Nevercenterが2026年8月31日、3Dモデラー「Silo」のアップデート版Silo 2026.2を公開しました。中身のほとんどが入出力フォーマットの作り直しで、USDZ書き出しの追加、FBXでマテリアルが飛ぶ不具合の修正、複数フォーマットでのZ-up変換の改善など、他のDCCとの行き来にかかわる部分にまとめて手が入っています。あわせて、すべての数値入力欄で計算式が書けるようになりました。
Siloとは
Siloは2003年に登場した、ポリゴンとサブディビジョンサーフェスのモデリング、そしてUVマッピングに機能を絞った軽量ツールです。Nevercenterは公式サイトで、単体で使うほかMayaやBlenderのようなオールインワンのツールに対してモデリング部分を足す使い方を挙げていて、ZBrushやMudbox向けのベースメッシュ作りにも触れています(GoZに対応)。対応OSはWindowsとmacOSです。

Siloのライセンスにはリアルタイムレイトレーシングレンダラー「Milo」が付属します。直近の更新をたどると、2025年11月の2026.0でSilo Blender Bridge(Blender側で選んだオブジェクトをSiloで編集し、Siloで作ったオブジェクトをBlenderに出せるプラグイン)が入り、2026年6月の2026.1でビューポート描画の速度が約100倍、glTF/glbへの対応、三角形化されたメッシュを四角形に戻すDe-triangulateが追加されています。
2026.2の紹介動画がNevercenterの公式チャンネルで公開されています。
ほぼ全フォーマットの入出力に手が入った
Nevercenterは今回のリリースを「対応するほぼすべてのファイル形式の配管を作り直した」と説明しています。フォーマットごとの内容は次のとおりです。
- glTF: 三角形分割とトランスフォーム行列の扱いを改善
- glb: 埋め込みテクスチャの展開先を、ファイルの隣から一時フォルダへ変更
- USD: 形状名に使えない文字による不具合を修正、スムージンググループとサブディビジョンの対応を強化、USDZ書き出しを追加
- FBX: マテリアルが飛ぶ不具合を修正、サブディビジョンレベルに対応、PBRマテリアルの扱いを改善
- STL: モディファイア付き形状の扱いとASCII判定を改善
- 共通: 複数フォーマットでZ-up変換を改善

書き出し側の画面も整理されました。サブディビジョン適用メッシュとモディファイア適用メッシュを書き出すかどうかの切り替えが、フォーマットごとの設定から全体のExport Scene Optionsへ移動しています。glbの埋め込みテクスチャが一時フォルダに展開されるようになったのは、2026.1で「ファイルの隣のフォルダに取り出す」仕様として入った部分の変更で、作業フォルダを散らかさないための調整です。
数値欄に計算式が書ける・ツールウィンドウの配置が残る
作業まわりでは、すべての数値入力欄が基本的な計算に対応しました。式の中で単位を混ぜて書くこともできます。数値を出すために電卓へ寄り道する場面が減る部分です。

もうひとつがツールウィンドウの状態保持です。すべてのツールウィンドウがアプリ再起動後に前回の状態を復元するようになりました。Nevercenterはこれを長く要望されていた項目だとしています。ほかに、マテリアルエディタへ画像ファイルをドラッグ&ドロップしたときの挙動も改善されています。
2026.2で直った不具合
- WindowsでBlender Bridge使用中にファイルをダブルクリックして開くとクラッシュする問題
- タブのフォーカスの不具合
- スライドバーテックスが対称性を無視する/表示が正しく更新されない問題
- ベベル時のマテリアルの扱い
- 三角形化したときに法線が裏返る問題
変更点の一覧はNevercenterの開発ブログに掲載されています。
価格・入手先
| 価格 | $159(Silo + Miloのセット) |
| 対応OS | Windows / macOS |
| 入手先 | Nevercenter公式サイト |
2026.2は、Nevercenter公式サイトで過去1年以内にSiloを購入した人には無料のアップデートです。それ以前のライセンスはアップグレードの購入が必要になる場合があり、要否はライセンスコードの確認ページで判定できます。Mac App StoreやSteamで購入したライセンスの場合は、無料アップデートもそのストア側から受け取る形です。
ライセンスは購入から1年分の無料アップデートが付く買い切りで、サブスクリプションではありません。更新期間が切れても、その期間内に出たバージョンはそのまま使い続けられます。期間の延長は別売の「update period extension」を買う形で、後からいつでも再開できるとNevercenterは説明しています。無料体験版も公式サイトから入手できます。
なお2026年9月4日時点では、公式サイトでクーポンコード「BACKTOSCHOOL」を使うと30%オフになるセールが実施されていて、Silo + Miloのセットが$111になります。
管理人のひとこと
Siloは名前だけ知っている状態で、触ったことはありません。今回のアップデートは新機能の派手さより、FBXでマテリアルが飛ぶ、Z-upの変換がずれる、USDの形状名で引っかかるといったツール間を行き来したときに踏む不具合をまとめて潰した内容で、どのDCCを使っていても心当たりのある項目が並びます。Blender Bridgeのクラッシュ修正まで含めて、外との行き来に寄せてきたリリースです。
数値入力欄で計算式が書けるのは、3ds Maxのスピナーで慣れていると無いほうが不便に感じます。再起動のたびにツールウィンドウの配置が戻るのも、毎日開くツールなら毎回いちど手が止まるところだと思います。こうした細かい所を埋める更新が続いているのは好みですね。Siloを常用している方には、今回のリリースはどう映っているんでしょうか。



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