HairHarpy 2.0|カーブで毛束を組み、ループのそろったアニメ調の髪にできる無料ソフト

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3DキャラクターアーティストのCataRackta氏(@CataRackta)が、スタイライズドな髪をモデリングするソフト「HairHarpy」のv2.0を11月2日に無料で公開しました。前の名前はStylized HairMesh Creatorで、ブラウザで動くアプリからWindows・Linux用のデスクトップアプリに作り直されています。

HairHarpyとは

毛束をカーブとNURBSの面で組み、最後にメッシュへ変換する髪専用のソフトです。メッシュの密度やエッジループの並びはパラメーターで決めるので、ポリゴンを手で直さずに複雑な髪型を作れる、と作者は説明しています。画面は髪を組む「Hairルーム」と、リトポやUV展開をする「Topologyルーム」の2つに分かれていて、上のバーでいつでも切り替えられます。v2.0はC++とQt 6、Vulkanで書き直され、数百万の三角ポリゴンを持つメッシュでも操作が重くならないとしています。

毛束の形を、カーブで決められる

髪型は、毛束ごとのグループで組み立てます。グループの中にカーブを描き、カーブどうしのあいだにNURBSの面(壁)を張ると、1つの毛束になります。カーブを描くツールには、平たい毛束をそのまま描けるモードがあり、カーソルの円で場所ごとの幅を決めながら描けます。描いた平たい毛束は、ブラシで厚みを付けて立体にできます。はさみのツールで毛束の途中をクリックすると、そこから毛先までをY字の2本に分けられます。

緑色の毛束の途中から、紫色の毛束がY字に分かれて伸びていく様子
毛束の途中から毛先までを、Y字に分ける(画像:CataRacktaのX投稿の動画より)

カーブ1本から立体の毛束を作るモディファイアもあります。四角・台形・三角・円・半円の断面か、自分で描いた断面をカーブに沿わせ、根元・中ほど・毛先で太さと断面のひねりを変えられます。その上に、太さやひねりをブラシで塗る、うねりを足す、カールさせる、といった追加のモディファイアを重ねられます。

S字に曲がった紫色の毛束を、ブラシでオレンジ色に塗って太くしている様子
太さのモディファイアをブラシで塗ると、オレンジの所が太くなる(画像:CataRacktaのX投稿の動画より)

分け目まわりと三つ編みも、専用の機能で組める

分け目から髪が四方に流れる頭頂部は、「クラウン」という専用のオブジェクトで作ります。頭の上をクリックするとクラウンができ、下の縁に毛束のカーブをつなぐと、毛束のループがクラウンのループとそろいます。前髪用のプリセットもあります。クラウンの縁から髪の面を垂らして頭のまわりを囲み、はさみで毛束に切り分ける使い方もできます。

頭の後ろを囲むオレンジ色の面を、縦にはさみで切り分けている様子
クラウンの縁から垂らした面を、はさみで毛束に切り分ける(画像:CataRacktaのX投稿の動画より)

三つ編みは、中心にカーブを1本描くだけで作れます。編み方はクラシック・ダッチ・フィッシュテール・ロープの4種類で、房の数、交差の回数、幅、房の太さを数値で変えられます。編み終わりを1本にまとめる、先を細くとがらせる、といった端の処理も選べます。

ループの位置を、メッシュにする前に確かめられる

毛束を選んで「コクーン」を作ると、毛束を包む半透明の殻ができ、その上に輪が表示されます。この輪が、変換したときに横方向のエッジループが通る位置です。ループの間隔は、毛束のグループに設定した間隔を基準に、曲がっている所では詰まり、まっすぐな所では広がります。ブラシで塗った所だけループを増やしたり減らしたりでき、線を引いた所にループを1本合わせることもできます。毛束を横切る円盤のガイド(NURBS disc)を置けば、その面に沿ってループが1本通ります。

水色の毛束を横切る緑色の円盤を、上下に動かしている様子
毛束を横切る円盤のガイドで、ループの通る位置を決める(画像:CataRacktaのX投稿の動画より)

重なった毛束を、1つのメッシュにつなげられる

隣り合う毛束のカーブは、点を重ねて溶接する、何本かを1本の幹にまとめる、別の毛束の流れに沿わせる、の3つの方法でつなげられます。メッシュに変換するときに毛束どうしの溶接をオンにすると、触れ合う毛束が1つのメッシュになり、内側に埋もれた面は消されます。

変換の前に接続のチェックをかけると、溶接されるはずの所でつなぎ方がおかしい場所が赤い印で出ます。自動修正も選べ、直した所は修正前と修正後を見比べてから採用するかを決められます。変換したあとも、Ctrl+Zを1回押せば元に戻せます。

ハイポリからのリトポとUV展開も、同じソフトでできる

Topologyルームは、ハイポリのモデルの上にメッシュを作り直すための画面です。クリックで面を張っていくPolyPenと、カーブで囲んだ所にパッチを張るPatchToolが入っています。Topology Ghostは、似たモデルのトポロジーをハイポリに投影して下書きとして表示する機能で、Reveal Brushでなぞった所だけが実際の面になります。UVエディターと複数のUVセットにも対応しています。

キャラクターの服の上に投影したトポロジーの下書きを、ブラシでなぞって青い面に変えていく様子
Topology Ghostの下書きを、Reveal Brushでなぞった所から面にしていく(画像:CataRacktaのX投稿の動画より)

できたメッシュはOBJ・FBX・glTF・PLY・STLで書き出せます。Bridgeの機能を使えば、BlenderとMayaへはそのまま送れ、UnrealやUnity、Godot、ZBrushへは監視フォルダーを通して渡せます。

価格・入手先

価格無料
対応OSWindows 10 / 11(x64)、Linux(x86_64)
ライセンスHairHarpy Source-Available License 1.0
作者CataRackta
入手先GitHub

ライセンスでは、作者のビルドも自分でビルドしたものも、個人・商用を問わずどんな仕事にも使えるとしています。作ったモデルやメッシュの権利は使った人のもので、クレジットも要りません。ソースコードはGitHubで読めますが、オープンソースではありません。ソフトやコードの再配布には作者の許可が要ります。動かすにはVulkan 1.1に対応したグラフィックドライバーが必要です。インストーラーにはコード署名が無いため、初回の起動でWindowsのSmartScreenが警告を出します。作者はハッシュ値とVirusTotalの結果をリリースのページに載せ、プログラムがPCで何をするかをリポジトリのTRUST.mdで説明しています。前のバージョンで作った.hairmeshのプロジェクトも開けます。

管理人のひとこと

アニメ調の髪は、毛束が重なって分かれる所でループの流れがずれやすく、形を決めたあとのトポロジーの整理に手間がかかる部分です。HairHarpyはループの間隔や毛束どうしの溶接を変換のときに決める作りなので、形を詰めているあいだはトポロジーのことを後回しにできそうです。

Blenderでも、カーブにベベルを付けたり髪用のアドオンを使ったりすれば毛束は作れますが、分け目まわりや三つ編み、リトポまで、髪のための機能が1つにまとまっているのは専用ソフトならではです。先日のHairDeckはイラストから髪を生成する研究でしたが、こちらは手で組む側の道具です。溶接して1つにつないだ髪に、揺れ用のボーンをどう入れていくのがいいのか気になりますね。

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