MacBlend|ColorCheckerで色を揃える無料Blenderアドオン

Blender

撮影素材に写したカラーチャートを読んで、Blenderの中でカラーマッチングを済ませてしまう無料アドオン「MacBlend」が、Blender Extensionsで公開されています。作者はManuel Houben氏。2026年9月3日にバージョン3.1.1が出ました。

対応はBlender 4.2 LTS以降、ライセンスはGPL v3以降です。

MacBlendとは

実写素材の中に写り込んだMacbeth ColorChecker(24パッチのカラーチャート)を手がかりに、その素材の色を目標のカラースペースへ揃えるための変換を計算するアドオンです。計算の中身は3×3のマトリクスで、入力を指定したカラースペースのガモットに合わせます。

出来上がった変換の受け取り方は2通りあります。コンポジターやシェーダーエディターにノードとして生成するか、.cube形式のLUTとして書き出すかです。前者はBlender内で完結し、後者は他のアプリへ持ち出せます。

チャートに枠を合わせてサンプリングする

作業の起点は画像エディターです。素材を読み込んでカラースペース(IDT)を選び、「Show Overlay」でチャート用のオーバーレイを出して、画像の中のチャートに重なるよう位置を合わせます。

画像エディターに表示したカラーチャートに、MacBlendのオーバーレイの枠を重ねて位置合わせしているところ(画像: Manuel Houben)
オーバーレイの四隅を動かして、画像の中のチャートに合わせる(画像: Manuel Houben)

枠を合わせたらパッチのサイズを調整します。ドキュメントでは、サンプリング用の四角が画像側のカラーパッチの内側に十分収まる大きさにしてから「Sample Chart!」を押す、という手順になっています。パッチの境界を拾ってしまうと値が濁るためです。

ここで2枚目の素材にも同じことをしておくと、素材どうしの変換が作れます。公式が例に挙げているのは、HDRIをカメラ素材に合わせる場合と、カメラAをカメラBに合わせる場合です。

変換をノードとして生成する

次はコンポジターかシェーダーエディターに移ります。MacBlendのNパネルでソース画像を選び、変換に名前を付けて「Forward」か「Inverse」を押すと、対応するノードが作られます。素材どうしの変換にしたいときは「Use reference values as target」のチェックを外して、2枚目をターゲットに指定します。

コンポジターに開いたMacBlendのNパネル。ターゲットにACEScgを選び、算出された3×3マトリクスの数値が下に並んでいる(画像: Manuel Houben)
ターゲットをACEScgにしたときのパネル。算出されたマトリクスの値がそのまま表示される(画像: Manuel Houben)

パネルには算出されたマトリクスの数値が並びます。ターゲットのガモットは「Auto-detected」でシーン側から拾う作りで、拾えなかった場合は「Couldn’t detect target gamut from scene」という表示が出ます。公式はこのとき、Blenderのバージョンやカラーマネジメント設定、OCIOの状況を添えてバグ報告してほしいと案内しています。

.cube LUTとして書き出す

同じパネルの「Export LUTs」から、順方向と逆方向を対にした.cubeファイルを書き出せます。書き出し先のフォルダを選ぶために、拡張機能としてはファイルへのアクセス権限を要求します。

なお公式ドキュメントは「Method and Limitations」という節を立てていて、シーンリニアのデータ・正しい入力トランスフォーム・チャートを撮った条件の3つが揃っていることが前提だと書いています。チャートが写ってさえいれば何とかなる、という道具ではありません。

3.1.1の主な変更点

9月3日の3.1.1は、ノードの作り直しをしなくて済むようにする更新です。

  • 既存ノードの更新 すでに置いてあるColorMatrixノードとExposureノードを、作り直しや繋ぎ直しをせずに更新できるように
  • 警告ダイアログの追加 問題になりそうな箇所を知らせて、対処の道筋を示す
  • 作った変換の挿入位置 ノードを選んだ状態で変換を作ると、選択ノードの後ろに繋がる。出力がすでに使われていれば2つのノードの間に割り込む。複数選んだときは最後尾のノードのImage出力が基準
  • 配置の調整 新しいノードが、表示中のエディター領域の中に作られるように
  • 描画バグの修正 Blender 4.2で動作が重くなることがあった問題を修正

価格・入手先

価格無料
対応バージョンBlender 4.2 LTS以降
ライセンスGNU General Public License v3.0 以降
作者Manuel Houben
入手先Blender Extensions

使い方の詳細とトラブルシューティングは公式ドキュメントにまとまっています。

管理人のひとこと

うちの仕事ではカラーチャートを撮る機会がそもそも少ないので、アニメの現場ではあまり使わないツールかもしれません。

ただ、実写と合成するVFXの現場では便利なやつだと思います。撮影のときにチャートを1枚写しておくだけで、あとの色合わせを目分量でやらずに済みます。この手の処理はNukeやDaVinci側でやるものだと思っていたので、Blenderの中で片付くのはどのくらい楽になるんでしょうね。

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