面に沿ってスライド|頂点スライドとプロポーショナル編集を合わせた、表情シェイプキー用の無料Blenderアドオン

Blender

はいぱーつよつよ(やく氏・@Yak_HyperTYTY)が、Blender 5.x用のアドオン「面に沿ってスライド(プロポーショナル)」を2026年10月23日にGitHubで無料公開しました。編集モードで選んだ頂点を面に沿ってすべらせ、まわりの頂点もプロポーショナル編集と同じ減衰でいっしょにすべらせます。口を開ける、口角を上げる、眉を傾けるといった表情のシェイプキーを作るためのツールです。

前日の10月22日に、ᴜᴡᴀɴᴀᴅᴀʀᴇ氏(@death_nadare)が「頂点スライドとプロポーショナル編集を組み合わせたようなアドオンは無いか」とXで尋ねていました。ちょうど同じ作業をしていた作者がClaudeに作ってもらい、翌日に公開したのがこのアドオンです。作者の告知と、元になった投稿です。

移動で起きる浮き・めり込みと、頂点スライドの段差を両方なくす

表情のシェイプキーを作るときは、ふつうG(移動)とプロポーショナル編集の組み合わせか、頂点スライド(G G)で頂点を動かします。移動はまっすぐ動くので、丸い顔の上では頂点が面から浮いたり中へめり込んだりして、あとでスムーズやスカルプトで直すことになります。頂点スライドは面の上に残りますが、動くのは選んだ頂点だけで、辺の上しか動けません。まわりがついてこないので段差ができます。

このアドオンでは、選んだ頂点が辺の上に限らずどの向きにも面の上をすべり、まわりの頂点はプロポーショナル編集と同じ範囲と減衰でついてきます。結果は、いま選んでいるシェイプキーに書き込まれます。Basisは書き換えません。操作中は3Dビューに範囲の円と、ついてくる量を色分けした点が出ます。

球の上で頂点を面に沿ってすべらせ、範囲の円とついてくる頂点が色分けされて表示されている様子
範囲の円と、ついてくる量を色分けした点が3Dビューに出る(画像:作者のGitHubより)

唇を上下に分けて口を開くモード

唇の切れ目のまわりを選んでAキーを押すと、上唇・下唇・口角に自動で分けて口を開きます。下唇はマウスに合わせて下へ、上唇は少しだけ上へ動き、口角は止まったままです。閉じた口から「あ」の口を作るためのモードです。

唇の切れ目まわりの頂点を選び、口を開くモードで上唇と下唇を開いた状態
口を開くモード(A)。上唇・下唇・口角に分けて開く(画像:作者のGitHubより)

回転と左右対称で、困り眉やつり目を一度に作る

10月23日に出た2.1.0で回転(R)が入りました。選んだ所の真ん中を中心に、面に沿って回します。軸は最初は面の向きで、もう一度Rを押すと画面の奥向きに切り替わります。左右対称(M)と組み合わせると反対側は逆向きに回るので、困り眉・怒り眉・つり目・たれ目が一度で作れます。

主な特徴

  • 移動(G)・拡大縮小(S)を、ふつうのG・Sと同じ感覚で面に沿って行える
  • つながった面だけ(Alt+O)。上唇を動かしても、すぐ下の下唇はついてこない
  • 口の中や裏側に吸い付かない。画面を向いている面、選んだ頂点とつながっている面、隠していない面だけに沿わせる(歯やまつげはHで隠せば無視)
  • ベースの形に沿わせる(B)。同じキーを何度も直して形がゆがんできたときに、Basisの面を基準にすべらせる
  • 面に沿わせるのをオフ(F)。「う」の口の突き出しのように、面から離したいときはふつうのプロポーショナル移動に切り替え
  • 数値入力とF9。確定後もF9のパネルで量・範囲・減衰を直すと、動かす前からやり直して反映
  • 書き込み先がBasis(ほかに表情のキーがあるとき)やロック中のキーなら止めて理由を表示。範囲の半径がモデルに比べて大きすぎ・小さすぎなら直してから始める
  • 新しいシェイプキーを作って、そのまま動かし始めるボタン(やめたら作ったキーは消える)
Nパネルの「面スライド」タブ。範囲の半径、減衰、つながった面だけ、面に沿わせる、左右対称などの設定が並ぶ
Nパネルの「面スライド」タブ(画像:作者のGitHubより)

動かせるのはアクティブなオブジェクトだけです。左右対称は、Basisで左右がぴったり同じ位置にある頂点どうしを相手として探す方式で、トポロジーミラーではありません。また、シェイプキーの値を0.5のような途中の値にすると、曲がった面の上を大きく動かした頂点は、途中で少し面の内側を通ります。シェイプキーが2つの形を直線でつなぐためです。

価格・入手先

価格無料
対応バージョンBlender 5.0+
ライセンスGPL-3.0-or-later
作者はいぱーつよつよ
入手先GitHub

作者はBlender 5.2で動作を確かめています。画面の表示とマニュアルは日本語です。配布用のzipはGitHubのReleasesにあり、キー操作の詳しい説明と表情ごとのレシピは、zipに入っているマニュアル(Nパネルの「使い方を開く」で開く)にまとまっています。

管理人のひとこと

表情のシェイプキーは、プロポーショナル編集で動かすと頬や唇の頂点が面から浮いて、あとからスムーズで均すことになりがちです。面の上をすべらせたまま、まわりもついてくるなら、その直しの手間はかなり減りそうです。口を開く動きや、左右で逆向きに回す眉のように、表情でよく作る形を専用の操作で作れるのも助かります。

作者のはいぱーつよつよさんは、少し前にアニメ塗り向けの3Dペイントツールぺたぬり3Dも出していました。今回は要望の投稿が出た翌日に公開されていて、Basisへの書き込みを止める仕組みや、範囲の大きさを直してから始める仕組みまで入っています。トポロジーミラーではない点だけは、左右で頂点の位置がずれているモデルだと気をつけたいところです。

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