Abstractは2026年7月23日、3Dマテリアル・テクスチャリングツール「InstaMAT」の2026年7月アップデートを公開しました。今回の目玉は、アセットテクスチャリングに2D UVペイントが加わったことです。3Dビューの横に開く専用の2Dビューで、メッシュのUV上に直接描けるようになりました。あわせてUDIMの本格対応、リベイクとオートセーブの高速化、新しいプロシージャルノードの追加も行われています。
InstaMATとは
InstaMATは、Abstractが開発する3Dマテリアル・アセット・テクスチャリングの統合ツールです。ノードベースのプロシージャルなマテリアル制作と、メッシュへの直接ペイントの両方を1つのアプリケーションで扱えるのが特徴で、Substance 3D系のツールと同じ領域をカバーします。同じテクスチャリング分野でも新しい動きが続いており、選択肢が増えています。Windows・macOS・Linuxに対応し、年間の売上や調達額が10万ドル未満の個人・企業であれば無料ライセンスで使えます。
2Dビューでの UVペイントに対応
今回追加された2Dペイントは、アセットテクスチャリングのツールバーからワンクリックで開く2Dビューで、UV上に直接描き込む機能です。重要なのは、これが簡易版の別エンジンではなく、3Dペイントとまったく同じGPUアクセラレーションのプロシージャルなレイヤリング/ペイントエンジンで動いている点です。そのため、シンメトリーペイント・レイジーストローク・カーブ・ペイントプロジェクション、UVシェルやメッシュ法線を使ったプロシージャルマスクといった既存のツールが、そのまま2Dビューでも使えます。
3Dビューだけでは狙いにくい作業、たとえばタイヤのリムに沿ってテキストをきれいに配置する、UVプロジェクションで正しく変形する衣服をテクスチャリングする、といったケースを想定しています。ペイント結果はプロシージャルなので、元アセットが差し替わってもテクスチャリングが維持されます。

UDIMを前提としたワークフロー
2Dペイントは最初からUDIMに本格対応しています。UDIMレイアウト全体をタイルごとに並べて表示し、複数タイルをまたいでシームレスに描けます。サイドパネルからタイルを個別に無効化してシステムリソースを空けられるほか、タイルごとに実行解像度を設定できるため、寄りで見える部分だけ解像度を上げるといった配分が可能です。ツールバーのSolo機能で、作業中のマテリアルセクションやUDIMタイルだけに絞り込むこともできます。

2Dと3Dの行き来と、パフォーマンス改善
2Dビューと3Dビューは同じプロジェクトの同じレイヤーを見ているため、どちらで描いても即座に反映されます。ビューを切り替えるためにツールセットを覚え直す必要はありません。
内部的なパフォーマンスも改善されており、リベイクはUDIMベースや大規模なマルチマテリアルのプロジェクトで大幅に高速化、オートセーブも大きなプロジェクトで明確に速くなりました。長時間のテクスチャリング作業でツールが重くなりにくくなっています。

その他の新機能
- ✓ Mesh Bake Light ノード — 環境マップ(IBL)からライティングをベイクできる新ノード。あわせてRadiance/Irradianceマップを事前生成する HDRI Convolute ノードも追加
- ✓ Tile Scatter/Guided Scatter ノードの強化 — Distribution Modeに「Tile Number」オプションが追加され、散布結果をより制御しやすく・予測しやすくなった
- ✓ 2Dビューでも使える既存ツール — シンメトリーペイント、レイジーストローク、カーブ、ペイントプロジェクション、UVシェル・メッシュ法線・UVプロジェクション変換によるプロシージャルマスクライブラリ
アップデートの詳細はAbstract公式のリリース記事をご覧ください。
価格・入手先
| 価格 | Free(年間売上・調達額が$100,000未満の個人/企業)/ Indie $8/月(年払い・$250,000未満)または買い切り $489 / Pro $36/月(年払い)または買い切り $989 ※2026年7月時点 |
| 対応OS | Windows / macOS / Linux |
| 今回の更新 | 2026年7月23日公開。2D UVペイント、UDIM対応、リベイク・オートセーブの高速化、新プロシージャルノード |
| 入手先 | InstaMAT公式サイト(Abstract) |
機能の詳細・ダウンロードはInstaMAT公式サイトをご覧ください。
管理人のひとこと
InstaMATは名前を聞く機会が増えてきたものの、まだ実際には触れていないツールです。今回の2Dペイントで個人的に良いなと思ったのは、簡易版ではなく3Dペイントと同じエンジンで動く点。2Dで描くと決まるタイプの作業(ロゴやテキストの位置合わせ、UVに沿った柄)はセルルックの衣装まわりでもよくあるので、同じマスクやカーブがそのまま使えるのは素直に強いです。UDIMのタイルごとに解像度を変えられるのも、寄りのカットだけ上げたい実務の感覚に合っています。
なにより、年間売上10万ドル未満なら無料で使えるので、Substance系以外の選択肢を試しておきたい人は触ってみる価値がありそうです。セルルックでPBR系ツールをどう使うかについては以前まとめた記事の考え方がそのまま当てはまると思います。



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