Blender Fes 2026 AW|9/26・27にオンライン開催、全16セッションの登壇者が発表

Blender

Blenderユーザー向けの技術交流イベント「Blender Fes 2026 AW」が、2026年9月26日(土)・27日(日)にオンラインで開催されます。主催はCGWORLD(ボーンデジタル)。全16セッションのタイムテーブルと登壇者が公開され、前売券の販売が始まっています。

両日とも10:00から19:45まで、60分のセッションが1日8本。アニメルックやシェーディングといった制作技法の回から、リギング、エフェクト、モーショングラフィックス、3Dプリントやアドオン紹介まで題材が散らばっています。

開催概要

項目内容
開催日2026年9月26日(土)〜27日(日) 10:00〜19:45
形式オンライン(ライブ配信)
セッション数全16(各日8本・1本60分)
参加費前売券 4,000円(税別・税込4,400円)
当日券 5,000円(税別)
前売の締切9月25日(金)23:59
アーカイブあり。チケット購入者限定・視聴期間6か月
参加対象これから3DCGを始めたい方、スキルアップしたい方
主催CGWORLD/ボーンデジタル

視聴URLは申込時のメールアドレス宛に送られます。前売で申し込んだ場合は9月26日8:00までに届く案内です。当日券は注文から発券まで最大30分かかることがあると書かれています。

16セッションのタイムテーブルと登壇者の一覧は、公式サイトが時間軸とDAY1・DAY2を横に並べた表で見せていて分かりやすいので、そちらを見てください。この記事では、その一覧だけでは分からないところをまとめます。登壇者が普段どんな作品を出しているのか、当日までに何を見ておけるのか、というあたりです。

アニメ寄りの4本は、扱う作品がそれぞれ違う

16本のうち、アニメ寄りのセッションは4本です。4本とも、話に出てくる作品が別々で、担当している工程もCG背景・シェーディング・ルック・アクションの演出と分かれています。順に見ていきます。

『超かぐや姫!』のCG背景(中尾陽子氏・草間徹也氏・高橋舞氏)

中尾陽子氏・草間徹也氏・高橋舞氏「Blenderで作る『超かぐや姫!』のCG背景」(画像: Blender Fes 2026 AW 公式サイト / ©ツインエンジン・コロリドパートナーズ)
中尾陽子氏・草間徹也氏・高橋舞氏「Blenderで作る『超かぐや姫!』のCG背景」(画像: Blender Fes 2026 AW 公式サイト / ©ツインエンジン・コロリドパートナーズ)

『超かぐや姫!』は2026年1月22日にNetflixで世界独占配信され、劇場でも上映された長編です。仮想空間「ツクヨミ」を舞台にした音楽アニメーションで、監督は山下清悟氏(公式サイトによると初の長編監督作品)、アニメーション制作はスタジオコロリドとスタジオクロマトです。

公式の予告映像がこちらです。

作品公式のスタッフ表には「CG背景 草間徹也(キューンプラント)」とあります。本編を担当した本人が話す回です。登壇は背景美術デザイナー・3DCGアーティスト・3DCGテクニカルアーティストの3名で、職種の違う3人が並びます。

キューン・プラントは2D・3Dの美術背景を専門にする会社で、『メダリスト』1期や『うるわしの宵の月』にも参加しています。

セッションの中身は、会社の公式アカウントが先に明かしています。

『砂塵ノ中デ』のシェーディング(三縁エイト氏)

三縁エイト氏「絵作りと効率を両立させる、キャラクターシェーディング技法」。自主制作アニメ映画『砂塵ノ中デ』のメイキングとして扱われる(画像: Blender Fes 2026 AW 公式サイト)
三縁エイト氏「絵作りと効率を両立させる、キャラクターシェーディング技法」。自主制作アニメ映画『砂塵ノ中デ』のメイキングとして扱われる(画像: Blender Fes 2026 AW 公式サイト)

三縁エイト氏の回は、自主制作アニメ映画『砂塵ノ中デ/Dust of the Simulacrum』のメイキングとして扱われます。作品公式によるとBlenderを使って「ほぼ一人」で映像を制作した、崩れゆく仮想世界を舞台にしたSFアクションで、ファンタジア国際映画祭の今敏賞にノミネート。2026年内に劇場上映が予定されています。

