株式会社バンダイナムコスタジオと東京工科大学の共同研究プロジェクトから公開されている、Unreal Engine向けの無料プラグイン「TrueHDRI Panel」が、2026年8月10日に更新されました。Fabの対応バージョン表記はUnreal Engine 5.3〜5.8で、価格は無料、ライセンスはCC BY 4.0です。
HDRIをそのまま置いただけでは、落ち影が出ない
GitHubのドキュメントでは、このプラグインが解こうとしている問題がはっきり書かれています。Unreal Engineのライティング環境にHDRIをそのまま投げ込んでも、ダイナミックレンジの高輝度な部分が活かされず、正しいレンダリングが行われない、という点です。
TrueHDRI Panelは画像の高輝度部分をSun lightとして解釈したHDRI環境を自動で生成します。そのため、パストレーシングを使わないLumen環境でも、HDRIの光源から落ち影などの計算ができるようになる、という仕組みです。
上の動画は東京工科大学の川島基展さんが公開しているv1.2.0の機能紹介で、パネルから光源環境を切り替える様子が1分にまとまっています。
平行光源にする/しないを用途で選べる

生成する光源環境は3通りから選びます。「With Directional Light」はしきい値を超える輝度をテクスチャから抜き取って平行光源化するもので、Lumen環境やライトマップを事前計算するゲームのランタイム向け。「Emissive Only」はテクスチャの輝度をそのままEmissiveとして使うもので、パストレーシング環境でのLook-Dev向けです。「Create Both」は両方を作ります。
平行光源化する輝度の範囲は、パーセンタイル・画像内の最低〜最大輝度のパーセント・平均〜最大輝度のパーセント・値の直接指定の4方式から選べます。ドキュメントによれば、平行光源化した場合は太陽光の明るさを抜いたテクスチャ(-NoSun)が元のEXRの隣に生成され、これは他のソフトウェアで同じ光源環境を組み直すのに使えるとのことです。
パネルから光源環境を差し替える
生成した光源環境は、トップバーのWindows > TrueHDRIPanelから呼び出すパネルの「Current Lighting Environment > Lighting Rig」で選ぶと、そのままレベルに反映されます。パネル経由で切り替えたときは、レベルにSky Lightアクターが無ければ生成され、Sky Light Recaptureも自動で行われます。

読み込むEXRはsRGBカラースペースに変換されたものを使い、テクスチャアセットのMip Gen SettingsをNoMipmapsにしておくよう案内されています。フィルタリングのかからない解像度で使うためです。
価格・入手先
配布はFabで、価格は無料。対応バージョンはUnreal Engine 5.3〜5.8、対応プラットフォームはWindows、ライセンスはCC BY 4.0です。Fab上の公開は2024年12月6日、最終更新は2026年8月10日となっています。
導入時はTrueHDRIPanelプラグインに加えてOpenCVプラグインが有効になっている必要があります。日本語の使用ドキュメントはGitHubのリポジトリにあり、2026年8月10日の更新では大容量のHDRIからLighting Rigを作成すると失敗する問題が修正されたと記載されています。研究プロジェクトそのものの情報はTrueHDRIのプロジェクトページにまとまっています。
管理人のひとこと
HDRIを入れたのに影が締まらない、という状態は身に覚えがあります。太陽にあたる部分を平行光源として切り出してしまう、という割り切り方は分かりやすく、ランタイム用とパストレース用を作り分けられるのも実務的だと思いました。
個人的にありがたいのは、平行光源化したぶんを差し引いた -NoSun テクスチャが一緒に出てくるところです。UEの外で同じライティングを組み直すときの手がかりになるので、DCC側でルックを合わせる作業とつながります。無料でCC BY 4.0、という配布条件も含めて、共同研究の成果がこの形で出てくるのは珍しいと感じました。



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