FoundryのAIロトスコープ「SmartRoto」提供開始|Nukeのロトを最大4倍高速化

Nuke

Foundryが、Nuke向けのAIロトスコープ・プラグイン「SmartRoto」の提供を開始しました(2026年8月時点で提供中)。数フレームだけ手作業でロトを切ると、そのスプライン形状をAIがシーケンス全体へ伝播させるツールで、手作業のロトスコープと比べて最大4倍高速とされています。

SmartRotoとは

SmartRotoは、Nuke上で動作するロトスコープ支援プラグインです。アーティストが最初の数フレームでシェイプ(スプライン)を作ると、AIがその入力をもとに残りのフレームへシェイプを適用していきます。機械学習ベースでありながらスプライン主体のインターフェイスを備えているのが特徴で、最後の仕上げまでアーティストが精度をコントロールできます。Nukeの既存のRotoノードにネイティブ統合されているため、いつものロト作業の延長で使えます。

スプライン主体だから最後まで手で追い込める

SmartRotoは「アーティスト・イン・ザ・ループ」の設計で、AIが伝播させた結果に対してシェイプをロック・修正しても、最初からやり直す必要がありません。ピクセルマスクを吐き出すタイプのML系ツールと違い、編集可能なスプラインとして扱えるので、これまでのロトの知見をそのまま活かせます。

SmartRotoのスプラインUI
スプラインベースのインターフェイス。最後のピクセルまで手で追い込める(画像: Foundry公式)

数フレームのロトからシーケンス全体へ

使い方はシンプルで、最初に数フレームだけ手作業でロトを切り、あとはSmartRotoにシーケンス全体へ広げてもらう、という流れです。伝播させた各フレームを確認しながら、ずれた箇所だけスプラインを直していけます。

SmartRotoのビューアとフレーム
数フレームの手付けロトを、シーケンス全体へ伝播させる(画像: Foundry公式)

学習データはライセンス済み・処理はローカル完結

SmartRotoの土台となるモデルは、商用利用を前提にライセンス済みのデータのみで学習されているとされています。また処理はすべてローカルで完結し、ユーザーのデータが外部に送信されることはないと説明されています。もともとは2019年に、FoundryがDNEG・バース大学と共同で始めた「SmartROTO」研究プロジェクトが源流になっています。

価格・動作環境

  • 価格: 年額 US$499(表示価格 US$599)のサブスクリプション。Nuke本体のライセンスとは別に必要
  • 90日間の無料トライアルあり(制限なし・本番作業にも使用可)
  • ライセンス形態: ノードロック/フローティング/ログイン。フローティングなら同一サーバーのアーティストで共有できる
  • 動作環境: Nuke 16.1以降(Nuke/NukeX/Nuke Studio/Nuke Indie、または無料トライアルライセンス)

詳しくはSmartRoto(Foundry公式製品ページ)をご覧ください。

管理人のひとこと

自分は普段モデリング側にいるのでロトは専門ではないのですが、それでもロトスコープが「時間を溶かす工程」の代表格なのはよく分かります。AIでマスクを一発生成するのではなく、あくまでスプラインとして残して最後は人が追い込める、という設計はNukeのアーティストに馴染みやすそうです。学習データがライセンス済みで処理もローカル完結というのは、案件で使うことを考えると安心材料だと感じました。90日もフル機能で試せるので、ロトの多い現場なら一度実データで検証してみる価値はありそうです。

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