VirtuCamera Pro|スマホの仮想カメラにジョイスティック操作が追加

CG全般

スマートフォンを仮想カメラにして、手で持って動かした動きをそのまま3DCGソフトのカメラに記録するアプリ「VirtuCamera 2」に、上位版の「VirtuCamera Pro」が加わりました。開発元のThe Weird Byteが公式Xで2026年9月16日にリリースを告知しています。

アプリはiOSとAndroidで、プラグインはBlender・Maya・3ds Max・Houdini・Cinema 4D・Nuke向けが用意されています。Proは通常版の上にアプリ内のサブスクリプションで追加する形で、画面上のジョイスティックやゲームパッドでの操作、スライダーのプリセット、Pythonスクリプトの実行、ドリーズームなどが入りました。

開発元によるPro版のプレビュー動画がこちらです。

ベースになるVirtuCamera 2の機能

Proの土台になっている通常版の機能は、公式サイトによると次のとおりです。スマートフォンを実際のカメラのように動かして、その動きをWi-Fi経由でDCCへ送り、よいと思ったところでキーフレームとして記録します。

  • AppleとAndroidの端末による6自由度のリアルタイムモーションキャプチャ
  • DCCのビューポートをWi-Fi経由でアプリにライブ表示
  • タブレットでの大きな画面での確認にも対応
  • キャプチャとストリーミングは最大60fpsで設定可能
  • アプリとプラグイン間の通信は暗号化

再生の操作、カメラの切り替え、焦点距離の記録、動きのスケール、リアルタイムの手ブレ補正(スムージング)は通常版の段階で入っています。

カメラの追加・切り替えと、焦点距離のプリセット

公式サイトのPro版ページは、まずレイアウト担当向けの機能として、カメラの状態を元に戻す、新しいカメラを作る、カメラを順番に切り替える、といった操作を挙げています。レイアウトやプリビズで何台もカメラを試すときの手数を減らすためのものです。

カメラアイコンの横に、新規カメラ作成・元に戻す・前後のカメラへ切り替えるボタンが並ぶUI(画像: The Weird Byte)
カメラの新規作成・元に戻す・順番に切り替えるボタン(画像: The Weird Byte)

スライダーにはよく使う値をプリセットとして登録できます。焦点距離や動きのスケールのように、ショットをまたいで同じ値に戻したい設定をボタンひとつで呼び出せます。

焦点距離のスライダーの横に100・75・50・35のプリセットボタンが並ぶUI(画像: The Weird Byte)
焦点距離のスライダーにプリセットを並べた状態(画像: The Weird Byte)

DCC側をPythonで動かすボタンと、リグの属性

テクニカルディレクター向けとして挙がっているのが、カスタムのPythonスクリプトの実行です。アプリにボタンを並べておき、押すとDCCのPython APIを通してスクリプトが走ります。スクリプトは何本でも登録でき、エラーが出たときはスタックトレースがアプリ内に表示されます。

アプリのカスタムスクリプトのバーでMOVE ORIGINなどのボタンを押して実行するアニメーション(画像: The Weird Byte)
スクリプトのボタンを押すと、実行中はアニメーションが出る(画像: The Weird Byte)

もうひとつは、DCC側のカスタム属性をアプリのスライダーに割り当てる機能です。シーンやカメラの任意の属性をアプリから操作でき、トランスフォーム以外のパラメーターも手元で動かせます。

SHIFTX・SHIFTY・F-STOP・FOCUS DISTなどDCCの属性を割り当てたスライダーのUI(画像: The Weird Byte)
レンズシフト・F値・フォーカス距離などDCCの属性を割り当てたところ(画像: The Weird Byte)

ジョイスティックとゲームパッドでパン・チルト・ズーム

端末を動かす以外の操作方法として、ジョイスティックによるパン・チルト・ズームの操作が加わりました。画面上のソフトウェアのパッドのほか、PlayStationやXboxのBluetoothコントローラーにも対応していて、ジョイスティックの割り当ては細かく設定できます。

アプリ画面の左右に表示された2つの仮想ジョイスティック(画像: The Weird Byte)
画面上の仮想ジョイスティックでパン・チルト・ズームを操作する(画像: The Weird Byte)

このほか、ヒッチコックの『めまい』で知られるドリーズーム(被写体の大きさを保ったまま背景の遠近感だけを変える撮り方)のモードも入っています。App Storeの更新履歴では、三分割法のグリッド表示の追加も挙がっています。

価格・入手先

価格19.99ドル(Standard・買い切り)/ 月9.99ドル・年99ドル(Pro Indie)/ 年990ドル(Pro Business)
対応バージョンBlender 4.5〜5.2 / Maya 2026・2027 / 3ds Max 2026・2027 / Houdini 20.5〜22 / Cinema 4D 2026 / Nuke 16・17(Pro機能の対応)
対応OSiOS 16以降 / Android
作者The Weird Byte
入手先App Store / Google Play / 公式サイト(プラグイン)

Proは通常版のアプリ内から購読します。商用利用には条件があり、Standardは年間の総収入が5万ドル未満のフリーランス、Pro Indieは10万ドル未満のフリーランスに限られます。それを超える個人と企業はPro BusinessかPro Enterprise(価格は要相談)の対象です。価格は目安で、国によって変わり、最終的な金額はストアかアプリ内の表示が正になります。

DCC用のプラグインは公式サイトからGitHubのリリースページへのリンクがまとまっていて、使い方はユーザーガイドとFAQにあります。Maya 2023・2024でのPro機能はPro Business向けに準備中とされています。

管理人のひとこと

VirtuCameraは初めて知りました。カメラワークはレイアウトの工程で決まって、うちに来るころには固まっていることが多いのですが、アニメのCGでも手持ち風のカメラを付けたいカットはあります。カーブを手で揺らして作るより、スマートフォンを持って一度撮ってしまうほうが早そうです。

3ds Maxのプラグインが2026・2027でPro機能に対応しているのは助かります。アプリのボタンにPythonの処理を割り当てられるので、カメラを作ったあとの命名やレイヤー分けまで手元で済ませる、といった使い方もできそうです。

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