Blenderでの作業に、ゲーム機のような実績解除を足す無料アドオンが公開されています。AchievementsはIllya-Ilev氏(GitHub: AdamSmasherr)による拡張で、Blender Extensionsで2026年7月29日に公開、8月11日に1.2.0へ更新されました。実績は79個、ポップアップの演出はSteam風・Xbox風・PlayStation風の3種類です。
Achievementsとは
Blenderのネイティブアドオンとして動き、作業内容に応じて実績が解除され、画面にポップアップが出ます。外部ライブラリを使わずBlender自身のPython APIだけで動作し、ネットワークアクセスもテレメトリも無いと作者が明記しています。要求する権限は「解除した実績と統計を設定フォルダに保存する」ためのファイルアクセスのみです。
3種類のポップアップ演出
演出は3つのスタイルが用意されていて、それぞれに専用のサウンドプロファイルが付きます。まずSteam風。

続いてXbox風。解除時のカードの出方と効果音がスタイルごとに変わります。

そしてPlayStation風。「Trophy earned!」の文言も再現されています。

なお作者は権利関係について、Steamはヴァルブ、XboxはMicrosoft、PlayStationはソニー・インタラクティブエンタテインメントの商標であり、本プロジェクトは独立したコミュニティプロジェクトで、いずれの企業ともBlender Foundationとも無関係だと明記しています。
79個の実績 ― その場のものと、累計のもの
実績はセッション単位(今回の起動中にやったこと)とグローバル(全期間の累計)に分かれています。⭐が付いたものはレア扱いで、金色のグロー付きで描かれます。分類は「基本」「モデリング&スカルプト」「ノード&マテリアル」「アニメーション&物理」「ライティング&レンダリング」「ワークフロー&事故」「マイルストーン」の7つ。
79個のうち、いくつか挙げるとこんな内容です。
- Goodbye, Cube! ― 起動から30秒以内にデフォルトキューブを消す
- Respect the Cube ⭐ ― デフォルトキューブを消しも変えもせずにレンダリングする
- Polygon King ⭐ ― 単一シーンまたはメッシュで1,000万ポリゴンを超える
- N-gon Criminal ― 10角以上の面を1つ作る
- Node Spaghetti ⭐ ― シェーダーまたはジオメトリノードで50本以上つなぐ
- Exoskeleton ― 100本以上のボーンを含むアーマチュアを組む
- Ouroboros ⭐ ― 自分自身のプロパティを参照するドライバー(循環依存)を作る
- Out of Memory ⭐ ― GPUメモリ不足でレンダーエラーを出す
- Living on the Edge ― 複雑なシーンを2時間以上、保存せずに作業する
- Outliner Chaos ― Cube.001形式の自動命名オブジェクトを47個以上、リネームせずに保つ
- Back from the dead ⭐ ― クラッシュ後にAuto Saveからプロジェクトを復旧する
- Year of the Donut ⭐ ― 365日ぶん、別々の日にBlenderを使う
累計系はShape Shifter(シェイプキー5/25/50)、Good Habit(保存100/1,000/10,000回)、NASA Computer(レンダー100/1,000/10,000回)、Unemployed(Blender滞在10/100/1,000時間)のようにI・II・IIIの段階になっています。
13週分の作業時間がGitHub風のヒートマップに出る
実績とは別にアクティビティカレンダーが入っています。直近13週について、その日どれだけBlenderを開いていたかをGitHubのコントリビューショングラフのようなヒートマップで表示するもので、Nパネルのサイドバー(実績リストの上)とアドオン設定の両方に置かれます。日付をクリックすると正確な時間が読めます。
見た目と音は自分で決められる

アドオン設定はプロファイル・カラー・サウンドの各セクションに分かれています。プロファイルでSteam/Xbox/PlayStationのいずれかを選ぶか、Customにして好きなアニメーションスタイルと自前のサウンドファイルを組み合わせることができます。作ったプロファイルはJSONで書き出し・読み込みができるので、別のマシンへ持っていけます。
色はポップアップカードの全要素が編集対象です。背景グラデーション、タイトル、説明文、レア実績のグローとアイコン枠に使うアクセントカラー。Preview/Preview Rareボタンで、実際に実績を取らなくても変更を確認できます。実績アイコンの色(背後のタイルとアイコン自体の2色)は一か所で設定すると、ポップアップ・Nパネルのリスト・設定画面のリストすべてに反映されます。アクティビティカレンダーの5段階のヒートマップ色も個別に設定できます。
1.2.0で入ったもの
- コンパクトなサイドバー表示 ― 1実績1行(アイコン、名前、バー)にして、狭いNパネルにリスト全体が収まるように
- ポップアップのサイズと表示する画面の角が設定項目になった
- アドオン設定が、長い1本のスクロールから折りたたみ可能なセクションへ
- 3Dビューポートが無くてもポップアップが出るように。スクリプティング/コンポジット/ビデオ編集の各ワークスペースでは、開いている中で最大のエディタに表示される(設定でオフにも可)
- 修正: 狭いサイドバーで実績の説明が切れ、広いサイドバーでは早く折り返していた問題。実際のパネル幅に応じた折り返しに
- 修正: 未解除の実績に実物の進捗バーと読みやすい数値表示(948300000 / 1000000000 ではなく 948M / 1B)
価格・入手先
Blender Extensionsから入手できます。無料、サイズは3.2MB、対応はBlender 4.4以降。コードのライセンスはGPL-3.0-or-later(同梱のフォントとサウンドはそれぞれ独自のオープンライセンス)です。ダウンロード数は1,594、レビューは3件で評価は5.0でした。ソースはGitHubで公開されています。
管理人のひとこと
完全にネタ寄りのアドオンだと思って開いたのですが、実績リストを読んでいるうちに笑ってしまいました。Living on the Edge(2時間保存せずに作業)とBack from the dead(クラッシュ後にAuto Saveから復旧)が並んでいるのが特に良くて、作った人がBlenderで同じ目に遭ったことがあるのが伝わってきます。Outliner Chaosの「47個」という妙に具体的な数字も含めて、実績の文言そのものが読み物になっていました。
実用面で唯一まじめに使えそうなのは、アクティビティカレンダーでした。13週分の作業時間がヒートマップで出るので、自主制作や勉強の継続を見るのにちょうどいい粒度です。ネットワークアクセスもテレメトリも無いと明記されているのも安心材料で、記録は手元の設定フォルダに置かれるだけです。
ただ、業務のマシンに入れるかというと素直に迷います。レンダー中にポップアップと効果音が出るのは、作業によっては邪魔になりますし、そもそも仕事のBlenderで「1,000時間」の実績が出ても喜びづらい。個人の環境に入れて、Nパネルのカレンダーだけ静かに眺めるくらいがちょうどいい距離感かなと思いました。効果音はプロファイルごとに音量を落とせるので、まずそこから触るのが無難です。



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