アニメ制作技術の総合イベント「あにつく2026」が、2026年10月3日(土)に秋葉原UDXで開催されます。主催は株式会社Too。セミナーは参加無料(事前登録制)で、全15セッションのタイムテーブルと登壇者が公開されています。
11:30から18:50まで、50分のセッションが6コマ。同じ時間帯に2〜3本が並行する形です。東映アニメーション、オレンジ、グラフィニカ、サンジゲン、exsa、A-1 Pictures、MAPPA、ENGI、サブリメイション、StudioGOONEYSと、アニメCGの制作会社が並んでいます。
開催概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年10月3日(土) 11:30〜20:30(受付開始 11:00) |
| 会場 | 秋葉原UDX 4F UDXギャラリー/UDXギャラリーネクスト(東京都千代田区外神田4-14-1) |
| 形式 | 会場開催 |
| セッション数 | 全15(6コマ・1本50分) |
| 参加費 | セミナーは無料(事前登録制) |
| アフターパーティ | 19:00〜20:30 一般2,000円/学生1,000円(税込)・定員150名・完全予約制 |
| 主催 | 株式会社Too |
| ゴールドスポンサー | オートデスク株式会社、Maxon Computer株式会社 |
| シルバースポンサー | 株式会社ワコム、株式会社ピー・ソフトハウス、EIZO株式会社 |
申し込みの受付は8月20日から始まっています。15セッションの時間割と登壇者の一覧はあにつく2026 公式サイトが時間帯ごとに並べていて見やすいので、全体像はそちらで確認してください。この記事では、一覧の行だけでは分からないところを拾います。どのセッションが制作の中身に踏み込むのか、登壇者がどの工程の人なのか、というあたりです。
制作の中身に踏み込む6セッション
15本を一覧でなぞるのは公式サイトのほうが早いので、ここでは制作の中身に踏み込む6本を工程別に見ていきます。告知文に扱う作品と登壇者の担当工程が書かれているものを選びました。
オレンジ『TRIGUN STARGAZE』/アニメーターの手元(師橋忠生氏・相川夏氏)
有限会社オレンジのCGアニメーター2名が、実際の制作資料を交えてカット制作の流れを話す回です。告知文では自社を「業界内でも謎が多いと言われる(?)」と書いていて、アニメーター目線で語り尽くすとしています。
師橋忠生氏は1998年生まれ、新卒でオレンジに入社して『TRIGUN STAMPEDE』に参加、『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』『リヴァイアサン』を経て、『TRIGUN STARGAZE』ではサブディレクターとして若手チームを率いています。相川夏氏は2004年生まれで、高校生の頃からCGアニメーションの自主制作をしていて19歳で入社、現在はリードアニメーターです。入社4〜7年でリードやサブディレクターに就いている2人という並びなので、キャリアの話としても中身が想像しやすい回だと思います。
『TRIGUN STARGAZE』の本予告がこちらです。
グラフィニカ『#なのはEXGV』/OKを出したあとに何を足すか(向田善弘氏・五来聖文氏・中野慎也氏)
『魔法少女リリカルなのは EXCEEDS Gun Blaze Vengeance』のCGアクションを題材に、アクションプランの提案から完成カットまでをたどる回です。副題が「OKのあと、何を足す?」で、若手やリードが上げたカットに対してCGディレクターが何を見て何を加えるかを実例で解説するとしています。
登壇は3DCG部の3名。向田善弘氏はCGプロデューサーで『機動戦士ガンダム 水星の魔女』『スター・ウォーズ:ビジョンズ/九人目のジェダイ』も担当、五来聖文氏は本作の3DCG監督で『ロックは淑女の嗜みでして』の3DCGアニメーションスーパーバイザー、中野慎也氏はCG制作デスクです。ディレクションの基準を言葉にする回は珍しいので、リテイクの出し方に悩んでいる人ほど得るものがありそうです。
『#なのはEXGV』のPV第1弾がこちらです。
exsa『スティール・ボール・ラン』/作画に合わせにいく3DCG(佐藤勇一郎氏・村上祥子氏)
『スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険』で、作画にマッチする3DCGの活用について話す回です。登壇はexsa株式会社の制作本部から2名で、佐藤勇一郎氏が副本部長/プロデューサー、村上祥子氏が制作推進部プロデュース課の課長補佐/ラインプロデューサーという編成です。技術者ではなくプロデューサー側の2人が立つので、どこまでCGに寄せるかの線引きが制作管理としてどう決まるかという話になりそうです。
PV第2弾がこちらです。
MAPPA『ドロヘドロ Season2』/背景美術・アニメーション・アセットの3部署(淡輪雄介氏ほか)
MAPPAのCGI局から4名が登壇します。淡輪雄介氏が取締役/CGI局長、大濵夢奈氏がアートデザイン部の背景美術室、石﨑真穂斗氏が3DCG部のアニメーション室、河合伶弥氏が3DCG部のアセット室。背景美術・アニメーション・アセットと部屋が分かれた3人がそろう構成なので、1作品を工程横断で聞ける回です。
『ドロヘドロ Season2』のPVがこちらです。
サンジゲン×exsa/Blenderと市販機材でバーチャルプロダクションを組む(森田紘吏氏ほか)
設備を持たない個人やスタジオに向けた回として、サンジゲンとexsaの合同セッションがあります。2023年に『ぼっち・ざ・ろっく!』でハイエンドなバーチャルプロダクション事例を出したexsaと、BlenderとDIYの手法で手軽に組めるVPを検証したサンジゲンが並んで登壇する形です。
告知文によると、サンジゲンがマーカーレスでTVアニメ収録に挑んだときの精度や人数の限界、失敗談を公開し、exsaのハイエンド環境と比較してDIYとプロ機材の使い分けを検証するとのこと。スマホVCamや3DGSの実例、現場を支えるデータ整備までを扱うとしています。
サンジゲン側の森田紘吏氏はクリエイティブラボラインのリーダーで、監督・CGスーパーバイザーも兼ねています。『BanG Dream!』シリーズや『GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS』に関わりつつ、Captury等のマーカーレスモーションキャプチャーを実戦導入して手付けアニメーションと融合させるワークフローを開発・検証している、とプロフィールにあります。ほかに金田剛久氏(システム・開発部 部長)、exsaから池口裕児氏(CGプロデューサー)、新家勇太氏(モーションキャプチャディレクター)が登壇します。
CafeGroup×オートデスク/Autodesk Flow Studioを制作工程に組み込めるか(橋本圭氏ほか)

