Meshy 7|生成した3Dが元画像とどれだけ合うかを鍛えた画像→3Dモデル

CG全般

3D生成AIの「Meshy」が、画像から3Dモデルを作る新しいモデルMeshy 7を2026年8月10日に一般提供開始しました。8月12日には開発元が技術記事を公開し、何をどう改善したのかを数値付きで説明しています。

今回のバージョンで開発元が狙いを定めたのは、出力の見栄えではなくジオメトリアライメントだとしています。生成された3D形状が、入力した画像にどれだけ忠実に一致しているか、という一点です。

「きれいに出る」と「頼んだ形が出る」は別の話

開発元は、画像から3Dへの生成が2年前とは状況が変わったと書いています。ジオメトリの破綻や欠落した手足のような深刻な失敗は主要なモデルではもう十分にまれで、見つかった一つひとつを調査対象として扱うレベルになったそうです。

そのぶん、差が出る場所が移りました。クリーンで説得力のある3Dアセットが出てきても、それが「間違ったアセット」であることがあるという指摘です。胴体が広すぎる、ハンドルが左に寄りすぎている、コンセプト画像に見えていた稜線が消えている。単体で見れば自然でも、元のアイデアを再現できていない。この差がジオメトリアライメントです。

Meshy 7では、ここを主目標に3か所を同時に手を入れたと説明されています。画像エンコーダーを改良して複数のスケールで特徴を読み、より高解像度の入力を受け付けられるようにしたこと。学習データを厳格な基準で再構築し、スタイル・ライティング・背景の影響を体系的に取り除いたこと。そして、ジオメトリ整合性を学習中の評価シグナルそのものに組み込んだことです。

何を「合っている」と呼ぶのか ― 3つのものさし

整合性を学習目標にすると、それをどう厳密に測るのかという問題が出てきます。そこでMeshyは、人間の好みやVLMの判定ではなくジオメトリから自動採点するベンチマークを新たに作りました。

手順はこうです。学習セットから明確に除外した参照用3Dモデルを用意し、既知のカメラでそこから画像をレンダリングして、その画像を各生成モデルへの入力にする。出てきたジオメトリを元の参照ジオメトリと直接比べる。答えとなる3Dが分かっている状態から始めるので、カメラ推定の誤差が生成の誤差に混ざりません。

比較の前に、生成結果を参照へ平行移動・回転・一様スケールで位置合わせします。軸ごとに伸ばしたり潰したりはしないので、狂ったプロポーションを位置合わせで隠すことはできません。そのうえで、粗い方から細かい方へ3つの指標で測ります。

全体プロポーション・空間分布・表面ディテールの3指標を、参照モデルと生成結果の差として図示した説明図
  • 全体的なプロポーション ― 主要なパーツのレベルで、参照と同じ空間領域を占めているか。全体のシルエットや広い質量分布を見る
  • 空間分布 ― 生成物の各部分を参照の位置へ動かすのに必要な総作業量。小さなズレは軽く、遠くに離れているほど距離に比例して重くなる
  • 表面ディテール ― 参照に無い幻の隆起、滑らかに消されてしまった彫刻パターン、見落とされたボルトなど、表面の不一致

参照モデルはキャラクター、武器、乗り物、彫刻、細い構造を持つ小道具などから選ばれています。入力条件は3つ――正面ビューだけの1枚、上方クォータービューの1枚、そして正面・左・背面・右の4ビュー。1枚だけの条件が最も厳しく、見えない側をすべて推論する必要があります。

単一視点では3指標とも1位、4ビューでは上位の一角

公開されたスコアが下表です(100% = 参照モデルを自分自身と比べた場合)。競合は匿名で T1 / H1 / R1 / H2 と表記されています。

入力条件指標Meshy 7T1H1R1H2
単一視点(上方斜め)全体比率81.0%79.0%76.7%72.0%79.1%
空間分布79.7%78.4%73.7%71.4%76.5%
表面ディテール59.8%51.7%54.5%49.0%55.2%
4ビュー全体比率84.4%85.4%79.2%82.6%86.5%
空間分布81.8%81.7%73.5%79.6%81.8%
表面ディテール60.6%62.8%57.5%53.9%61.8%

1枚入力では3指標すべてでトップ、4ビューでは上位の一角という結果です。差が大きいのは表面ディテールで、開発元自身もMeshy 6から最も改善したのはここだと書いています。

表情がジオメトリに残る

顔はアライメントの最も難しいテストのひとつだと説明されています。わずかな幾何学的変化で表情が変わってしまい、眉や顎が少しおかしいだけで誰でも一目で気づくからです。

4枚の参照ポートレートから生成した胸像。微笑み・厳しい表情・目を閉じた顔・笑い顔がそれぞれ形状に反映されている

4枚の胸像の例では、微笑むポートレートで頬が持ち上がり目が細くなって笑いじわが深くなる、厳しい表情では眉が引き締まり口角が下がる、といった具合に参照ごとの表情がそれぞれ3D形状に反映されています。ヘッドスカーフ・結ばれたリボン・ボタン付きブラウスのほうは4枚とも安定したまま。変わるべきところだけが変わる、という挙動です。

