重なり合った複数の立体から外側の形だけを取り出し、そのあとのメッシュの整理までボタン1つで済ませるBlender向けアドオン「Atsuki Outer Shell」が、2026年9月24日にBOOTHで販売開始されました。作者はVR空間のパーティクルライブ演出を手がける真あつき氏です。
9月23日に作者がXに動かしている様子を投稿し、その翌日に商品として公開されました。投稿された動画がこちらです。
重なった立体の内側を消して、外殻だけにする
対象のメッシュを選んで「外殻を作成」を押すと、重なった部分の内側が取り除かれ、外から見える形だけが残ったオブジェクトが新しく作られます。名前には「_OuterShell」が付き、元のオブジェクトとメッシュはそのまま残ります。複数のオブジェクトをまとめて選んでも、1つのメッシュの中に複数の立体が入っていても処理できます。
外殻の合成そのものには、Blender標準のBoolean(Exact / Union)を使っています。作者も製品ページで独自のBoolean演算ではないと明記していて、手作業でもできる一連の工程をまとめて実行し、作業時間を縮めるためのツールという位置づけです。作者はXで、仕事でこの作業を何度も繰り返すのが面倒だったので作った、と経緯を書いています。

Booleanのあとの後片付けまで続けて実行
外殻を作ったあとの整理は、設定に応じて続けて実行されます。製品ページが挙げている処理は次のとおりです。
- 密閉空洞の除去 閉じた空洞の内側に残る壁を削除
- 重なりの整理 重複した面と近接した頂点をまとめ、辺の上に乗った頂点をつなぐ
- 平面の整理 底面・上面・側面に残る余分な分割を整理
- 頂点の融解 形の変化を確かめながら、2辺以下の頂点を融解
- Nゴンの三角化 5頂点以上のNゴンだけを三角化し、四角面はそのまま残す(初期設定でオン)
それぞれの処理はパネルでオン・オフでき、許容距離などの値も調整できます。パネルはNパネルの「Atsuki Tools」タブにあり、表示は日本語と英語を切り替えられます。

向いているのは穴のない閉じた立体
対象は穴のない閉じた立体です。開いた面や分岐した辺があるとエラーで止まり、点や辺だけで接している立体、ごく小さな面、複雑な自己交差は処理できない場合があります。大きなメッシュでは、処理中にBlenderが応答しなくなることもあるとしています。
できあがったオブジェクトには、元の親子関係・アニメーション・コンストレイント・頂点グループ・シェイプキーは引き継がれません。マテリアルとUVはBooleanが補間できる範囲で残り、UVを投影し直す設定もあります。交差する線の上には必要な頂点と辺が足されるので、処理前より頂点数が増えることがあります。形が単純なものでは、標準のBooleanだけで作った結果と見た目がほとんど変わらない場合もある、と作者自身が書いています。
価格・入手先
| 価格 | 500円 |
| 対応バージョン | Blender 5.2 |
| ライセンス | GPL-3.0-or-later |
| 作者 | 真あつき(Atsuki Shop) |
| 入手先 | BOOTH |
このアドオンで作ったり加工したりしたメッシュや画像には、アドオンのGPLは適用されず、作者として独自の利用規約も設けないとしています。元の素材の権利は、それぞれの条件に従います。
インストール手順と更新履歴はBOOTHの商品ページ、各設定の詳しい説明はZIPに同梱の日本語版READMEにまとまっています。
管理人のひとこと
ジオメトリーノードで組んだ建物のように、箱をめり込ませて形を作ってから1つのメッシュにまとめたい場面は、背景モデリングではよくあります。ブーリアンで合体させるところまではすぐでも、そのあとに残る細かい頂点や細長いNゴンを片付けるほうに時間を取られるので、そこまで一度に済むのは助かりそうです。
とくに良さそうなのが、四角面は残して5頂点以上のNゴンだけを三角に割る設定です。ブーリアンの跡だけが三角になる形なので、セルルックで影の出方を見ながら面を直すときも、手を入れる場所が絞りやすくなります。



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