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CGElementaryのMorteza Ahmadi氏が、Maya用のスカルプトツール「CGE Sculpting Tool for Maya」(CGESculpt)を公開しました。2026年9月15日に作者のX(@CgMort)で発表されています。ブラシの処理をGPUのコンピュートシェーダーで行う専用のスカルプトオブジェクトを持ち、数百万ポリゴンのメッシュをMayaの中で彫れるようにするツールです。
Mayaを出ずにスカルプトまで済ませる
作者はCGESculptを、デフォーマーでもソフト選択の応用でもない「専用のスカルプトオブジェクト」と説明しています。ブラシエンジン、アンドゥ履歴、マルチ解像度とレイヤーのスタック、密なメッシュ向けのビューポートシェーダーをそれぞれ独自に持ち、モデリングからスカルプト、リトポ、UV、レンダリングまでをMayaの中で通せるとしています。

数百万ポリゴンのメッシュを扱えるほか、非多様体のジオメトリにも対応しています。作者によると、CGESculptはMayaの各ツールを作り直していく計画の最初の製品で、今後もMayaの別の部分を置き換えるツールを順に出していく予定です。
解像度を行き来しながら彫る

サブディビジョンのレベルを上げ下げしてもディテールが保たれ、粗い段階で形を取ってから細部に進み、また戻るという行き来ができます。解像度の間でディテールを転写するレベルプロジェクションも備えています。
軸を組み合わせられるシンメトリー

X・Y・Zのミラーを自由に組み合わせられ、任意の軸まわりの放射状シンメトリーにも対応します。シンメトリーの中心も編集できます。
衝突判定つきのクロスブラシ

ClothDrag、ClothPush、ClothPinch、ClothFoldなど10種類のクロスシミュレーション系ブラシがあり、シーン内の他のメッシュとの衝突と自己衝突を計算します。自己衝突があるので、しわが重なっても互いに突き抜けません。ハイポリのメッシュでは、SoftnessとFold sizeでしわの密度を調整できます。シンメトリーにも対応しています。
リグなしで手足を曲げるポーズブラシ

PoseとPose Limbのブラシは、リグを組まずに手足を自然な減衰で曲げられます。曲がり方の偏りも調整可能です。専用のTransformツールはマスクされていない範囲だけに作用するギズモを持ち、一部をマスクしてから移動・回転・スケールできます。モードの切り替えはMayaと同じW/E/Rです。
強さを後から変えられるスカルプトレイヤー

スカルプトレイヤーはレイヤーごとに強さを持ち、後からかかり具合を上げ下げしたりオフにしたりできる非破壊のディテール付けです。専用のLayersパネルがあり、レイヤーマスクも編集できます。
リメッシュ・デシメート・LODの自動生成

ボクセルリメッシュは任意の解像度で閉じたトポロジーを作り直します。デシメートは最初の1回で削減の順序を計算してキャッシュするので、以降はスライダーを動かすとすぐに結果が変わります。複数の解像度をMayaのLODグループとしてベイクでき、UVを保ったままいつでもMayaのメッシュに変換できます。
SDFのブーリアンとボクセルスカルプト

符号付き距離場(SDF)のモデリング機能も内蔵しています。SDFのプリミティブをスムーズブーリアンで組み合わせ、ボリュームに直接ボクセルスカルプトができます。プリミティブはギズモでいつでも編集し直せ、Meshifyでスカルプト可能なメッシュに変換します。セットアップの保存と読み込みにも対応しています。作者はSDFとボクセルスカルプトを初期段階の機能としています。
線・矩形・楕円で切るカット/トリム

カット/トリムツールは線・矩形・楕円の3モードで、ギズモで動かせる平面に沿ったトリムもできます。メッシュとSDFのボリュームのどちらにも使えます。
その他の主な機能
- ブラシ: Clay、ClayBuildup、Crease、Dam、SnakeHook、Polishなど24種類の基本ブラシ
- 履歴とタイムライン: オブジェクトごとのアンドゥ履歴をタイムラインでたどれ、履歴はMayaのシーンファイルに保存可能。ストロークごとのカメラ位置を再現するタイムラプス再生つき
- マスク: ブラシでのペイント、矩形選択、曲率・法線によるマスク、拡大・縮小・ぼかし・シャープ。Cキーを押している間はどのブラシからでもマスクモード
- カーブとメッシュのブラシ: ストロークから編集可能なNURBSカーブとチューブを生成。重力・硬さ・衝突でロープのように垂らすチェーンダイナミクス、表面へのメッシュのスタンプ・散布
- シェーディング: 色やラフネス、リムを調整できるスカルプト用マテリアル、シーンのライトを使うPBRモード、割り当てたstandardSurfaceなどでの表示、リアルタイムのキャビティとAO
- Mayaとの統合: スカルプトオブジェクトは.ma/.mbに保存。ツールを有効にすると選択中のメッシュを自動変換し、抜けると元に戻す。Ctrl+右クリックのマーキングメニュー、ペンの筆圧、アルファライブラリとブラシプリセット、シェルフとホットキー
価格・入手先
| 価格 | $98(Educational)/ $144(Indie / Freelance)/ $348(Studio) |
| 対応バージョン | Maya 2023〜2027 |
| 対応OS | Windows(Macは対応予定) |
| 作者 | Morteza Ahmadi氏(CGElementary) |
| 入手先 | Gumroad |
サブスクリプションではなく買い切りの永続ライセンスです。Educationalは学習者向けの非商用ライセンスで、基本のスカルプトツールが入っています。Indie / Freelanceは全機能・1ユーザーで、年間売上10万ドルまで商用利用できます。Studioは全機能で商用利用の上限がなく、メールでの優先サポートがつきます。ビューポートのレンダリングエンジンが「OpenGL – Core Profile (Compatibility)」になっていないとメッシュが表示されないことがあると、作者が注意書きを添えています。
管理人のひとこと
Mayaで作っているモデルに少し彫りを足したいだけでも、別のスカルプトソフトへ書き出して戻すと、UVや頂点の並びが崩れていないかの確認までがひと続きの作業になります。Mayaの中で完結するなら、その往復ごと無くせそうです。
気になっているのはポーズブラシとクロスブラシです。キャラの腕の角度を少し変えたい、服のシワを足したいといった直しは、リグを組むほどでもないのに意外と手間がかかります。スカルプトオブジェクトのままシーンに保存でき、いつでもMayaのメッシュに戻せる作りなので、既存のデータに混ぜて使えるかが実際に触るときのポイントになりそうです。



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