多パーツの構造物が「鳥の形」に潰れない

機械仕掛けのフクロウのコンセプトアートと、生成されたジオメトリおよびテクスチャ適用後の結果

機械仕掛けのフクロウは、表情ではなく多数のパーツを正しい構造へ整理できるかという課題です。重なり合う翼のプレート、円形の目のハウジング、装飾的な胸部パネル、部分的に露出した歯車、細い脚、造形された台座。

Meshy 7はこれを単純化された鳥の形に縮約せず、構造化されたアセンブリとして保持したと説明されています。歯車で満たされた空洞は胴体の中央にあり、目のハウジングは目立ったまま、翼のパネルは胴体をきれいに包む。3指標のうち空間分布で差が出るのがこの種の例です。

浅いレリーフがノイズに崩れない

翡翠のコインの参照画像と生成結果。縁の龍と雲、中央の文字が浮き彫りとして残っている

翡翠のコインは、細かなディテールに対する極端なテストとして挙げられています。形状のほとんどが、ほぼ平坦な円形表面に密に詰め込まれた浅いレリーフ――縁を巡るとぐろを巻いた龍、密集した雲、浮き上がった中央の文字――で定義されているためです。

結果は、龍が断片に分断されず縁に沿って連続し、雲の形状はノイズに崩れず個別に識別でき、中央の文字はエンボスとして判読可能なまま。表面ディテールが最も重要になる領域だと位置づけられています。

まだ苦手なのは「細い毛束」と「正確な繰り返し」

限界を示す2例。ばらけた髪の毛束が太い塊に融合し、タワーの反復するフロアの帯がずれている

開発元は限界も2つ挙げています。うまくいかない点は対象が何であるかより、どの種類のジオメトリを含んでいるかで決まる、というのが開発元の見立てです。

ひとつは髪。ラフな水彩画からポーズもデニムジャケットのしわもリンゴも足元の水しぶきも再現できているのに、顔を縁取るばらけた毛束だけが、より太い塊やリボン状の形へ融合してしまう。モデルが捉えられる限界より細いものは隣接するものと結合してしまい、ばらけた髪はほぼ全体がその細い束でできている、という説明です。

もうひとつは正確な反復。同一のフロアを規則的な窓のグリッドで積み重ねたタワーでは、全体形状も丸みのある平面形も屋上設備も基部も正しく捉えるのに、フロアの帯が揺らぎ、間隔が変わり、窓がフロアごとに一直線から外れます。欠けているものは無いが、正確な反復によって定義される建物が「おおよそ正しい形」にしかならない、と書かれています。

価格・入手先

Meshy 7はMeshy workspaceで提供されており、登録済みのすべてのユーザーが生成に使えます。ただしMeshy 7で生成したモデルをダウンロードできるのはProティア以上です。Ultra Modeはローンチ時点では単一ビュー生成のみで、マルチビュー対応は近日提供予定とされています。

  • Free:月100クレジット・ライセンスはCC BY 4.0($0)
  • Pro:月1,000クレジット・プライベートライセンス・優先度高($20/月、年払い$240)
  • Premium:月3,000クレジット・最大300アセット($40/月)
  • Ultra:月8,000クレジット・最大800アセット($100/月)
  • Studio:チーム共有プールで月5,500クレジット($70/月、年払い$840)

ファイル形式は、Image to 3D / Text to 3D の出力が .fbx・.obj・.usdz・.glb・.stl・.blend。BlenderプラグインとUnityプラグインも用意されています。記事中のベンチマーク自体は、Meshy 7のリリース後に別途公開予定とのことです。詳しくは開発元の解説記事をご確認ください。

管理人のひとこと

指標の立て方のほうが記事より面白かったです。生成3Dの評価は「見た目がきれいか」の主観に流れがちですが、参照モデルを学習から抜いておいて、そこから起こした画像を入力に使い、出力を元の3Dと直接比べるという設計は素直で、しかも軸ごとのスケーリングを禁じてプロポーションのごまかしを塞いでいるのが良いと思いました。粗い順に3段階へ分けたのも、どこがダメだったかが言語化できるという意味で実用的でした。

数字を見ると、単一視点の表面ディテールが59.8%で他が49〜55%。ここが一番差が付いていますが、裏を返すと1枚入力ではまだ表面の4割が合っていないということでもあります。彫り込みの効いたプロップを一発で通すのはまだ難しく、当たり出しやシルエットの叩き台と割り切るのが現実的な距離感だと思いました。

苦手として挙がっている2つが、そのまま仕事で当たる場所なのも正直な話です。髪の毛束が太い塊に融合するのはキャラクターを扱う人には致命傷になりやすく、窓の繰り返しが揺らぐのは背景で建物を並べるときにまず気づかれます。裏を返せば、その2つを避けた「かたまりで押せるもの」――岩や機械のプロップ、小道具の当たり――なら、今回の改善はそのまま使えそうです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました