CozyBlanket Pro|AIが次の面を提案するリトポアプリに、Windows・Mac版が登場

Windowsのデスクトップで開いたCozyBlanket Proの画面。カエルのハイポリに、色分けしたループのローポリを張っている途中 CG全般

Sparseal(@sparseal)が、リトポロジー・UV展開・ベイクを1本で行うアプリ「CozyBlanket Pro」のデスクトップ版を11月3日に公開しました。10月に出たiPad版に続いて、WindowsとmacOSで使えるようになりました。アプリのダウンロードは無料で、保存と書き出しには買い切りのライセンスを購入します。

CozyBlanket Proとは

SparsealはPablo Dobarro氏とJoan Fons氏によるCGツールの開発元です。CozyBlanket Proはハイポリのメッシュからリトポでローポリを作り、UVを展開して、法線マップなどをベイクするまでを1本で行うアプリです。リトポとUV展開では、端末の中で動くAIが次に張る面やシームの入れ方を提案します。AIのモデルはオフラインで動き、Sparsealは制作データを端末の外に送らないとしています。学習には合成データだけを使っています。

上は、iPad版の公開に合わせてSparsealが出した約13分の紹介動画です。リトポ・UV展開・ベイクの流れと、主なツールを順に見せています。

次に張る面を、AIが提案してくれる

CozyBlanket Proでは、ハイポリと途中まで張ったローポリの両方をAIが読み取り、次に張る面の候補をその場で表示します。候補を採用しながら面を張っていけるので、新しいツールやジェスチャーを覚える必要はないとSparsealは説明しています。

AIが出した候補を採用しながら、面を張っていく(動画:Sparsealより)

埋めにくい穴も、ループの回し方まで考えて埋められる

四角ポリゴンだけでは埋めにくい複雑な穴も、AIがループの回し方とポールの位置を考えて埋めます。

四角ポリゴンで埋めにくい穴を、ループの回し方まで考えて埋める(動画:Sparsealより)

描いた線のとおりに、エッジフローを直せる

メッシュの上にガイド線を描くと、エッジフローがその線に沿うように候補が変わります。大きな流れの変更から四角ポリゴン1枚ぶんの調整まで、描いた線に合わせて結果がすぐに更新されます。

描いたガイド線に沿って、エッジフローが変わる(動画:Sparsealより)

1面ずつ、手でも張れる

AIの候補を使わずに、手で面を張るためのツールもそろっています。

  • Precision PolyBuild:点を置いて面を張る、四角ポリゴンをドラッグする、辺をドラッグする、の3通りで面を作る。頂点・辺・面の中心へのスナップを設定できる
  • ポリゴン編集:選んだ頂点・辺・面を編集する。エッジループの挿入、ディゾルブ、スライド、ナイフ、Nゴンに対応
  • 多軸のシンメトリー:オブジェクトの原点と回転を決めて、任意の軸で対称に編集できる。スナップ、Relax、Moveも対称のまま使える
  • ビューポート:数百万ポリゴンのメッシュ向け。ループの流れを示すタグ、部分表示、頂点カラー表示に対応
ハイポリの上に点を置き、Buildツールで四角ポリゴンを1枚ずつ張っている画面
点を置いて、面を1枚ずつ張るPrecision PolyBuild(画像:Sparsealより)

シームの入れ方も、AIが提案してくれる

UV展開では、3Dビューポートの上で直接シームを入れ、UVを動かせます。AIがシームの位置を提案し、モデルに合うものを選んで採用できます。

AIが出したシームの候補を採用していく(動画:Sparsealより)

数千のアイランドを、GPUで詰められる

パッキングはGPUで処理します。アイランドが数千個あっても、配置の組み合わせを大量に試して詰めていきます。手で配置したいときは、トランスフォームケージ、範囲を決めたパッキング、グリッド状の自動配置を使えます。UVの機能はリトポやベイクとは別に単体でも使え、作ったレイアウトを書き出してほかのソフトに持っていけます。

大量のアイランドをGPUで詰めていく(動画:Sparsealより)

法線・AO・頂点カラーをベイクできる

ベイクできるのは、頂点カラー、ノーマルマップ、アンビエントオクルージョンです。複数のUVセット、UDIM、自作のベイクケージ、ハイポリとローポリの組み合わせの指定に対応しています。

  • カスタム法線:シャープエッジとスムーズエッジを決めて、タンジェント空間のノーマルマップに反映する
  • ベイクケージ:専用のケージメッシュを使い、ベイクするときのレイキャストの精度を上げる
  • UDIM:UVを複数のタイルに自動で振り分け、標準の命名規則で書き出す
  • ビューポートでの確認:マップとジオメトリを1つずつ表示し、ハイポリとローポリを並べて見比べる
画面を左右に分け、左にベイクしたマップ、右にローポリのワイヤーフレームを表示したカエルの頭
ビューを分けて、ベイクしたマップとメッシュを並べて確かめる(画像:Sparsealより)

キャラクター1体を、1つのファイルで扱える

1つのファイルに複数のオブジェクトとテクスチャを入れて、キャラクターや背景を丸ごと扱えます。アウトライナーでオブジェクトのソロ表示や非表示を切り替え、シーン全体とオブジェクトごとの統計を確認できます。複数のオブジェクトを1枚のUVレイアウトに展開して詰めたり、複数のテクスチャセットを一度にベイクしたりもできます。書き出しはオブジェクトごとのメッシュ、シーン全体、パック済みのテクスチャ、UDIMから選べます。

アウトライナーでオブジェクトを選び、ソロ表示を切り替える(動画:Sparsealより)

Sparsealのほかの製品やデスクトップのDCCツールとシーンをやり取りする「Bridge」も、近日公開と案内されています。Sparsealによると、同じ端末の中のほか、ローカルネットワーク経由でもシーンを送れます。

価格・入手先

価格無料(デモ版・保存と書き出しなし)/ インディー $90 / スタジオ $180(いずれも買い切り)
クーポンCBPRORELEASE(デスクトップ版・発売から1週間20%オフ)
対応OSWindows / macOS(iPad版はApp Storeで別売)
作者Sparseal
入手先公式サイト / App Store(iPad版)

デスクトップ版はダウンロードしたアプリで全機能を試せますが、保存と書き出しはできません。ライセンスを購入すると、アプリの中で保存と書き出しが使えるようになります。ライセンスは無期限で1年間のアップデートが付き、1つのライセンスで2台までアクティベーションできます。インディーは年間売上10万ドル未満かつ従業員10人未満の事業者が対象です。それ以外はスタジオで、1シート$180のフローティングライセンスも選べます。

デスクトップ版のライセンスはApp StoreのiPad版とは別に購入します。動作環境は公開されておらず、購入前にデモ版でパフォーマンスとハードウェアの互換性を確かめるよう案内されています。11月3日の告知では、発売から1週間はコード「CBPRORELEASE」を購入時に入れると20%オフになります。

管理人のひとこと

10月にiPad版を紹介したときに気になっていたデスクトップ版が、1か月足らずで出ました。デモ版でも保存と書き出し以外はすべて使えるので、手元のハイポリを読み込んで、自動補完がどこまで面を張ってくれるかを試すだけならお金はかかりません。

Bridgeはまだ準備中なので、3ds MaxやBlenderとのやり取りは、しばらくファイルの書き出しと読み込みになります。シーンをそのまま送れるようになれば、リトポとUVだけをこちらで済ませる使い方もしやすくなりそうです。

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