うモディファイア群です。Pointオブジェクトは、編集可能な点群(Editable Points)・Point Spheres・ガウススプラットを内包できます。主なモディファイアは、メッシュを頂点・面密度・体積を基準に点群化する「Turn to Point」、点群を選択して簡単なキットバッシュ編集を行う「Point Select」、そして各点にオブジェクトをインスタンス配置する「Point Instance」です。既存の「Array」モディファイアもPointを入出力として扱えるようになりました。

なかでもPoint Instanceは、1つのメッシュで数百・数千、あるいは数百万ものオブジェクトを表現できるレンダー時インスタンスです。メモリ効率が高く、整理された拡張性の高いデータセットから、森林や草原のような高密度な環境や複雑なシーンを構築できます。ガウススプラットやポリゴンジオメトリなど、あらゆる3ds Maxオブジェクトをインスタンスにできます(ただしポイントクラウドオブジェクトとパーティクルデータには非対応)。

Point Instanceによる大量インスタンス配置

Arnold for 3ds Max 5.9.3(レンダリングとトゥーン表現)

同梱のArnold for 3ds Max(MAXtoA)5.9.3.0が、3DGSシーンのレンダリングに対応しました。あわせてノイズ除去の改良やGPUシーン更新の高速化に加えて、非フォトリアル表現向けの新しい「Shader to RGBA」「Tone zones」ノードが追加されています。Arnold本体でも7.5.3でトゥーン表現向けの新BSDFノードが追加されており、ここ最近はNPR方向の強化が続いています。

その他の新機能

  • スマートベベルの機能改善 — 既知の不具合が修正され、生成されるトポロジーの品質・全体的な速度・信頼性が向上。高密度メッシュでは処理速度が最大20倍、メモリ使用量が22分の1に。「UnSmooth Edges」「By Angle」フィルターを誤ってオフにしても、結果を調整・修正できる
  • USD for 3ds Max 0.16.2 — アセットパス管理の診断ツールを追加。トークン・環境変数・ファイルパスなどシーン内の全パスを確認し、問題が作業に影響する前に発見できる
  • Connect to Flow Studio — UI上の専用ボタンからクラウドAIツールセット「Autodesk Flow Studio」にアクセス可能に。実写映像を編集可能なパイプライン対応のCGシーンへ変換し、モーションキャプチャ・カメラトラッキング・アルファマスク・クリーンプレートなどを自動生成してUSD経由でMaya・Blender・Unreal Engine・3ds Maxへ渡せる
  • カラーマネジメント — ICCプロファイルによるディスプレイ指定に対応。設定ファイルが見つからない場合も保存済みの設定を保持するように改善。OpenColorIOはv2.5.2に
スマートベベルの機能改善
Connect to Flow Studio

各機能の詳細はAutodesk公式(AREA JAPAN:3ds Max 2027.2の新機能)をご覧ください。

管理人のひとこと

普段から3ds Maxを触っている身としては、ガウススプラットが標準オブジェクトとしてモディファイアスタックに乗り、変形や再ライティングまでできるというのは思っていた以上に実用的です。背景の下地に実写スキャンを軽く置く、といった使い方が現実的になりそうですね。個人的に気になったのはArnold側の「Tone zones」など非フォトリアル向けノードで、セルルック寄りの絵作りにどこまで使えるのか、先日書いたArnold 7.5.3のトゥーン向けBSDFと合わせて試してみたいところです。点群まわりだけでなく、スマートベベルが高密度メッシュで処理速度が最大20倍(メモリ使用量は1/22)というのも地味に効きそうで、久しぶりに盛りだくさんなアップデートだと感じました。

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