HairDeck|イラスト1枚から、揺れ用のボーン付きでアニメ調の3Dヘアを生成する研究

CG全般

清華大学・カーネギーメロン大学・香港中文大学の研究チームが、2026年10月30日に「HairDeck」のコードと学習済みモデル、ブラウザで試せるデモを公開しました。HairDeckは、キャラクターのイラスト1枚から髪を3Dで生成する研究です。髪は毛束ごとのヘアカード(板ポリゴン)として出力され、揺らすためのスプリングボーンも付いてきます。書き出しはGLBのメッシュか、アバターに載せたVRMを選べます。

HairDeckとは

HairDeckは、入力した絵を読み取り、その髪型を作っている毛束を1枚ずつのヘアカードとして生成します。カードごとにUVが付き、髪の色も入力の絵から拾います。そのあと別のモデルが揺れ用のボーンの鎖を生成し、カードはそのボーンに紐付けられます。研究チームの@hyz317がXで紹介動画を公開しています。

毛束を1枚ずつ分けたまま、髪型を生成できる

HairDeckは、ヘアカード1枚の形・根元の位置・向きを1つのトークンにまとめ、髪型全体のトークンを一度に生成します。髪型を1つのまとまりとして生成しながら、出力では毛束が1枚ずつ分かれたまま残ります。入力にはイラストのほかに点群も使えます。

点群を入力にした場合の精度は、既存の研究のCHARMと比べています。比べたのは、CHARMのテスト用の髪型100種類です。形の誤差(Chamfer距離)は0.0117から0.0066へと44%下がり、カードの向きの誤差はCHARMの40.0°に対して16.8°でした。メッシュにする前のカード生成にかかる時間は、33.7秒から1.01秒へと33倍速くなっています。

点群の入力から、CHARM・MeshAnything V2・DeepMesh・BPT・HairDeck・正解の髪を3つの髪型で並べた比較図。HairDeckと正解は毛束ごとに色分けされている(画像: HairDeck)
点群からの生成の比較。右から2列目がHairDeck(画像: HairDeck プロジェクトページ)

プロジェクトページには、同じキャラクターをガチャ風・厚塗り・セミリアルの絵柄に描き変えて入力した例も載っています。絵柄を変えた入力でも、近い形の髪型が出ています。

揺らすためのボーンも、一緒に生成できる

ヘアカードを作ったあと、2つ目のモデルがスプリングボーンの鎖を生成します。カードはスキニングでボーンに紐付けられるので、頭を振ると髪が遅れて揺れます。VRMで書き出せば、ボーンの設定ごとアバターに載ります。

左に色分けされたボーンの鎖を表示した髪、右に頭を振ったときの長い髪の揺れを0秒から1秒まで並べたコマ(画像: HairDeck)
スプリングボーンで揺れる髪(画像: HairDeck プロジェクトページ)

ブラウザのデモと、手元で動かす条件

いちばん手軽なのは、Hugging Faceのデモです。キャラクターの画像を上げると、1〜4通りの髪型を生成し、3Dプレビューでスプリングボーンの表示も切り替えられます。生成した髪からは、揺れを確かめる動画やVRMも書き出せます。

手元で動かす場合は、Linux(x86-64)、Python 3.12、NVIDIA製のCUDA対応GPUが1枚必要です。研究チームはPyTorch 2.8とCUDA 12.8で動作を確かめています。VRMの書き出しには、Blender 4.2 LTSとVRM Add-on for Blenderを内部で使います。出力されるのは、頭の仮モデル付きと髪だけのGLB、ボーンの鎖のデータ、VRM、頭を振ったときのプレビュー動画です。

価格・入手先

価格無料
対応OSLinux(x86-64・NVIDIA製GPUが必要)
ライセンスApache-2.0(コードと学習済みモデル)
作者Yuze He、Yixiang Wei ほか(清華大学・カーネギーメロン大学・香港中文大学)
入手先GitHub / Hugging Face(デモ)

HairDeckが内部で使うSAM 3やDINOv3などの外部のモデルには、それぞれのライセンスが適用されます。SAM 3とDINOv3は、Hugging Face上で利用条件に同意してからでないとダウンロードできません。導入の手順と出力ファイルの説明はGitHubのREADMEに、論文と生成例はプロジェクトページにまとまっています。

管理人のひとこと

アニメ調のキャラクターの髪は、ポリゴンで毛束を1つずつ組んでから、揺れ用のボーンを入れてウェイトを付けることが多いです。形を作り終えてからセットアップに移るので、髪の多いキャラクターほど時間がかかります。HairDeckはその両方を絵1枚からまとめて出してくるので、設定画を受け取った段階で、髪型のあたりを3Dで立てて確かめる用途に合いそうです。

気になるのはボーンの入り方です。揺れものは、どの毛束を同じボーンで動かすか、どこで曲げるかで見え方が大きく変わります。HairDeckはボーンの鎖を生成し、カードとの紐付けまで済ませて出力します。そのウェイトが手直しなしでどこまで使えるのか、デモで1枚試してみたいところです。

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