映像の中の明るい部分や動いている部分をかたまりとして検出し、その上にバウンディングボックスや輪郭線、座標ラベル、点と点を結ぶ線を描くAfter Effects向けプラグイン「AE Blob Tracker」が無料で公開されています。作者はKyle Sullivan氏で、GitHubのリリースはv1.2.0、公開日は2026年8月4日です。
スクリプトやエクスプレッションの詰め合わせではなく、ネイティブのエフェクトプラグイン1つに全部入っている形です。適用先はエフェクト→スタイライズ→Blob Trackで、パラメータはすべてキーフレームを打てます。
リリースページには、After Effects上でこのエフェクトを設定していく様子をそのまま収録したデモ動画も添付されています。パラメータを触ったときに検出と描画がどう変わるかは、こちらが分かりやすいです。
何をかたまりと見なすかを12通りから選ぶ

検出モードは、輝度の明るい側と暗い側、カラーキー、アルファ、動き、R/G/Bの各チャンネル、彩度の高い側と低い側、色相の範囲指定、エッジ検出の12種類です。しきい値と柔らかさ、速度と精度を振り分けるクオリティ、かたまりの最小・最大面積を指定でき、同時に扱える数は最大512です。
フレームをまたいでもIDが保たれる時間方向のトラッキングが入っていて、ジッターの平滑化も持っています。8/16/32bpcに対応し、マルチフレームレンダリングでも安全、同じフレームなら毎回同じピクセルが出る、と書かれています。
囲み方・結び方・ラベルの選択肢

ボックスの形は9種類で、矩形、角丸、ブラケット、クロップマーク、楕円、六角形、下線に加えて、シルエットの輪郭そのものをなぞる形と凸包があります。塗りはベタ、ハッチング、クロスハッチング。
点同士を結ぶ線は、順につなぐ、星形、総当たり、最小全域木、近いものからK個、ドロネー三角形分割、ボロノイ図の7通りです。ベジェか階段状かを選べて、破線・矢印・辺ごとの距離表示も付きます。ラベルはIDや座標、寸法、面積を、16進数やパーセント、データノイズ風のマトリクス表示で出せます。
かたまりの内側にだけエフェクトをかける
検出した領域の内側だけに、反転、色相回転、ポスタリゼーション、ブラー、モザイク、ブロックシャッフル、斜線ハッチ、タイムシフト、グリッチをかけられます。適用範囲はバウンディングボックスか、正確なシルエットかを選べます。
動きの付け方としては、境界線が流れるマーチングアンツ、回転するブラケット、スキャンの走査、ラベルのちらつき、新しく検出されたかたまりが弾けて出る演出が用意されています。ほかに速度ベクトル、検出数やフレーム番号を出すデータパネル、かたまりごとの面積メーターがあります。
価格・入手先
- 対応バージョン: After Effects 2025 / 2026
- 対応OS: Windows x64、macOS(Intel・Apple Siliconの両対応)
- ライセンス: 個人利用・商用利用とも無料。バイナリはクレジットを付ければそのままの形で再配布可。ソースコードは非公開
配布とインストール手順はGitHubのリリースページ、パラメータの全リストと作例設定はUSER_GUIDE.mdにまとまっています。
管理人のひとこと
初見のプラグインです。この手のHUD表現は、これまでだとトラッカーで点を取ってヌルに乗せて、シェイプを親子付けして…と手数がかかるところでした。検出から描画までを1エフェクトに畳んで、全部にキーが打てるという構成は分かりやすいです。
アニメの本編カットで使う場面はそう多くないと思いますが、PVやアイキャッチ、劇中のモニタ画面といった差し込みでは出番がありそうです。劇中モニタは「それらしく動いていること」が要件になりがちなので、ドロネーやボロノイで勝手に線が張られるのは都合がいい部分です。
ソースコードが非公開でバイナリのみという点と、署名されていない点は、スタジオの環境に入れる前に確認が要るところだと思います。



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