Marvelous Designer 2026.1|シワをブラシで描き、縫い目を裂き、ブレンドシェイプをキーに残す

CG全般

CLO Virtual Fashionが、3D衣装制作ツール「Marvelous Designer」の2026.1を2026年8月24日に公開しました。公式の新機能一覧で主な機能として挙がっているのは、ブラシでなぞってシワを作る「ブラシピンチ」、縫い目を裂いてほつれさせる「布破れ表現ツール(Beta)」、アバターのブレンドシェイプの変化をキーフレームに記録する「ブレンドシェイプアニメーション」の3つです。

公式チャンネルには2026.1の新機能をまとめた動画が公開されていて、ブラシピンチや布破れの動きはこちらで確認できます。

ブラシでなぞった線に沿ってシワを作る「ブラシピンチ」

ブラシピンチで作った折り目(画像: Marvelous Designer)
ブラシピンチで作った折り目(画像: Marvelous Designer)

3Dツールバーのシミュレートツールから、クイックピンチを2秒以上長押しすると展開メニューが出て、そこからブラシピンチを選びます。衣装の上をドラッグすると、たまっていくストロークの経路に沿って、Strengthの値に応じたピンチがかかります。

ブラシ側の設定は、ブラシサイズを決めるSize、焦点領域の大きさを決めるFocal Radius、ストロークの軌跡の長さを決めるLazy Distance、ストローク上の重み付け領域を表示するDisplay Weightsです。ピンチ側はStrength(変形の強さ)、Push Inward(内側へのピンチ)、そして周囲の法線を平均してピンチ方向を安定させるAverage Radiusが用意されています。

ピンチしている間だけシミュレーション値を上書きする

ピンチ操作中の一時的な上書き(画像: Marvelous Designer)
ピンチ操作中の一時的な上書き(画像: Marvelous Designer)

ピンチ操作の最中だけ、全体設定と生地のシミュレーション値を一時的に上書きできるようになりました。公式サイトでは、シワなどの細かな形状変化をより安定してコントロールするための機能と説明されています。

縫い目から裂けて、ほつれる「布破れ表現ツール(Beta)」

縫い目を裂いた状態。裂け口にほつれが出る(画像: Marvelous Designer)
縫い目を裂いた状態。裂け口にほつれが出る(画像: Marvelous Designer)

縫い目の一部または全体を破れ領域として指定し、実際の生地が開いてほつれる様子をシミュレートするツールです。マニュアルでは、縫い目の破断・傷んだ衣装・生地の使用感といったディテールを作る用途が挙げられています。

作り方は2通りあります。ひとつは3Dツールバーの破れツールを選び、3Dの衣装または2Dパターンの縫い目上で開始点と終了点をクリックする方法で、開始点は対になる縫い目の側にも同時に表示されます。もうひとつは縫製ツールで縫い目をまとめて選択し、右クリックメニューから一括で作成する方法です。作成後は破れの編集ツールでRipとFrayのプロパティを調整し、裂けた領域を元に戻すこともできます。

ブレンドシェイプの変化をキーフレームに残せる

アバターのブレンドシェイプ(画像: Marvelous Designer)
アバターのブレンドシェイプ(画像: Marvelous Designer)

アバターのブレンドシェイプ値の変化を、アニメーションのキーフレームとして記録できるようになりました。土台になっているのは2026.0で入ったブレンドシェイプ対応で、ブレンドシェイプのデータを含むファイルをアバターとして読み込むと、アバターエディタのBlend Shapeタブに変形パラメータの一覧が出て、それぞれ0〜100の範囲で調整できます。2026.1では、その値の動きをそのままキーとして残せる形になりました。

2026.1のその他の変更点

  • 衣装: レーシングの編集ツール、3Dペンシルの対称側固定、内部線の始点と終点で折り曲げ角度を変えられる可変化、半対称パターンの対称同期、ジッパー配置の改善とジッパー端の延長
  • シミュレーション: macOSでのGPUシミュレーション、コリジョンの方向をレンダーの厚み方向に合わせる設定
  • マテリアル: OBJを衣装として読み込むときのUV・マテリアル情報の保持、グラフィックのロック
  • パイプライン: FBXとglTF/GLB経由のカメラ入出力、カスタムビューへの3D表示状態の保存
  • 操作性: 3D/2Dツールバーのカスタマイズ、Windows版のメニュー検索、時間ベースの自動保存

カメラの入出力がFBXとglTF/GLBの両方に対応したのは、DCC側で決めたアングルをそのまま持ち込んで確認したいときに使えそうです。

価格・入手先

個人向けのシングルユーザープランは月額$39で、WindowsとmacOSに対応します。14日間の無料体験が一度だけ利用でき、体験期間の終了後は自動更新の月額請求に切り替わります。フリーランスは個人プランを使えますが、スタジオやゲーム会社などの法人は企業プランの購入が必要です。既存の契約者は自動アップデートで受け取れます。

新機能の詳細は公式の新機能ページ、各機能の操作は2026.1の新機能一覧からそれぞれのマニュアルに辿れます。

管理人のひとこと

ブラシピンチが今回のいちばんの変更だと思います。アニメの絵作りだとシワの位置は演出の都合で決まっていることが多く、シミュレーションに任せると狙った場所に来ないので、結局あとから彫り直すことになりがちです。ストロークで「ここに一本ほしい」と指定できるなら、その往復を減らせます。

ピンチ中だけシミュレーション値を上書きできる機能も、単体では目立ちませんが、ブラシピンチと組み合わせて初めて意味を持つ設定です。

布破れ表現はBeta表記なので本番で当てにするのはまだ早いかもしれませんが、裂け口のほつれまで出るのは手で作ると面倒な部分です。

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