Cascadeur 2026.2|アニメーションレイヤーとイージング追加・UI日本語対応

CG全般

AI支援のキーフレームアニメーションソフト「Cascadeur」のバージョン2026.2が公開されています。目玉は、プロのアニメーターやスタジオから最も要望が多かったというアニメーションレイヤー(加算式)で、今回はアルファ版としての搭載です。あわせて補間のイージング制御が入り、UIが中国語・日本語・韓国語に対応しました。

2026.2の主な新機能

公式ブログが挙げている見出しは次の7つです。ひとつずつ見ていきます。

動きをレイヤーに分けて足し合わせられる(アルファ版)

Additive Animation Layersは、ひとつのオブジェクトの動きを複数の「レイヤー」に分けて持てる機能です。各レイヤーがそれぞれのアニメーションデータを保持し、複数を有効にするとそのデータが加算されてひとつの動きになります。

公式は「これはアニメーションレイヤーの最初のイテレーションで、今後のリリースで機能を追加していく」と明記しています。呼び出しはWindowメニューの Animation Layers からです。

WindowメニューのAnimation Layers項目
Windowメニューに追加されたAnimation Layers(画像: Cascadeur公式リリースノートより)

軌道の形を変えずに、速い遅いだけ調整できる

Easingは、補間された軌道上でフレームがどう分布するかを調整する機能です。ポイントは軌道の形はそのままに、指定した区間の動きだけを速くしたり遅くしたりできること。

使うにはタイムラインのEasingボタンを押します。するとタイムラインのインターバルにイージング用のコントロールが出るので、キーフレームの「重み」を変えて間隔を調整します。もう一度押せば非表示になり、選択中のキーフレームの重みは Reset easing weights to default ボタンで戻せます。

タンジェント操作でインターバル上のフレーム分布が変わる様子
軌道はそのままに、フレームの間隔だけが変わる(画像: Cascadeur公式リリースノートより)

UIが日本語で使えるようになった

Cascadeurのインターフェイスが中国語・日本語・韓国語に対応しました。切り替えはアプリケーション右上から直接行えます。公式は「今後のリリースでさらに言語パックを追加していく」としています。

画面右上にある言語切り替えのボタン
言語の切り替えは画面右上から(画像: Cascadeur公式リリースノートより)

AutoPosingが接地まわりで賢くなった

手と足が周囲の環境に正しく合うようになり、シーンのジオメトリに接触しているキャラクターのポーズが付けやすくなりました。四足歩行のAutoPosingも改善されています。AutoPosingとリターゲティングに使われるニューラルネットワークのメッシュ自体も更新されました。

AIと物理まわりの精度も上がった

InbetweeningとMotion Generation(旧Root Motion)が、より大きなデータセットで学習し直されて出力が良くなったとしています。Inbetweeningはキー間でスタイルを引き継ぐようにもなりました。

物理側では、Collision Penetration Cleaningが支点(Fulcrums)を考慮するようになり、地面とキネマティックコライダーが絡むAutoPhysicsのパスに標準で含まれるようになりました。

PythonとパイプラインまわりはPySideとBVHが大きい

Python APIではPySide/QMLを使って独自のUI要素を作れるようになりました。Python Stubファイルも追加され、Cascadeur側のPython APIモジュールでインテリセンスが効きます。

パイプライン側では、BVHファイルからのアニメーション読み込みがCommandsメニューに追加されました。ただし対応するのはアニメーションのみで、BVHの他の中身は現状サポート外。シーン全体を持ってくる場合は別の形式を使うようにと注意書きがあります。Unreal Engine 5.8向けのLiveLinkも更新されています。

その他の改善

  • ✓ 1つのメッシュに複数のマテリアルを使えるように(従来は1メッシュ1マテリアル)。Textureは非推奨になりMaterialへ
  • ✓ カメラ露出の設定を追加。ISO・シャッタースピード・絞りを調整できる
  • ✓ 簡易的なMCPサーバーへの対応をScriptsメニューに追加
  • ✓ Go to t-poseがPoint ControllerとJointにも対応(従来はBox Controllerのみ)
  • ✓ 現在フレームの前後で軌道の色を分けられる/Rigging Toolsのパフォーマンス最適化
Scene settingsに追加されたCamera exposureの項目
Scene settingsに加わったカメラ露出の設定(画像: Cascadeur公式リリースノートより)

価格・入手先

ライセンスは無料版を含む4段階です(公式サイトに日本円で表示される価格)。

プラン価格(年払い時の月額)条件
Free無料非商用のみ。書き出しはCASC形式のみで1シーン300フレーム・120ジョイントまで。年間の収益・資金が10万ドル未満
Indie1,266円(月払い3,007円)個人・小規模チーム向け。年間収益10万ドル未満
Pro5,223円(月払い7,756円)商用利用の制限なし
Teams1人あたり5,223円(月払い7,756円)2〜6人

年払いのプランは、契約期間中にリリースされたバージョンを継続して使える永続ライセンスが付きます。教育機関向けのアカデミックライセンスもありますが、こちらは教員・教育機関が対象で、学生個人は対象外です。

詳細は公式ブログの2026.2アップデート告知とリリースノートで確認できます。

管理人のひとこと

アニメーションレイヤーがようやく来たか、というのが第一印象です。ベースの動きを崩さずに上から揺れや芝居を足せるのは、3ds MaxやMayaでは当たり前に使ってきた感覚なので、Cascadeurで同じことができるようになるのは大きいと思います。ただし公式が自分で「最初のイテレーション」と言っているアルファ版なので、本番に入れるのはもう少し様子を見てからでしょう。個人的にはEasingのほうがすぐ使えそうで、軌道の形を保ったまま詰めと溜めだけいじれるのは、手付けでタイミングを追い込むときにそのまま使えます。そして日本語UIです。Cascadeurは操作の考え方が独特で、最初のとっつきにくさが導入のハードルになりがちだったので、メニューが日本語で読めるだけでもチームに勧めやすくなりました。無料版は非商用かつ300フレーム・120ジョイントまでという制限がありますが、触って感触を確かめるには十分だと思います。

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