写真や動画から3D Gaussian Splatting(3DGS)を学習し、テクスチャ付きのメッシュにまで変換できる無料のオープンソースツール「Spirula Studio」が、2026年9月24日にv2026.9.24を公開しました。今回の更新で、3DGSやメッシュの編集機能と、静止画・動画のレンダー書き出しが加わっています。
Spirula Studioとは
Spirula Studioは、写真や動画を読み込んでから、カメラ位置の推定(SfM)、3DGSの学習、メッシュ化までを1つのアプリで済ませるツールです。PythonやPyTorchの環境構築も、COLMAPの別途インストールも要りません。Windows・Linux・macOS向けのバイナリが配布されていて、展開してダブルクリックすればGUIが立ち上がります。
計算はVulkanで動くため、NVIDIAだけでなくAMD・Intel・AppleのGPUでも学習できます。開発はほぼ1人で行われていて、以前は「spirulae-splat」という名前でした。GUIは日本語にも対応しています。
8GBのVRAMで1,000万スプラットまで学習できる

学習を量子化してメモリを節約しているのが特徴で、球面調和(SH)3次の色情報を持つガウシアンを、8GBのVRAMで最大1,000万個まで扱えるとしています。学習の方式はMCMC・IGS+・MRNFという既存手法の長所を組み合わせたもので、フローター(宙に浮いたゴミ)が少なく、小物から広い空間まで同じ設定で対応できるとしています。
360度カメラの映像を変換せずにそのまま使える

魚眼や正距円筒(エクイレクタングラー)のパノラマをネイティブに扱えるので、360度カメラの映像を歪み補正せずに読み込んで学習できます。9月の更新ではGoPro .360、Insta360のinsp・lrvの形式にも対応し、デュアル魚眼のカメラ向けにリグ拘束を使ったSfMも入りました。
SfMもマスクもアプリの中で済む

動画からのフレーム切り出し、GPUで動くSfM、AIマスクまで内蔵しています。マスクはMetaのSAMを使い、テキストで対象を指定したり、魚眼の縁を落としたりできます(SAMのモデルは初回に取得し、ライセンスはMeta側のものになります)。公式の作例では、ノートPC向けのRTX 5070で5,414枚の画像のSfMを40分で終えています。
9月10日の更新からは、写真や動画に入っているセンサー情報からスケールと向きを復元するようになり、再構築の結果が大きすぎたり傾いたりする問題に対処しています。
撮影中に明るさが変わっても色がずれにくい

露出やホワイトバランスの揺れは、手を加えたバイラテラルグリッドとPPISPで補正します。色が転んだり暗く沈んだりせずに品質を上げられるとしています。
テクスチャ付きメッシュに変換して比べられる

学習した3DGSからメッシュを作れます。複数のモデルをドラッグ&ドロップして並べて比較することもできます。ほかに深度・法線の出力、スカイボックス(背景)のモデル化、リニア・広色域の色空間などにも対応しています。
v2026.9.24で加わったこと
- 3DGS、疎な点群、メッシュの編集機能(実験的)
- 静止画・動画のレンダー書き出し
- マスクの手動修正と、フレームの固定位置に使う手描きマスクの保存・読み込み
- 繰り返しの多い連続画像でのSfMの改善、魚眼の縁の検出の改善
- 動画から全フレームを切り出すオプション(fpsに0を指定)
- エージェント向けのMCPサーバー
4日前のv2026.9.20でも、既存の3DGS(PLY)からの続きの学習、データセット作成とメッシュ化のプリセット・一括処理、RGBA画像での学習などが追加されています。
使った人の反応
STUDIO DUCKBILLのダックビル氏は、カメラのアライメント、マスク、法線推定、3DGSの学習まで一気通貫で、軽くて速いと書いています。360度カメラのOsmo 360で撮ったOSVファイルを直接入れて、SfMから3DGSまで通せたそうです。作例の動画も公開しています。
メタセコイアの開発元tetrafaceのアカウントも、デフォルト設定のまま生成した結果を投稿しています。100万スプラットにしては出来がいい、という感想です。
どちらも、設定を詰める前の段階でここまで出ている、という受け止め方です。
価格・入手先
| 価格 | 無料 |
| 対応OS | Windows / Linux / macOS(Apple Silicon) |
| ライセンス | GPL-3.0 |
| 作者 | harry7557558 |
| 入手先 | GitHub(Releases) |
GPUはNVIDIA・AMD・Intel・Appleに対応しています(配布版はVulkan。CUDA版はソースからのビルドのみ)。ソースからのビルド手順とクラウドGPU向けのコマンドラインの使い方はGitHubのREADME、学習済みのスプラットはSuperSplatのユーザー作例で見られます。
管理人のひとこと
背景の仕事でロケハンの写真を撮ってきても、実際に見返すのは数枚で、空間の奥行きや物の位置関係は結局うろ覚えで組むことが多いです。動画を1本撮っておけばメッシュまで起こせるなら、レイアウトのあたりに置く参考として使えそうです。
8GBのVRAMで1,000万スプラットという数字は、ちょうど手元がその容量なので気になりました。3DGSは環境構築の手間が先に立つ印象だったので、展開して起動するだけというのは試すハードルが低いです。



コメント