MatPlus 1.3|ベクターマスクとステッチが入った、Blenderのテクスチャペイントアドオン

MatPlusのロゴと「Built for PROFESSIONAL Workflows」の文字、積み重なった素材のレイヤーを描いた製品画像 Blender

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BeFX Studiosが、Blender用のテクスチャペイントアドオン「MatPlus」の1.3を2026年9月18日にSuperhiveで公開しました。9月22日には修正版の1.3.1も出ています。MatPlusは、Blenderのマテリアルの上にレイヤーを重ねてテクスチャを塗るアドオンで、作者はSubstance 3D Painterと同じ流れの作業をBlenderの中で行えると説明しています。1.3では、ベジェ曲線で形を描くベクターマスク、縫い目を並べるステッチ、複数のソースを重ねるマスクジェネレーターなどが加わりました。

FBXやOBJで書き出してほかのソフトに渡す必要はありません。塗った結果はBlenderのマテリアルにそのまま入り、EeveeやCyclesで見たものが最終のレンダーになります。レイヤーはMatPlusがノードツリーとして組み立てて管理するので、あとから何度でも直せます。

ベクターマスク:くっきりした輪郭を、曲線で描ける

パネルの区切りやデカール、塗装のライン、切り欠きのように、輪郭がはっきりしたものに使う新しいエフェクトです。ブラシで縁を塗る代わりに、ベジェ曲線で輪郭をなぞります。描いた形はあとから動かせます。形は3Dビューポートのモデルの上にも、分割表示のUVレイアウトの上にも描けます。

形は重ねることができ、和・差・積・置き換えのブーリアンで組み合わせられます。それぞれを塗りつぶし、太さのある線、リングのどれにするかも選べます。ぼかしは点ごとに付けられるので、同じ輪郭でも片側の角はくっきり、反対側はやわらかく消える、という形にできます。作者は、上からブラーをかけるのではなく、Nukeと同じように2本目の曲線でぼかしを決める仕組みだと説明しています。

モデルの上にベジェ曲線で赤い形を描き、点ごとにぼかしを変えているデモ
ベクターマスクの形を描き、点ごとにぼかしを付ける(画像:BeFX Studiosの紹介ページより)

ステッチ:縫い目を、なぞるだけで並べられる

革や布張り、服のような縫い目のあるものに使う新しいエフェクトです。縫い目の通り道をなぞると、ステッチが表面に沿って並びます。「Auto Stitch」を使うと、モデルのUVのシームに沿って全体を縫えます。ベクターマスクと同じく、ステッチも曲線としてエフェクトの中に残るので、あとから直せます。

革や木の表面に、なぞったパスに沿って縫い目が並んでいくデモ
なぞったパスに沿って縫い目が並ぶ(画像:BeFX Studiosの紹介ページより)

マスクジェネレーター:Substanceと同じ感覚でマスクを組める

作者がSubstanceのMask Editorを再現したものと説明している、新しいスマートマスクです。厚み・位置のグラデーション・ワールド空間の法線・曲率・AO・テクスチャ2枚の7つのソースを、1枚のマスクに重ねます。ソースごとにブレンドモード・不透明度・反転・レベルを持ち、初期値はSubstanceと同じです。作ったマスクは保存して、ほかのマテリアルにも使えます。

1.3では、マスクをまるごと保存して使い回せる「Smart Masks」と、UVアイランドの境界からの距離でマスクを作る「UV Border Distance」も加わりました。UV Border Distanceは、ベイクしたマップが無くても使えます。

球のマテリアルに、複数のソースを重ねたマスクを作っているデモ
マスクジェネレーターで複数のソースを重ねる(画像:BeFX Studiosの紹介ページより)

スキュー補正:ベイクで角がゆがむのを、塗って直せる

ハイポリからローポリにベイクすると、角やベベルの近くでディテールがゆがむことがあります。1.3では、このゆがみを補正する「Skew Correction」が入りました。補正をかける場所は、ブラシで塗って指定します。マルチレゾリューションモディファイアーの段階からマップをベイクすることもできるようになりました。

