ArtStationとSketchfabが、2026年8月10日付でEpic Gamesを離れ、KitBashの傘下に入りました。KitBashは3Dアセットライブラリ「KitBash3D」と、モーショングラフィックス向けツール・素材を提供する「Greyscalegorilla」を運営する会社です。ポートフォリオもログインも料金プランも現時点では変わらない、と各社が公式に明言しています。
Epic Gamesから移り、4つのブランドが1社に
今回の発表で、KitBash3D・Greyscalegorilla・ArtStation・Sketchfabという4つのブランドが同じ会社の下に並びました。KitBash側はこの並びを「制作の流れの中で補い合う部分をつなげるもの」と説明しています。アセットと学習素材を提供する2ブランドに、作品を発表して見つけてもらうための2プラットフォームが加わる、という整理です。

Epic Games側は自社ニュースで、ArtStationとSketchfabがKitBashに移る背景として「Epicは Unreal Engine 6・Fortnite・開発者エコシステム・Epic Games Storeの構築を優先し続ける」と説明しています。手放す理由を、自社の注力領域の整理として位置づけた形です。
Epic GamesでUnreal EcosystemのSVPを務めるBill Clifford氏は「ArtStationとSketchfabは、アーティストが作品を共有し管理するための定番のプラットフォームです。KitBashは、制作のあらゆる段階にいるアーティストが新しい形でつながり、作品を見せる機会を広げてくれるでしょう」とコメントしています。
KitBashの共同CEOであるBanks Boutté氏は、次のように述べています。
KitBashは10年以上にわたってクリエイティブコミュニティの一員でしたし、ArtStationとSketchfabが世界中のアーティストや3Dクリエイターにとってどれほど中心的な存在か、身をもって知っています。人々がポートフォリオやキャリア、コミュニティを築いてきた場所です。その信頼は本物であり、私たちの最優先事項は、それぞれのプラットフォームでユーザーが最も価値を感じている部分を守ること、そこに頼っている人たちの声を聞くこと、そして将来に向けて慎重に作っていくことです。
ArtStation: ログインもポートフォリオもそのまま
ArtStation側の告知では、利用者に影響が出ないことがFAQの形で並べられています。

- ✓ ポートフォリオの投稿、ブログの公開、2D/3Dアセットとプリントの売買、求人の検索・掲載はこれまでどおり
- ✓ ログイン情報と過去にアップロードしたポートフォリオはそのまま
- ✓ Proのサブスクリプションに変更なし
- ✓ ArtStation JobsもDigital Marketplace・Prints Marketplaceも従来どおり利用できる
- ✓ 知的財産と作品の権利は引き続き制作者のもの。KitBashは制作者の所有権・クレジット表記・権利を守るとしている
サポートの窓口も従来どおり support@artstation.com です。
Sketchfab: 共有もダウンロードも料金も変わらない
Sketchfab側の告知も同じ構成で、こちらはモデルの共有・ダウンロード、埋め込み、既存のワークフローが変わらないことが明記されています。

料金・サブスクリプションプランにも変更はなく、現在のプランと機能はそのまま維持されるとしています。企業向けの契約(エンタープライズ契約)も引き続き履行され、企業ユーザーの使い方も変わりません。窓口は support@sketchfab.com です。
3Dモデルを埋め込んで使っているサイトの運営者にとっては、embedがそのまま動き続けると明記された点が実務上いちばん大きいところでしょう。
KitBash3D・Cargo側も据え置き
買われた側だけでなく、もともとKitBashを使っていた側にも変更はありません。KitBash3Dのキットやアセット、アセット管理ツールCargoへのアクセス、既存のサブスクリプションはこれまでどおり動作し、価格やサブスク料金の値上げも今回の発表には含まれないとしています。
統合の予定はまだ発表されていない
気になるのは4ブランドがこの先どうつながるのかですが、KitBashは「製品の統合やロードマップを今回announceするものはない」と明言しています。理由として挙げているのは、まず日常的にこれらの場所を使っている人たちから直接聞いて学ぶ時間を取る、ということ。長期的な計画は進展に応じて透明性をもって共有するとしています。
ArtStationは2021年4月、Sketchfabも同じく2021年にEpic Gamesの傘下に入っており、5年での移管となります。
発表は各社から同時に出ています。ArtStation Magazine、Sketchfab Community Blog、KitBash3D、Epic Gamesの4か所で、それぞれのユーザー向けにFAQが用意されています。
管理人のひとこと
ArtStationは仕事でも参考に見ますし、Sketchfabは3Dモデルの確認でお世話になっているので、まず「ログインとポートフォリオはそのまま」と明記されていたのを見て安心しました。この手の発表は「当面は変更ありません」で終わることが多いなか、料金・権利・企業契約・埋め込みまで項目を分けてFAQで答えているのは、聞かれる前に潰しにきている印象があります。とはいえ実際に変化が出るのはこれからで、KitBash自身が「統合の予定はまだ無い、まず話を聞く」と言っている以上、しばらくは様子見だと思います。個人的に気になるのは、KitBash3DやGreyscalegorillaといった「素材を売る側」と、ArtStationのような「作品を見せる場所」が同じ会社になったときに、露出のされ方がどう変わるかという点です。今のところ何も変わらないので、慌ててポートフォリオを引っ越す必要は無さそうですが、続報は追いかけたいところです。



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