ほぼ一人といっても映像の話で、三縁氏本人によると音響は10人以上のチームで仕上げたとのことです。セッション名が「絵作りと効率を両立させる」となっているのは、この作り方が前提にあるからだと思われます。同じセルルックでも、人手をかけずに画を持たせる方向の話になりそうです。

アニメルックのつくりかた(炭猫べべ氏)

炭猫べべ氏「アニメルックのつくりかた」のセッションビジュアル(画像: Blender Fes 2026 AW 公式サイト)
炭猫べべ氏「アニメルックのつくりかた」のセッションビジュアル(画像: Blender Fes 2026 AW 公式サイト)

炭猫べべ氏はBlenderでアニメを作るCGクリエイターで、「インディーアニメから映画を目指して」を掲げています。自主制作アニメを自身のYouTubeチャンネルで公開していて、1年に1〜2本のペースで短編を出し続けているのが特徴です。

公開されているのは「私のいばしょ/Where I Belong」(3分11秒)、「光を求めて/The Sun」(4分37秒)、そして直近の『ルナと猫のミミ/Luna & Mimi』(3分31秒)の3本。4本目にあたる新作ではなく、すでに完成させた短編がどう作られたかを聞ける回になりそうです。

「キレ」を意識したアクション演出(龍村某氏)

龍村某氏「『キレ』を意識した2Dアニメ的アクション演出」(画像: Blender Fes 2026 AW 公式サイト)
龍村某氏「『キレ』を意識した2Dアニメ的アクション演出」(画像: Blender Fes 2026 AW 公式サイト)

龍村某氏は「たつむらなにがし」と読みます。Blenderで自主制作アニメを作っているフリーランスの3Dアニメーターです。

Colosoでセルルックのアクションを扱う講座も出しています。「Stylized Action in Blender: Crafting a Bold Cel-Shaded Look」といって、全23本・20時間51分。限られた枚数のアニメーションの基礎から、動きの速度の制御、武器を使ったアクション、複数キャラクターのアクション、カメラワークとエフェクトまでを扱う内容です。今回のセッション名「『キレ』を意識した2Dアニメ的アクション演出」と、そのまま地続きの題材といえます。

当日までに見ておけるもの

ここまでの4本は、登壇者側が普段からXやYouTubeで作品を公開しています。当日までに見ておけるものをまとめました。

セッション見られる場所中身
『超かぐや姫!』のCG背景キューン・プラント公式サイトの「3D背景サンプル集」
公式X @QUUNPLANT1
本編で使われた3D背動のBG素材ムービー4本と、制作環境・カット番号つきのクレジット
キャラクターシェーディング技法『砂塵ノ中デ』公式YouTube・公式X @sazin_no_nakade
三縁エイト氏本人 @eit_eiteighteen
70秒の予告編。本人の固定ポストによると映像はほぼ一人、音響は10人以上のチームで制作
アニメルックのつくりかた炭猫べべ氏のYouTube「炭猫ベベ Bebe Ch」
X @Sumineko_BeBe
自主制作アニメ。直近作は3分半の『ルナと猫のミミ/Luna & Mimi』
「キレ」を意識したアクション演出Colosoの講座ページ
X @nani_gassy
セルルックのアクションを扱う全23本・20時間51分の講座。セッションと同じ題材

とくにキューン・プラントは、『超かぐや姫!』本編で使われた3D背動の素材ムービーを4本、公式サイトで公開しています。制作環境やカット番号つきのクレジット、アセットの管理方法まで添えられていて、セッションの予習としてはこれ以上ない材料です。

中身は「超かぐや姫! 3D背景サンプル集」で直接見られます。

どの回も、話に出てくる作品を先に見ておけるだけで受け取り方が変わります。予習してから当日に臨めるイベントはそう多くありません。

この4本以外で気になったセッション

残る12本から、中身が気になったものを挙げておきます。

ボーン1本から始めるキャラクターリギング(minusT氏)

minusT氏「ボーン1本から始めるキャラクターリギング」(画像: Blender Fes 2026 AW 公式サイト)
minusT氏「ボーン1本から始めるキャラクターリギング」(画像: Blender Fes 2026 AW 公式サイト)