箱型のモデルの角に付いたボルトのディテールの、ベイクのゆがみを補正しているデモ
角のディテールのゆがみをスキュー補正で直す(画像:BeFX Studiosの紹介ページより)

自動更新:手で更新しなくても、書き出しと同じ見た目になる

作者が、毎日の作業でいちばん違いを感じる変更として挙げているのがこれです。これまではマスクのキャッシュを手で外し、フィルターを手で更新する必要がありました。1.3では、ベイクして使うフィルターの値を変えると、その先にあるものも自動で計算し直されます。書き出したときと同じ見た目を、手で更新しなくてもプレビューできます。

フィルターの値を変えると、球のマテリアルの模様が自動で更新されるデモ
フィルターの値を変えると、その先も自動で計算し直される(画像:BeFX Studiosの紹介ページより)

出力テンプレート:エンジン向けの書き出し設定が19種類

書き出し用のテンプレートは19種類が最初から入っています。Unreal Engine・Unity(URP・HDRP)・glTF 2.0・Godot 4・Arnold・Redshift・V-Rayなどに合わせて、どのテクスチャをどの名前・形式で出し、各チャンネルに何を詰めるかが決まっています。自分で組み合わせたテンプレートも作れます。プロジェクトを作るときに選んだテンプレートで、そのプロジェクトのチャンネルの構成も決まります。

書き出しパネルで出力テンプレートを選び、チャンネルの詰め方を設定しているデモ
出力テンプレートの設定画面(画像:BeFX Studiosの紹介ページより)

1.3のそのほかの変更

  • プロジェクト一式が.blendの中に収まり、.blendを渡せばプロジェクトごと渡せる
  • 何百枚ものレイヤーを少数のノードにまとめ、あとから中に入って編集もできる「Flatten Group」
  • レイヤーとグループのコピー&ペースト(別のマテリアルへも可)
  • 環境・カメラ・コンポジットのエフェクト・ビューポートの設定を、新しい「Display」タブにまとめた
  • 一度追加したテクスチャをどのプロジェクトでも使える、個人用ライブラリ「Custom」
  • 新しいフィルター2種:マスクの縁をピクセル単位で縮める・広げる「Erode」、マスクから錆を垂らす「Dripping Rust」
  • エッジの摩耗を出すスマートマスク「Edge Wear」を、曲率を使う形に作り直した
  • 進行状況のバー、統計の表示、テクスチャの整理、レイヤーの検索

1.3.1では、UDIMのタイルを選んで書き出せるようになり、タイルごとに解像度も変えられます。ベクターマスクとステッチはUDIMに対応しました。Auto Stitchは、塗りに使うUVマップとは別のUVマップからシームを読めるようになっています。

価格・入手先

価格75ドル(Individual)/ 300ドル(Indie・5席まで)/ 600ドル(Studio・10席まで)/ 1,500ドル(Academic)
対応バージョンBlender 4.5〜5.2
ライセンスGPL
作者BeFX Studios
入手先Superhive

どのライセンスにも、12か月分のサポートとアップデートが含まれます。360種類以上のPBRマテリアル(AmbientCG)と、1,000枚近いグレースケールのマスク用テクスチャも同梱されています。Academicは25席以上の学校向けです。機能ごとの説明は、作者の紹介ページとドキュメントにまとまっています。

管理人のひとこと

Blenderの中でレイヤーを重ねて塗るアドオンは、以前紹介したUcupaintもありますが、MatPlusはSubstance 3D Painterの作業を丸ごと持ち込む方向に寄せています。マスクジェネレーターの初期値までSubstanceに合わせてあるので、Painterに慣れている人ほど迷わずに使えそうです。

革や布の小物に入る縫い目は、数が多くて手で並べると手間のかかるディテールです。シームを読んで全体を縫ってくれて、あとから位置も直せるAuto Stitchは、そのあたりを任せられそうです。

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