Blender用の無料テクスチャペイントアドオン「Ucupaint」のバージョン3.0が、2026年10月23日に公開されました。作者はucupumar氏です。変更が多いため、2.5を飛ばして3.0にしたそうです。主な変更は、UIの整理とベースレイヤー、ハイトとベクターディスプレイスメントの専用チャンネル、1つにまとめたプレビューモード、調整レイヤー、球面・円柱のデカール、ベイクターゲットの作り直しです。
Ucupaintは、EeveeとCyclesで使うテクスチャのレイヤーを管理するアドオンです。画像や頂点カラー、ベタ塗りのレイヤーをマスク付きで重ねていき、その結果をBlenderのシェーダーノードとして組み立てます。普段のシェーダーノードの組み方に、そのまま混ぜて使えるのが特長です。公式のXには、3.0の新機能を順に見せる約1分半の動画が投稿されています。
パネルをレイヤー一覧中心に整理し、ベースレイヤーを追加
新しいUIはレイヤー一覧が中心になり、それ以外の設定は初期状態でパネルの中やポップオーバーのボタンにしまわれるようになりました。あわせて、すべてのチャンネルの基本の値をまとめて編集する「Base Layer」が自動で作られます。カラー・メタリック・ラフネスなどの下地の値は、このレイヤーで決めます。

ハイトとベクターディスプレイスメントが専用のチャンネルに
これまでノーマルチャンネルの一部だったハイト(旧バンプ)とベクターディスプレイスメントが、それぞれ独立したチャンネルになりました。作者によると、これで内部の作りがかなり単純になり、今後の改良もしやすくなったそうです。初期設定ではハイトチャンネルの出力がノーマルチャンネルにバンプとして足されるので、これまでの使い方はそのまま続けられます。

ディスプレイスメントを有効にするトグルは「Quick Displacement Setup」というオペレーターに変わりました。ディスプレイスメントを有効にして、メッシュを決めたポリゴン数まで細分化する働きは同じです。オペレーターになったので何度でも実行でき、ポリゴン数が足りているかを確かめながら増やせます。

プレビューモードを1つにまとめた
これまではチャンネルとレイヤーで別々にあったプレビューモードが、1つになりました。チャンネル、レイヤー、レイヤーのアルファ、マスク、カスタムデータのどれを見るときも、同じプレビューモードで切り替えます。

下のレイヤーに色調補正をかける調整レイヤー
調整レイヤーは、その下までのレイヤーの結果をデータとして受け取り、そこにモディファイアーを足していくレイヤーです。Ucupaintのモディファイアーには、カラーランプ、RGBカーブ、色相・彩度、明るさ・コントラストなどがあります。下の塗りには手を付けずに、上から色味をまとめて調整できます。

球面と円柱の形に沿って貼るデカール
デカールの種類に、球面(Spherical)と円柱(Cylindrical)が加わりました。平面のデカールと違い、丸い物の表面に沿わせて画像を貼れます。この2種類はlsmine0氏が開発に参加して追加したものです。

球面のデカールのデモでは、器に盛ったアイスクリームの丸い面に、ノイズのマスクを沿わせて貼っています。

チャンネルごとにベイクターゲットを持つ形に
ベイクの仕組みが作り直され、チャンネルをベイクするにはベイクターゲットが必要になりました。チャンネルを作ると、ベイクターゲットも自動で1つ作られます。ベイクターゲットごとに、書き出す画像の名前や解像度などを別々に設定できます。「Bake All Channels」は「Bake Ucupaint Node」に名前が変わりました。

この仕組みになったことで、ORM(オクルージョン・ラフネス・メタリックを1枚にまとめたテクスチャ)をベイクの書き出し先に選べるようになり、Quick Ucupaint Node Setupの段階でORMを選ぶこともできます。カラー属性(頂点カラー)もベイクターゲットに使えます。
その他の変更
- 「Vector」の名前を「Mapping」に変更
- 旧方式の「Smoother Bump」を廃止(古いファイルは3.0で開くと新しい方式に変換)
- 新しいアイコン(trulybeardless氏の制作)
- Blender 5.3でUVマップを扱う操作と既存データを開く操作ができなかった不具合など、10件の修正
価格・入手先
| 価格 | 無料 |
| 対応バージョン | Blender 2.76〜5.3 |
| ライセンス | GPL-3.0 |
| 作者 | ucupumar |
| 入手先 | Blender Extensions / GitHub |
GitHubでは、Blender 2.80〜5.3用の通常版と、2.76〜2.79用の旧版が別のzipで配られています。Blender Extensionsの版はBlender 4.2 LTS以降が対象です。PSDとレイヤーをやりとりする機能(PSDの読み込み・書き出し)は、作者のGitHub Sponsorsで支援した人向けに提供されています。
機能ごとの使い方は公式Wiki、リリースノートで使われたデモのblendファイルはサンプルファイルのページにまとまっています。
管理人のひとこと
このところ、HoloPainterやぺたぬり3D、YoluPainter、ドパペイントのように、3Dモデルに直接描けるソフトが続けて出てきています。どれも描き味に力を入れていて面白いのですが、描いたテクスチャは書き出してBlenderに持ち帰ることになります。Ucupaintは塗った結果がそのままBlenderのシェーダーノードになるので、UVやモデルを少し直しても、書き出しと読み込みをやり直さずに済みます。Eeveeで最終の見え方を確かめながら塗れるのも、Blenderの中で完結しているからです。
今回の調整レイヤーで、下の塗りを残したまま色味だけを寄せられるようになったのも、この使い方に合っています。描き込みたい所は専用のソフトで描き、下塗りや色分け、色の調整はBlenderの中で済ませる、という使い分けがしやすくなりそうです。



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