リグはAuto-Rig Proのようなアドオンで組むのが早いのですが、このセッションはボーン1本から始めると題されています。アドオンが裏で何を作っているのかを追える回になりそうで、普段アドオン任せにしている側からすると、そこが一番知りたいところです。

minusT氏はYouTubeチャンネル「minusT」を運営していて、Colosoの講座ページによると3D制作歴16年、チャンネルの累計再生は3,000万PV。「大・東方Project展 2023」の動画制作も手がけています。Colosoでは「キャラクターの幅を広げるBlenderのシェーダーノードスキル」(全25講・13時間47分)を出しています。

<第7回>3D人と選ぶ、注目のBlenderアドオン!

<第7回>3D人と選ぶ、注目のBlenderアドオン!(画像: Blender Fes 2026 AW 公式サイト)
<第7回>3D人と選ぶ、注目のBlenderアドオン!(画像: Blender Fes 2026 AW 公式サイト)

毎回のアドオン紹介枠です。3D人氏・ますく氏・涌井嶺氏(MC)に加えて、今回はLand-Y氏が入ります。

Land-Y氏は「Softimage|XSI道場」で知られた方です。現在は「Blender道場」(cveld.net)としてBlender向けのツールを作っていて、cvELD名義でリギング・スキニング系のアドオンをBOOTHやGumroadで販売しています。「cvELD Quick Rig」「cvELD Quick BBone」「cvELD SkinWeights」などがそれです。BlenderからではなくXSI側から来たテクニカルアーティストという背景があるので、アドオンの選び方の目線が他の3人と違うかもしれません。

ノードで楽しむモーショングラフィックス表現(cerbalance氏)

cerbalance氏「ノードで楽しむモーショングラフィックス表現」(画像: Blender Fes 2026 AW 公式サイト)
cerbalance氏「ノードで楽しむモーショングラフィックス表現」(画像: Blender Fes 2026 AW 公式サイト)

肩書きはMotion Designer / Supervisor。Blenderのノードでモーショングラフィックスを組む回です。ジオメトリノードの実用例としても見られそうで、アニメの本編作業とは離れますが、ロゴやタイトル周りを自前で作りたいときの引き出しになりそうです。

エフェクトを作ろう(牛乳瓶氏)

牛乳瓶氏「エフェクトを作ろう」(画像: Blender Fes 2026 AW 公式サイト)
牛乳瓶氏「エフェクトを作ろう」(画像: Blender Fes 2026 AW 公式サイト)

牛乳瓶氏はフォトリアルを中心に手がけるフリーの3DCGデザイナーです。2026年1月には星街すいせいさんの楽曲「月に向かって撃て」にCGデザイナーとして参加(監督は二子石和耶氏)。2024年にはblender Meetup Sapporoで、レンダリング設定まで踏み込んだ登壇もしています。BOOTHやGumroadでも制作物を公開しています。

開催記念の講座も期間限定販売

開催に合わせて、特化型のBlender講座「Blender Fes Extra」6本が期間限定で販売されています。マテリアルノード、ジオメトリノード(2種)、リギング、3D衣装、コンポジットという構成で、イベント本編のチケットとは別売りです。

チケットの購入と最新情報はBlender Fes 2026 AW 公式サイトから確認できます。

管理人のひとこと

アニメ寄りが4本あって、担当している工程がそれぞれ違うのが今回の並びです。CG背景、シェーダーと効率、ルックの作り方、アクションのタイミング。セルルックを「絵柄の話」で片づけていない構成で、どれか1本だけ見るよりまとめて見たほうが噛み合いそうです。

個人的に一番気になっているのはリギングの回です。普段はアドオンでリグを組んでしまうので、ボーン1本から組み立てる話を聞けば、アドオンが裏で何をやっているのかが見えてくるかもしれません。アドオン紹介の回にXSI出身のLand-Y氏が入っているのも、選ぶ基準が他の3人と違いそうで気になります。

今回は、セッションを一覧でなぞるのではなく、アニメ寄りの回と登壇者の方を掘って書いてみました。何があるかは公式サイトのタイムテーブルを見れば分かるので、その人がどんな作品を作ってきたのか、当日までに何を見ておけるのか、というあたりを拾っています。アーカイブも6か月あるので、土日が埋まっていても後から追えます。

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