CozyBlanket Pro|次に張る面をAIが提案する、iPadのリトポ・UV・ベイクアプリ

CG全般

iPad向けのリトポロジーアプリ「CozyBlanket」を作ってきたSparsealが、2026年10月10日、後継のCozyBlanket ProをApp Storeで公開しました。リトポロジー、UV展開、テクスチャのベイクを1本で行えます。目玉はリトポの自動補完です。ハイポリと途中まで張ったローポリをAIが読み取り、次に張る面の候補をその場で表示します。

AIモデルはiPad上で動くので、オフラインでも使えます。データが端末の外に送られることもありません。開発元による公開時の紹介動画がこちらです。

CozyBlanket Proとは

Sparsealは、Pablo Dobarro氏とJoan Fons氏によるCGツールの開発元です。CozyBlanket Proは初代CozyBlanketのアップデートではなく、ツールもファイル形式もライセンスも別の新しい製品です。初代はApp Storeでの販売を終えましたが、購入済みの人は購入履歴から再ダウンロードでき、保守のアップデートも続くと案内されています。

トポロジーを予測するAIとUV展開のアルゴリズムは自社開発で、既存のライブラリや他社のAIサービスは使っていないとのことです。学習には合成データだけを使っています。

AIが次の面を提案するリトポ

ハイポリとローポリの両方を解析して、次に張る面の候補をリアルタイムで表示します。専用のツールやジェスチャーを覚える必要はなく、候補を採用しながら面を張っていけます。

  • 穴埋めとループ:四角形で埋めにくい穴を、ループの回し方とポールの位置まで考えて埋める
  • ガイド線:メッシュの上に線を描くと、エッジフローがその向きに沿う。大まかな流れから四角形1枚ぶんまで、描いた線に合わせて結果がすぐ変わる
四角形のローポリに空いた穴が、ループの回し方を変えながら四角形で埋まっていくCozyBlanket Proのデモ
四角形で埋めにくい穴を、ループの回し方まで考えて埋める(画像:Sparsealより)

線を描き足すたびに、張られる面の流れが描いた線に沿って変わります。

頭部のメッシュに白いガイド線を描くと、張られる面の流れが線に沿って変わっていくCozyBlanket Proのデモ
描いたガイド線に沿ってエッジフローが変わる(画像:Sparsealより)

10月12日には、ガイド線でエッジフローを修正するデモ動画も公開されています。

手作業でリトポするためのツール

補完を使わずに、1面ずつ手で張るためのツールもそろっています。

  • Precision PolyBuild:点を置いて面を張る、四角形をドラッグする、辺をドラッグする、の3通りで面を作る。頂点・辺・面の中心へのスナップを設定できる
  • ポリゴン編集:頂点・辺・面を選んで編集。エッジループの挿入、ディゾルブ、スライド、ナイフ、Nゴンに対応
  • 多軸のシンメトリー:任意の軸で対称にでき、原点と回転も設定できる。スナップ、Relax、Moveも対称のまま使える
  • ビューポート:数百万ポリゴンのメッシュ向け。ループの流れを示すタグ、部分表示、頂点カラー表示、遮蔽のしきい値の自動検出
頭部のハイポリの上でローポリの面をオレンジ色に選択し、編集しているCozyBlanket Proの画面
選んだ頂点・辺・面を編集するポリゴン編集のツール(画像:Sparsealより)

シームの入れ方もAIが補完するUV展開

シームは3Dビューポート上で直接入れられ、UVの移動もそのまま行えます。AIがシームの位置を提案し、採用するかどうかを選べます。途中まで入れたシームのパターンを読み取って、メッシュの残りの部分にも同じパターンでシームを入れる機能もあります。

チェッカー模様を貼ったメッシュに、オレンジ色のシームが候補として入っていくCozyBlanket Proのデモ
AIが出したシームの候補を採用していく(画像:Sparsealより)

途中まで入れたシームから続きを補完する様子は、10月10日に公開された動画で見られます。

パッキングはGPUで処理し、アイランドが数千個あっても大量の配置パターンを試して詰めます。手で詰めるためのトランスフォームケージ、範囲を指定したパッキング、グリッド状の配置も用意されています。UVの機能はリトポやベイクとは別に単体で使えて、作ったレイアウトを書き出してほかのソフトに持っていくこともできます。

色分けされた大量のUVアイランドが、正方形のUV領域に次々と詰め込まれていくCozyBlanket Proのデモ
大量のアイランドをGPUで詰めていく(画像:Sparsealより)

法線・AO・頂点カラーのベイク

ベイクできるのは頂点カラー、ノーマルマップ、アンビエントオクルージョンです。複数のUVセット、UDIM、自作のケージ、ハイポリとローポリの組み合わせの指定に対応しています。

  • カスタム法線:シャープとスムーズのエッジを扱い、タンジェント空間のノーマルマップに反映
  • ベイクケージ:専用のケージメッシュを使い、レイキャストの精度を上げる
  • UDIM:タイルへのUVの振り分けを自動で行い、書き出し時は標準の命名規則に従う
  • ビューポートでの確認:マップとジオメトリを1つずつ表示し、ハイポリとローポリを並べて見比べる
青緑のキャラクターを左右2つのビューに並べ、右側にだけワイヤーフレームを重ねた画面
ビューを分けて、メッシュとマップを並べて確認できる(画像:Sparsealより)

キャラクター1体をまとめて扱う

1つのファイルに複数のオブジェクトとテクスチャを入れて、キャラクターや背景を丸ごと扱えます。アウトライナーでソロ表示やミュートを切り替え、オブジェクトごととシーン全体の統計を確認できます。複数のオブジェクトを1枚のUVレイアウトに展開して詰め、複数のテクスチャセットを1回でベイクすることもできます。書き出しはメッシュ単体、シーン全体、パック済みのテクスチャ、UDIMから選べます。

無線機のモデルを構成する複数のオブジェクトを、右のアウトライナーで選んだりソロ表示にしたりしているCozyBlanket Proのデモ
アウトライナーでオブジェクトを選び、ソロ表示を切り替える(画像:Sparsealより)

Sparsealのほかの製品やデスクトップのDCCツールとシーンをやり取りするBridgeも準備中です。同じ端末内のほか、ローカルネットワーク経由でもやり取りできるとされています。

価格・入手先

価格無料(保存・書き出しなし)/ 保存・書き出しの解放 15,000円(App内課金・買い切り)
対応OSiPadOS 18.6以降(Apple Pencil必須)
作者Sparseal
入手先App Store

無料のダウンロード版で全機能を試せますが、保存と書き出しはできません。App内課金で保存と書き出しが解放され、iPad版の永続ライセンスが手に入ります。サブスクリプションではなく買い切りです。App Storeの説明では、描画・編集・ビューポートの操作すべてにApple Pencilが必要とされています。デスクトップ版は準備中です。機能の説明は公式サイトにまとまっています。

管理人のひとこと

初代のCozyBlanketは名前だけ知っていて、触ったことはありません。キャラクターのリトポは、3ds MaxならFreeformのStep Build、BlenderならPoly Buildで1面ずつ置いていくので、どちらのソフトでも肩や股関節まわりはループの回し方で手が止まりがちです。ガイド線を引くだけでエッジフローの候補を出し直してくれるなら、そこで悩む時間は減りそうです。

リトポ、UV、ベイクを1本で済ませる流れは、今月紹介したAlpaca3Dと同じ方向性です。こちらはiPadとペンで作業する形で、シームの入れ方までAIが候補を出してくれます。デスクトップ版やBridgeが出たら、3ds MaxやBlenderとどう連携できるのかが気になります。

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