Autodeskは、映像・アニメーション制作向けのプロダクションレンダラー「Arnold 7.5.3」を2026年7月23日にリリースしました。トゥーンシェーディングなどの非フォトリアルな表現を組み立てやすくする新しいBSDFノードの追加と、GPU・インタラクティブレンダリングを中心とした多くの高速化が柱になっています。
トゥーン表現を組む新しいBSDFノード
今回の目玉は、Diffuse BSDF・Fuzz BSDF・Specular BSDFという3つの新しいBSDFノードです。これらをShader to RGBAノードに接続することで、トゥーンシェーディングのような非フォトリアル(NPR)なルックを従来より組み立てやすくなります。あわせてMaya向けプラグインには、GPUレンダリングとDLSSデノイズを使ってインタラクティブ性能を高める新オプション「Accelerated Viewport」が追加されました。

7.5.3の主な新機能
- 非フォトリアル表現向けの新BSDFノード3種(Diffuse/Fuzz/Specular BSDF)。Shader to RGBAノードと組み合わせてトゥーンシェーディングなどを構築できる
- GPUレンダリングの高速化:ファーストピクセルまでの時間が「1〜4倍」高速化(標準のALab USDシーンで2.25倍)、描画全体も「1〜20%」高速化
- インタラクティブレンダリングの改善:ポリゴンメッシュを毎回フル再構築せず増分更新するようになり、高密度メッシュの頂点・変形編集が「2〜2.5倍」高速化
- Maya向けの新オプション「Accelerated Viewport」:GPUレンダリングとDLSSデノイズでインタラクティブ性能を向上。USDワークフロー限定だった軽量インスタンシングも、Arnold instancerノードを使う各プラグインで利用可能に
- クラウドレンダリング「Flow Render」の機能追加:1ジョブあたり最長24時間・複数フレームを1タスクにまとめて投入・カメラやライトの手動設定なしでターンテーブルを生成・テクスチャベイクに対応(Arnold契約者は月40時間まで無料)
- 各DCC統合プラグインを更新:MtoA 5.6.3(Maya)/MAXtoA 5.9.4(3ds Max)/C4DtoA 4.9.3(Cinema 4D)/HtoA 6.5.3(Houdini)/KtoA 4.5.3(Katana)。執筆時点でHoudini・KatanaプラグインはFlow Renderの新機能に一部未対応

Arnoldは Maya/3ds Max/Cinema 4D/Houdini/Katana 向けの統合プラグインとして提供されており、7.5.3は既存のサブスクリプション契約者向けの無償アップデートです。
アップデートの詳細はhelp.autodesk.com(Arnold 7.5.3リリースノート)をご覧ください。
なお3ds Max側でも、3ds Max 2027.2に同梱のArnold for Max 5.9.3.0で非フォトリアル表現向けの「Shader to RGBA」「tone zones」ノードが追加されています。
管理人のひとこと
セルルックのライン自体は普段3ds MaxのPencil+ 4で出していますが、陰影やマチエールはArnoldに任せる場面も多いので、非フォトリアルの土台を素直に組めるBSDFノードが増えるのは率直にありがたいです。Shader to RGBAと組み合わせる方式で既存のトゥーン設定に少しずつ足して検証できそうなので、次のルックデヴで一度試してみたいと思います。密度の高い衣装まわりを触るときのインタラクティブ描画が速くなっている点も、地味ですが日々の待ち時間に効いてくれそうです。



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