Fyr Baker|独自GPUエンジンで焼く、ケージを塗って直せるBlenderのテクスチャベイクアドオン

Blenderのビューポートで、ドクロのローポリに緑のケージが重なって表示され、右にFyr Bakerのパネルが開いている画面 Blender

デンマークのGlow Artsが、独自のGPUベイクエンジンを積んだBlender用テクスチャベイクアドオン「Fyr Baker」のバージョン1.0を2026年9月24日に公式サイトで発売しました。ハイポリからローポリへの転写や、プロシージャルマテリアルの画像化を、別の専用ベイカーに書き出さずにBlenderの中で完結させるためのツールです。作者(@Glow_3D)は、Blender内蔵のベイクよりずっと速いと紹介しています。

出力できるマップは25種類。ノーマル(OpenGL/DirectX)、ベントノーマル、ハイト、AO、カーブチャー、ID、頂点カラーの投影、位置データに加え、Principled BSDFの8チャンネルをノードグラフから直接焼けます。

ベイクの設定をシーンの中に持つ

ベイクプロジェクトは、ベイクグループのツリーで管理します。各グループがローポリ・ハイポリ・ケージとテクスチャセットを持ち、選択から割り当てるほか、Low/High/Cageの名前の接尾辞からシーン全体を自動で組むこともできます。同じプロジェクトで、スカルプトの細部をゲームアセットへ移す「High to Low」と、プロシージャルマテリアルをPBRのテクスチャセットに焼く「Bake Selected Materials」の2通りを回せます。設定はblendファイルの中に残るので、オブジェクト名の変更やちょっとしたメッシュの修正が、書き出し直しにならずに済みます。

Jaw・Skull・Teethのベイクグループの下にLP・HP・Cageが並ぶFyr Bakerのプロジェクトツリー
ベイクグループごとにローポリ・ハイポリ・ケージを持つプロジェクトツリー(画像:Fyr Plugins公式サイトより)

ケージの届く範囲をビューポートで見ながら直す

ケージは距離指定・頂点ごとの自動・カスタムメッシュの3方式。ベイクが届く範囲がローポリの上にリアルタイムで重ねて表示され、投影の向きも針のような線で確認できます。距離指定ではロー・ハイの隙間からオフセットを1クリックで見積もれ、カスタムケージはInflate・Relax・Smooth・Spike Cleanupでめり込みや飛び出した頂点を編集モードに入らずに直せます。厚い所と薄い所がある形で1つの値が合わないときは、オフセット(自動ケージなら投影の傾きも)をローポリに直接ペイントして部分ごとに変えられます。

クリーチャーのローポリに緑のケージの届く範囲が重ねて表示されたビューポート
ケージの届く範囲をビューポートに重ねて表示(画像:Fyr Plugins公式サイトより)

プロシージャルマテリアルを「焼けるか」から教えてくれる

シェーダーグラフはコンパイルされ、対応するノード(ノイズ、ボロノイ、グラデーション、カラーやベクトルの演算、AO・Raycast・Bevelなど)がGPUで評価されます。Bevelシェーダーで丸めたエッジも、ほかの細部と同じようにノーマルマップへ焼けます。シェーダーエディターのBakeabilityパネルは、チャンネルごとにそのまま焼けるか、Cyclesへのフォールバックが要るか、焼けないかを表示し、問題のあるノードをボタン1つで選択して画面に出します。

Noise TextureとColor Rampをつないだシェーダーノードと、右上にチャンネルごとのBakeability表示
シェーダーエディターのBakeabilityパネル。チャンネルごとに焼けるかを表示する(画像:Fyr Plugins公式サイトより)

テンプレートでテクスチャを書き出す

書き出しは出力テンプレートで決めます。任意のマップやマテリアルのチャンネルをRGBAに詰め、$textureSetや$udimなどのトークンでファイル名を組み、TGA・PNG・EXR・TIFF、WindowsではBCn圧縮のDDSで書き出せます。Mesh Maps、PBR Metallic Roughness、Substance Painter、Unity URP/HDRP、Unreal Engine、ORM(glTF)など10種類のテンプレートが同梱され、どれも複製して編集できます。

ほかにも、変更のあったマップとグループだけを焼き直すBake Changed、UDIM(タイルごとの解像度指定)、ローポリ上でのマップのプレビュー、UVの継ぎ目をピクセルグリッドに合わせて目立たなくするOptimize UV Seams、UVを展開し直したときに直前のベイクを即座に再投影するLive Reprojectなどが入っています。公式サイトには、Blender標準のベイク、SimpleBake/Bake Wrangler、Marmoset Toolbag、Substance 3D Painterとの機能比較表も載っています。

価格・入手先

価格25ドル(Personal)/ 80ドル(Studio)
対応バージョンBlender 5.1以降
対応OSWindows(独自GPUエンジン)/ macOS・Linux(Cyclesでベイク)
作者Glow Arts(Fyr Plugins)
入手先Fyr Plugins公式サイト

価格はどちらも発売記念価格で、通常はPersonalが35ドル、Studioが90ドルです。Personalは個人1人向け(個人の商用利用を含む)、Studioは1つの組織内のチームでの共有利用向け。買い切りで、ライセンスキーやアクティベーションはありません。macOS・Linuxでは、アンチエイリアスのサンプル数やデノイズなど独自エンジン専用の設定が使えません。操作の詳細は公式のマニュアルにまとまっています。

管理人のひとこと

うちの仕事はセルルックが中心なので、ハイポリからノーマルを焼く機会はそれほど多くありません。それでも、プロシージャルで組んだマテリアルを画像にして別のソフトへ渡す場面はあるので、チャンネルごとに焼けるかどうかを先に教えてくれて、原因のノードまで連れていってくれるのは助かりそうです。

ケージのオフセットを部分ごとに塗れるのも、厚みの違う形で1つの値と格闘しなくて済むので、ベイクを多く回す人にはありがたいところだと思います。

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