Loopcutは、AIエージェントを組み込んだBlenderの派生版です。開発はspuice氏(GitHub: Samffprice)で、エージェントとBlenderのビルドはGPLのオープンソースとして公開されています。中身はBlender 5.2で、macOSとWindowsに対応しています。2026年10月10日に最初のベータ版0.2.0が出て、10月21日の0.2.7まで更新が続いています。ChatGPTのPlusかProのプランにサインインすれば、そのプランでエージェントを動かせます。自分のAPIキーやローカルのモデルでも使えて、その場合はLoopcut側の料金はかかりません。

書いたPythonを、実行する前に画面に出す
ビューポートの横にLoopcutのパネルがあり、そこに作業を文章で頼みます。Loopcutは開いているシーンを先に読むので、オブジェクトやマテリアル、コレクションを名前で把握したうえで作業します。作業の手順はBlenderのPython(bpy)で書かれ、実行する前に画面に表示されます。1手ずつ承認するか、その会話の間は確認なしで実行させるかを選べます。実行したあとは、ビューポートのキャプチャやレンダーで結果を確かめ、何を変えたかを報告します。途中で失敗したときはエラーの内容が画面に出て、次の手順でそれを直します。
シーンを変えるたびにチェックポイントを残す
シーンに手を入れたやりとりは、1回ごとにチェックポイントになります。パネルには追加・名前変更などの変更点が一覧で出て、「Keep」で残すか、「Undo all」でシーンと会話の両方をその前の状態に戻すかを選べます。

頼める作業
公式サイトでは、次のような作業を例に挙げています。
- 名前付けと整理: マテリアルに合わせたオブジェクトの名前変更、ライトを専用のコレクションへ移動
- マテリアル: 「椅子に濃い木のマテリアル、クッションは青に」のような割り当て
- ライブラリのアセット: Poly Haven、BlenderKit、Poly Pizza、自分のアセットライブラリから検索して読み込み
- ライトとカメラ: 「ボトルの周りに3点照明、目の高さに50mm」のような配置
- レンダーと出力: Cyclesのサンプル数やデノイズ、連番のEXR書き出しなどの設定
- まとめての作業: コレクション内のマテリアルを同じカメラで1枚ずつレンダー
参考写真を添付して「この写真の椅子に寄せて」と頼むこともでき、Loopcutは写真の内容を説明してから、シーンの中で近づけていきます。作業はBlenderのPythonとライブラリのアセットで行い、メッシュやテクスチャ、画像は生成しない、と開発側は説明しています。画像の生成や画像からの3Dモデル作成は有料のクラウドサービスとして別に用意されていて、頼んで生成をオンにしたときだけ使われ、生成したものはシーンの中で分かるように印が付きます。
使うモデルと、会話のデータの扱い
エージェントを動かすモデルは、ChatGPTのプラン、OpenAI互換のAPIキー、ローカルのモデル、Loopcutが用意するモデルから選べます。ChatGPTのプランで使う場合は、使った分がChatGPT側の利用枠から引かれます。自分のキーやローカルのモデルを使う場合、モデルへのリクエストはBlenderから相手先へ直接送られ、Loopcutのサーバーは通りません。
ただし0.2.6からは、共有をオフにしないかぎり、会話のログ(プロンプト、返答、ツールの呼び出し、エラー)がLoopcutに送られます。画像とAPIキーは含まれず、90日で削除され、AIの学習には使わないとしています。共有はアドオンの設定(プリファレンス → アドオン → Loopcut)からオフにできます。
価格・入手先
| 価格 | 無料 / Pro 月20ドル / Max 月60ドル |
| 対応OS | macOS(Apple Silicon)/ Windows |
| ライセンス | GPL-3.0 |
| 作者 | spuice(Samffprice) |
| 入手先 | 公式サイト / GitHub |
ChatGPTのプラン・自分のAPIキー・ローカルのモデルで使うぶんには、Loopcutのプランは要りません。有料プランは、クラウドのサービス(RTX 4090でのクラウドレンダー、画像の生成、画像から3Dモデル、リメッシュ、音声、効果音など)に使うクレジットと、Loopcutのモデルの利用枠が増えるものです。無料のアカウントでも、クラウドサービス用のクレジットが毎月100(1ドル分)付きます。オープンソースになっているのはアプリとエージェントで、Webサイトとクラウドのサービスは対象外です。現在はベータ版です。
管理人のひとこと
AIにBlenderを触らせる話は、これまでMCPでチャットのアプリとつなぐ形をよく見かけました。Loopcutは本体に組み込んだうえで、実行する前にコードを見せて、手を入れるたびにチェックポイントを残すので、何をされたか分からないまま進む心配は少なそうです。
ライトの仮置きや、オブジェクトとマテリアルの名前の付け直しは、作業そのものは単純なのに時間を取られます。そういうところだけ任せて、モデリングは自分でやる、という使い方なら合いそうです。出てきたbpyを読んで、自分のスクリプトに流用するのにも使えますね。



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