Bugmeadow|日本の里山と棚田から起こしたファンタジー村。配色6案を並べて決めるまでの工程

CG全般

コンセプトアーティストのEugenia Chernova氏が、個人制作のコンセプトアート「Bugmeadow」をArtStationで公開しています。公開は2026年7月10日、本人の説明によると日本の里山と棚田から着想した個人プロジェクトです。使用ソフトとしてBlenderとPhotoshopが登録されています。

目を引くのは絵そのものですが、この投稿には完成画だけでなく、構図のラフから小物の形出しまでのデザインシートが並んでいます。

グレーで組んでから色を乗せる

投稿の最後に、制作の進み方をまとめた短いアニメーションが置かれています。モノクロで構図と明暗を決め、そこへ色を乗せ、最後に空気感と光を足していく順序がそのまま見て取れます。

モノクロの構図から完成までの進み方(画像: Eugenia Chernova)
モノクロの構図から完成までの進み方(画像: Eugenia Chernova)

この絵の場合、最初のモノクロの段階ですでに「手前の葉」「甲虫と道」「奥の塔と集落」の3層に分かれています。色が付く前に画面の読み順が決まっている、という作り方です。

色と空気感は6案並べて決めている

デザインシートの1枚が「Color & Atmosphere」で、同じ構図に対して昼・夕暮れ・夜寄りなど6通りの配色が並んでいます。上段の3枚は塗りのラフ、下段の3枚は3Dのブロックアウトに色を乗せたもので、最終的に採用されたのは夕日が塔の真後ろに来る案です。

同じ構図で6通りの配色を並べた検討シート(画像: Eugenia Chernova)
同じ構図で6通りの配色を並べた検討シート(画像: Eugenia Chernova)

採用案だけを見ると偶然に見える夕日の位置も、並べた中から選ばれたものだと分かります。

寄って見ると塗りの粗さが残っている

投稿には完成画の一部を切り出した画像も添えられています。雲や壁面は近くで見るとかなり大づかみな筆致で、引きで見たときに情報がまとまるように配分されているのが分かります。

塔まわりを切り出したところ(画像: Eugenia Chernova)
塔まわりを切り出したところ(画像: Eugenia Chernova)

デザインシートは全部で6枚

ArtStation側には、ここで紹介した以外にも工程のシートが並んでいます。見出しはそれぞれ「The Idea and Composition Sketches」(着想と構図のラフ)、「The Village」(村全体のスケールと配置)、「The Windmill Tower」(風車の塔)、「The Houses」(家)、「The Cargo beetle & Plants」(荷運びの甲虫と植物)です。

どのシートも、集めた資料 → シルエット案を数種類 → 3Dで起こしたもの、という並びで構成されています。家のシートでは合掌造りや茅葺きの資料からシルエットを起こし、甲虫のシートでは実在の甲虫やハスの葉から形を取っています。資料が併記されているぶん、どこを写してどこを変えたのかが追えます。全6枚はArtStationの投稿で見られます。

管理人のひとこと

コンセプトアートの投稿はたくさんありますが、資料・シルエット案・3Dブロックアウトを1枚のシートに並べた形で全工程を出しているものはそう多くありません。特に「同じ構図で配色を6案並べる」ところまで見せてくれているのはありがたい話です。完成画だけだと、あの夕日の位置が選ばれた結果なのかどうかは分かりません。

モノクロで3層に分けてから色に進む順序は、セルルックの背景でも同じことをやっています。色を先に置くと、明暗の設計が色に引っ張られて後から直せなくなるので、グレーの段階で読み順を確定させておく作りは、実務でもそのまま通じます。

3Dで起こしてから塗る工程が入っているぶん、Blenderを触る側から見ても入口の見つけやすい題材です。作者本人が投稿にNoAIのタグを付けているので、ここでは絵と工程の紹介にとどめて、リンク先で直接見てもらえればと思います。

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