Blenderアドオン開発者のHayashihikaru氏(X: @hayashi_cg)が、通常のモデリング編集をレイヤーとして記録・再編集できる無料アドオン「Edit Layers」を2026年7月17日にBlender Extensionsで公開しました。バージョン1.0.1は7月18日にリリースされています。
Edit Layersとは
Edit Layersは、Blenderの標準的な編集モード・スカルプトモードでの作業を、あとから切り替えたり並べ替えたりできる「レイヤー」として記録する非破壊編集アドオンです。ジオメトリノードのようなプロシージャルな仕組みではなく、押し出しやベベル、サブディビジョンといった通常のモデリング操作をそのまま行いながら、その作業履歴自体をレイヤースタックとして積み重ねていける点が特徴です。UIは日本語・英語の両方に対応しており(Blenderの言語設定に追従)、対応バージョンはBlender 5.0以降、ライセンスはGPL-3.0-or-laterで無料公開されています。

主な特徴
- 作業セッションをレイヤーとして記録: 「Record」を押してから通常どおり編集・スカルプトし、「Commit」で確定すると、その間の作業全体(押し出し・ベベル・サブディビジョン・削除などのトポロジ変更を含む)が1つのレイヤーとして保存されます。
- レイヤーの後編集・並べ替え・部分ベイク: 各レイヤーはON/OFF切り替え、並べ替え、途中に戻っての再編集、複数レイヤーの統合(Merge Into Previous)、任意の位置までの部分確定(Bake Up To Here)が可能です。あとから作られたジオメトリは近傍の頂点を基準に追従するため、上流のレイヤーで形状を変えても後続のレイヤーがついてきます。
- ブランチ分岐で複数案を比較: 任意のレイヤーからスタックを分岐(ブランチ)させ、案ごとに作業を続けられます。ブランチ同士は瞬時に切り替えられるほか、「Compare」で複製を並べて見比べることも可能です。共有レイヤーへの再編集は全ブランチに反映されます。
- 影響範囲のオーバーレイ表示: 選択したレイヤーがどの頂点を動かした/作成したかを、ビューポート上でオレンジ(移動)・緑(新規作成)でハイライト表示できます。
- 記録し忘れた編集も後から救済: Record未実行のまま編集してしまった場合も変更が自動検出され、「Adopt as a Layer」で通常のコミットと同じ品質でレイヤー化できます。
- 記録される属性: マテリアル割り当て、スムーズ/フラットシェーディング、シーム、シャープ、ベベルウェイトも記録対象です(UVと頂点カラーは非対応)。シェイプキーとは併用できず、スタック確定後に追加する運用が推奨されています。

Blender本体のPreferences > Get Extensionsから「Edit Layers」で検索してインストールでき、無料で利用できます。日本語のイラスト付きマニュアルもGitHubリポジトリで公開されています。
詳しくはextensions.blender.orgをご覧ください。
管理人のひとこと
このアドオン、3ds Maxを触っている身からするとかなり近いものを感じます。3ds MaxにはEdit Polyというポリゴン編集モディファイアがあり、モディファイアスタックの中に編集そのものを積み重ねて、あとから途中の編集に戻って直せるのが3ds Maxの強みの一つとしてよく語られます。Edit Layersは、まさにこの感覚をBlenderの通常の編集モード・スカルプトモードで再現しようとしているように見えます。ノードを組む必要がなく、普段通りに押し出しやベベルをしていくだけで履歴が積み上がっていくので、手続き的な思考が苦手でもプロシージャルな恩恵(後から戻って直す、案を分岐して比べる)だけを享受できそうな点に惹かれます。3ds Maxを触ったことがない方にこそ、Edit Polyのようなワークフローがどれだけ強力かを体験してもらえる入り口になりそうな一本です。特にブランチ機能は、キャラクターの小物や装飾のデザイン違いを複数案作って見比べたいときにそのまま使えそうです。まだダウンロード数も少ない生まれたてのアドオンですが、開発者ご自身が日本語マニュアルまで整備されているので、気になった方は試してフィードバックしてみるのも良さそうです。



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