ゴールドスポンサーのオートデスクは、CafeGroupと合同でAutodesk Flow Studioのセッションを持ちます。映像からモーションデータを生成できるかを実際に検証したという内容で、モデル生成・リギング・実写映像からの3D化・モーション推定といった機能を制作工程へ組み込む前提でワークフローを試したとしています。
告知文で目を引くのは、可能性だけでなく実運用上の課題にも触れると書いてあるところです。この手の検証は「できた」で終わりがちなので、どこで詰まったかまで出るなら聞く価値があります。

登壇は3名。CafeGroup株式会社から橋本圭氏(執行役員CTO)と松原陸氏(CELAVIE/セルルック部門のCGディレクター)、オートデスク株式会社から吉田将宏氏(技術営業本部 テクニカルセールススペシャリスト)です。
松原氏はモデリングを出発点にアニメーターを経て、現在は演出・撮影など画面構成に関わる領域を担当していて、直近では『イキヅライブ! LOVELIVE! BLUEBIRD』のアニメーションMVやTVアニメ『とんがり帽子のアトリエ』に参加しています。セルルックの現場にいる人が検証側に入っているので、実写寄りのモーション推定をどうアニメの画に落とすかという話が出るかもしれません。

そのほかのセッション
残りは次のとおりです。工程や立場がばらけているので、目的別に選べる並びになっています。
- 東映アニメーション「名探偵プリキュア後期エンディングメイキング(仮)」野島淳志氏
- ENGI「TVアニメ『メダリスト第2期』『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録』をベースに見る、ハイブリッドセルアニメの中での3DCGアニメーターの作業範囲。」堀正太郎氏(3DCGアニメーションスーパーバイザー)、佃将太氏、中嶋基氏、飯島哲氏
- StudioGOONEYS「レイアウトで魅せるアニメーション演出セミナー」斎藤瑞季氏。参加者が作ったモーションデータにその場でレイアウトを付ける実演あり(データは事前募集)
- サブリメイション「サブリメイション 初! 映画制作秘話」黒﨑豪氏(取締役)、佐藤悠氏、濱川海渡氏
- A-1 Pictures「私たち入社したらどうなっちゃうの?〜アニメCGスタッフの証言〜」織田健吾氏、森岡俊宇氏、伊藤龍一氏
- クリプトン・フューチャー・メディア「初音ミクたち”ボカロMV”制作におけるRed Giantの活用」土屋沙樹氏、石川秀樹氏
- 絵コンテセッション 小松田大全氏(監督)、松原秀典氏(アニメーター、キャラクターデザイナー、イラストレーター)、瓶子修一氏(サンジゲン/モデレーター)
- ENGI「『令和のアニメ業界で戦う2人の女』〜「負けるか」から始めるステップ〜」徳本沙羅氏(CGプロデューサー/トランスレーター)、萩原恭香氏
- アニメシステムコミュニティ「アニメシステムコミュニティの日常」鈴木勝氏(白組/ナビゲーター)
StudioGOONEYSの回は、自分のモーションデータを持ち込むと当日その場でレイアウトを付けてもらえるという形式です。応募要項とデータ形式は公式サイトの申し込みフォームに書かれています。
申し込みと最新情報はあにつく2026 公式サイトから確認できます。オートデスクのセッション情報はAREA JAPANにも掲載されています。
管理人のひとこと
いちばん気になったのは、グラフィニカの「OKのあと、何を足す?」です。若手が上げたカットにディレクターが何を足すかという話なので、リテイクを出す側にも受ける側にも噛み合います。
モデラーとしては、MAPPAの回でアセット室の方が入っているのが目当てです。背景美術・アニメーション・アセットが同じ卓に並ぶ機会はあまりないので、アセット側の都合がどう通っているのか(あるいは通っていないのか)を聞いてみたいところです。
会場開催で無料、しかも同じ時間帯に2〜3本が重なるので、事前にどれを取るかは決めておいたほうがよさそうです。昨年のあにつく2025はセッション動画が後から無料公開されたので後追いできる可能性はありますが、今年そうなるかは告知が出ていません。行けるなら行ったほうが確実です。



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